2011年5月28日
第10陣

メンバー
・釜石地区
 加藤励(北海道、30期)
 小橋優子(臨床心理士)
・登米・南三陸地区
 齊藤晋(北海道、18期)コーディネーター
 廣瀬英生(岐阜、24期)
 中津大介(臨床心理士)
 法眼裕子(臨床心理士)

<釜石地区>
 釜石チームは、第9陣の流れをそのまま引き継ぎ、第11陣へたすきを繋いだ。日中の巡回診療と、夜間当直を担当した。巡回診療での疾患としては、今まで通りの血圧、感冒、めまい・ふらふら等の自律神経症状が主で、かかりつけ医への橋渡しの役割を担った。必要性は低くなっており、全国から派遣されている避難所の保健師の努力と、釜石市の復興によることが大きいと思われた。5月26日から、市の元特養施設(清風園)23床を使用し、急性期を過ぎた患者の入所が開始された。巡回診療の縮小を視野に、ここを中心に訪問看護・訪問診療を行っていく流れを検討中である。吉田副院長の同期である、山本博徳先生(高知7期)が応援に来られ、活動を共にした。院内の勉強会を担当され、スタッフで講義室は満員となり、盛況であった。震災後、初めての講演会とのことで、現場の士気が高まった印象があり、新しい支援の形をみた。大変勉強になった。
釜石地区 加藤励

<登米・南三陸地区>
 津山診療所(登米市立豊里病院津山診療所)を拠点として、津山診療所での外来診療を廣瀬医師と齊藤で交代で行った。6月からは月・水・金の週3日に縮小される。また、南三陸町最大の避難所であったベイサドアリーナは閉鎖されていたが、同施設内にある志津川病院仮設診療所での外来診療(平日週1.5回)と当直(齊藤)を行った。土・日も仮設診療所でのオンコールとして補助を行った。前週から保険診療に移行されており、町内巡回バスにより各避難所から患者さんが受診されている。1日平均100〜130名の方が内科外来を受診されており3名の内科医(地元開業医、渡辺医師(宮城30期)、齊藤)で診療を行った。お薬手帳をお持ちの患者さんはお薬手帳を参考に処方を行い、お薬手帳の無い方は聞き取りで同系統の処方を行った。DMAT(災害派遣医療チーム)、TDMAT(徳洲会災害医療協力隊)、国境なき医師団などの医療チームの方々が避難所ですでに聞き取りを行っていらっしゃる患者さんもおり、その聞き取り内容を参考に処方した。不眠や倦怠感、血圧の上昇など体調不良を訴えられる方も多く、夜間は小児、外傷の患者さんの受診もあった。感冒症状、胃腸炎症状の患者さんもいらっしゃいましたが、集団発生はなく感染の拡大も見られなかった。気仙沼市より1000本の肺炎球菌ワクチンの寄贈があり南三陸町内の避難所の方々への接種が開始される予定である。石巻赤十字病院では高齢者の肺炎での入院患者が多いとのことで、夏の暑い時期に入る前の速やかな接種開始が望まれる。津山診療所近くにある若者総合体育館には、まだ120名弱の方が避難されており、1日1回は巡回訪問をして健康状態の把握と集団での感染症などの発生がないか確認を行った。また、閉館した特別養護老人ホームを使用して福祉避難所が開設されており、入所者(12名)の把握を行うとともに、健康状態、服薬内容、既往歴などの情報収集を行った。また、登米市立米谷(まいや)病院の週1回の外来(5月で終了)と3回の当直(廣瀬2回、齊藤1回)を行った。
 6月1日より志津川病院よねやま病棟(一般27床、療養12床)が登米市立よねやま診療所内に開設される。それに伴い志津川病院仮設診療所は南三陸診療所と名称変更となる。南三陸診療所の後方入院機関として機能することとなる。近隣の医療機関へ入院中の患者さんの転院が数名決まっており、プロジェクトの支援もよねやま病棟での活動へとシフトしていくこととなる。

臨床心理士について
 第10陣から登米(とよま)地区(登米公民館・武道館)と津山地区(若者総合体育館)の2か所の避難所をボランティアとしての活動拠点として担当することとなり、前者には法眼臨床心理士が、後者のには中津臨床心理士が訪問した。登米市ボランティアの腕章をつけての活動である。臨床心理士を前面に出さない形での「ボランティア」である。色々な意味で津山診療所と連携の深い避難所で「ボランティア」としての活動を行うと共に、許される範囲での「声掛け」や「会話」を行う。毎週水曜日の午後3時から南三陸町仮設役場で定期開催される「保健師会」にオブザーバーとして出席をし、南三陸町のメンタルヘルスについての動きや進捗状況をしっかりと把握することに努める。現状では、南三陸町内では実質的な臨床心理士としての実質的な活動を行えるタイミングではなく、しばらくは避難所でのボランティア活動を通じて被災者の方々と直接接して支援を続けていきながら、南三陸町での臨床心理士としての活動が開始できる時期を待つ。


移動中の情景

移動中の情景

移動販売車
移動販売車

おわりに
 同じ自治医大を卒業しながらも、卒業期、出身県が異なっていて全く面識がなくても、今まで一緒に仕事をご一緒させていただいていたような親近感を感じました。自治医大卒業で本当に良かったと心から感じた。今までの経験を活かす事もできたし、今回の経験がこれからの医師人生にも影響を与えたのは間違いない。貴重な経験になったと思います。今回のプロジェクトでお世話になった皆様にこの場をお借りして御礼申し上げたい。

第10陣コーディネーター 齊藤晋