2011年3月19日 南三陸町公立志津川病院

東日本大震災支援の基本方針 東日本大震災支援の基本方針

支援活動を行う地区は岩手県釜石地区、宮城県南三陸および登米地区としました。

 活動に先立ち、3月15日に2名の卒業生が被災地へ出発し、主に宮城県北部と岩手県南部の医療機関や避難所を訪問しながら、支援に際して必要な情報を収集しました。この調査により、最も被害が大きかったのは岩手県釜石市から宮城県南三陸町にかけての地域であり、長期的な医療支援、地域全体を見通した支援、心身を含む多岐にわたる被災者の健康問題への対応などが求められていることが明らかになりました。自治医科大学の卒業生は平常時より総合医として地域医療に従事している者が多く、このような被災地での需要に応えるのに適した集団であることも分かりました。そこで、当プロジェクトでは次の基本方針で支援活動を行うこととしました。

  • 現地の状況に応じた長期的な支援を行う。
  • 自治体と連携して避難所への巡回診療なども行い、地域全体を支援する。
  • 派遣医師は自立して活動する。

このような支援活動を通して、現地の医療従事者や自治体職員の負担軽減を図ること、被災者の皆様の健康を守ることを目標としました。

1.現地の状況に応じた長期的な支援を行う。

 震災発生直後の超急性期には多数の医療支援チームが被災地に入りました。その後は徐々に元の医療体制に戻ることが望ましいですが、甚大な被害を生んだ今回の震災ではそれまでに長い時間を要することが予想されます。当プロジェクトでは、現地の状況に応じて支援内容を柔軟に変化させ、被災地を長期にわたり支えます。

2.自治体と連携して避難所への巡回診療なども行い、地域全体を支援する。

 東日本大震災では、多くの方々が住居や交通手段を失い、避難所で生活をしています。自治体と連携して避難所への巡回診療や公衆衛生活動に協力をし、医療機関の受診に至らない方々へも支援を行います。

3.派遣医師は自立して活動する。

 移動手段、食事、装備などを自前で調達し、被災地への負担を最小限にとどめます。
 活動に際しては、被災地の自治体や医療従事者の指揮下に入るのは当然のことですが、全ての判断を現地の責任者に委ねていては、業務の妨げになります。状況に応じて、自立した判断に基づいた活動を行うことを目指します。



 支援チームは、全国で勤務する自治医科大学の卒業生に活動への参加を呼びかけて編成します。チームのメンバーは、出発前日に自治医科大学内の対策本部で開催される事前説明会に参加し、活動の基本方針や被災地の現状を理解したうえで現地での支援に臨むこととします。現地では、診療支援、調整業務、情報収集などを地元の医療機関の医療従事者や行政と連携して行います。また、刻々と変化する現地の状況をプロジェクトに適切に反映させるために、活動を終えたメンバーは、終了の翌日に対策本部に集合し、活動内容や現地の状況を報告し、また、今後の支援活動への提言を行うことを求めます。



 支援を行う地区は岩手県釜石地区、宮城県南三陸および登米地区、宮城県気仙沼地区としました。宮城県南三陸および登米地区と気仙沼地区への医師派遣に際して、岩手県の藤沢町民病院の協力を得ることとなりました。なお、支援を行う地区および派遣する医師数は今後の被災地の状況により変更となる可能性があります。

・岩手県釜石地区

 岩手県釜石地区では県立釜石病院を拠点とし、同病院を受診する患者への診療支援および釜石市内の避難所の巡回診療を行います。県立釜石病院は釜石地区の救急医療を一手に担っており、ほとんど全ての救急患者を受け入れています。しかし、震災の影響で病床の一部しか使用できない状況となっており、重症患者は盛岡市などの高次医療機関へ搬送しています。震災後は以前よりも救急患者が増加した状態が長期にわたり続いていることもあり、同病院の医師の負担が増しています。救急外来の業務の一部を担うことにより、負担の軽減を図ることを目的としました。また、釜石市からの要請に基づき、市内の避難所への巡回診療を県立釜石病院の医療従事者と協力して実施します。

・宮城県南三陸および登米地区

 南三陸地区では全ての医療機関が壊滅的な被害を受けたため、町内最大の避難所内に医療対策本部が設置され、ここを基点に各避難所への巡回診療が実施されています。当プロジェクトから派遣された医師は、医療対策本部を統括する医師(南三陸町公立志津川病院勤務、自治医科大学卒業生)の指揮の下、本部の業務を担当し、多数の医療支援チームの調整や各避難所からの報告の取りまとめなどを行います。
 登米地区では、登米市立津山診療所、豊里病院、米谷病院の診療支援を行います。これらの医療機関は、従来の登米地区の住民の方々への診療に加え、震災後は南三陸町の避難民の方々の後方支援の役割も担うこととなりました。震災後に南三陸町の方々が多く受診するようになったことから患者数が急増しており、常勤の医師の外来や当直業務の支援が必要と判断しました。


・宮城県気仙沼地区

 日本プライマリ・ケア連合学会と連携して避難所への医療支援に関する調整業務を担当します。また、南三陸および登米地区に派遣される医師の調整役も担います。

2011年3月20日 南三陸町医療統括本部

2011年3月20日 南三陸町医療統括本部

2011年3月24日 県立釜石病院

2011年3月24日 県立釜石病院