医局ブログ

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私的免疫学ことはじめ (84) Nfatc1 short formプロジェクト(10) 致死マウスの解析戦略とは

Rag2KOマウスにはT細胞やB細胞がありませんので、造血幹細胞移植の後で分化してくるT, B細胞はドナー由来の細胞ということになります。ですからその細胞の機能解析をすればよいわけです。しかし、単球/マクロファージが全く …

私的免疫学ことはじめ (83) Nfatc1 short formプロジェクト(9) (再度)解析開始

新しい遺伝子改変マウス(ヘテロ)と野生型(wild type, WT)のマウスを交配すると、仔は1:1の割合でWTとヘテロマウスになりました。これは想定通りです。そしてヘテロマウス同士を交配するとその仔は・・・1:2でW …

私的免疫学ことはじめ (82) Nfatc1 short formプロジェクト(8) 質量分析の結果

理研に送付したのは野生型の破骨細胞をサンプルとして抗Nfatc1抗体で免疫沈降し、電気泳動してクマシーブリリアントブルー染色を行った上でshort formに該当するバンドを切り出したものです。これを理研の方で、トリプシ …

私的免疫学ことはじめ (81) Nfatc1 short formプロジェクト(7) コザック配列

コザック配列(Kozak sequence)というのはウィキペディアによると「真核生物のmRNAに出現する共通配列であり、主に翻訳の開始に関与している」配列です。mRNAにリボソームが取り付いてアミノ酸をつなぐ作業を始め …

私的免疫学ことはじめ (80) Nfatc1 short formプロジェクト(6) 謎は解けた

徒然草第52段は仁和寺のお坊さんが初めて石清水八幡宮に参拝しようとして、一人で行ったために山の上の本殿まで行くことなく、その前で参拝終了、と勘違いして引き返してしまったという逸話ですが、仁和寺というのは当時も勢力のある寺 …

私的免疫学ことはじめ (79) Nfatc1 short formプロジェクト(5) 最大の衝撃

ノックアウトマウスを作っても、表現型が出ないことはある。そう自分に言い聞かせながら次のステップ、タンパク(この場合はNfatc1 short form)が作られていないことをWestern blottingで確認してみま …

私的免疫学ことはじめ (78) Nfatc1 short formプロジェクト(4) 意外なことに

そうこうしている内に、ヘテロマウス同士の交配で仔が産まれました。遺伝子型をタイピングすると、野生型:ヘテロマウス:ホモのKOマウスの比率が1:2:1です。メンデルの法則に従っているようでした。Nfatc1の遺伝子全体を壊 …

私的免疫学ことはじめ (77) Nfatc1 short formプロジェクト(3)

KOマウスは某社で作ってもらうだけでしたが、受精卵にガイドRNAとCas9を(発現ベクターの形で)導入してやる、するとガイドRNAが狙った部分に対する型紙、Cas9がハサミのように働いて、狙った部分のDNAを切断します。 …

私的免疫学ことはじめ (76) Nfatc1 short formプロジェクト(2)

このshort formの転写誘導にはNfatc1そのものが関わっています。つまり自分自身を誘導する典型的な「ポジティブ・フィードバック・ループ」のシステムです。生体によく見られる「ネガティブ・フィードバック」機構は、産 …

私的免疫学ことはじめ (75) Nfatc1 short formプロジェクト(1)

これは以前書いたことの繰り返しになる部分が多いと思いますが、高柳先生が破骨細胞のトランスクリプトーム解析に基づいて転写因子Nfatc1が分化の過程で著増することを見出し、報告したのが2002年のことです(Takayana …

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