■はじめての動脈瘤クリッピング(宮田五月:佐野厚生病院)
今回はじめて脳動脈瘤のクリッピングを行いました。
症例はRt.IC-PC動脈瘤の70歳代の女性です。術前の神経学的所見は動眼神経麻痺がある程度
で頭痛もごく軽度というクモ膜下出血の患者です。翌日に手術ということになり、充分に術式を予習検討
する時間がをとれました。
右前頭側頭開頭でアプローチ。上級医の先生が助手用のスコープから指導してくださいました。
手術顕微鏡操作は、日頃からラボでじっくりトレーニングしていますのでスムーズに進みました。
まず、シルビウス裂に入り、脳底槽を開放、内頸動脈、動脈瘤などを同定していきました。内頸動脈にテンポラリー
クリップがかかることを確認し動脈瘤周囲の剥離に移りました。
動脈瘤周囲の
剥離は大変緊張しましたが上級医の先生の適切な指示のもとに落ち着いて安全にこなせました。
いよいよクリッピングです。マイクロスパーテルとバイポーラでストレートクリップがスムー
ズに動脈瘤ネックにかかり、内頸動脈や後交通動脈、穿通枝などにも狭窄を生じないことを確
認しました。そしていよいよクリッピングです。10mmのストレートクリップがすっきり入りました。その後、ドップラーエコーでも母血管とブランチに血流障害がないこ
とを確認して閉創しました。
術後経過は問題なく元気に患者さんは自宅に独歩退院されました。
初クリッピングを無事に行えた直後は、嬉しさというよりも安堵感が一番強かったで
す。クリッピングは私にとってあこがれの手術の一つであり、感慨深いものがありました。
その後1週間の間に、さらに2回のクリッピングをさせていただきました。だんだん落着きながらアプローチできるようになったと思います。
まだまだ研鑽が必要です。
今回、無事にクリッピングを施行できたことは懇切丁寧に教えてくださった上級医の先生に恵まれたことが一番で
はないかと感謝しています。
(Prof.渡辺からのコメント:当教室では、動脈瘤クリッピングをマイクロ手術の一つの目標にしています。これを行わせるには、ラボで、実験動物で顕微鏡下で直径1.5mmの血管吻合を10回成功させることを条件にしています。宮田先生はこれを見事にクリアーしたので今回、初挑戦となったわけです。関係者皆様のご協力・ご指導に感謝します。)
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