第一回議事録

May 30, 2007 >

 

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出席者 :


宇都宮社会保険病院  :相場 みどり,内田信也,大竹一栄,三田 哲也
小山市民病院  :池口邦彦
おやま城北クリニック:  冨山宗徳
自治医科大学:  金子 操,川上忠孝,笹目寛子,角田幸枝,関谷泰子,田中裕一,中野今治,根本繁,菱田良平,松村慎一,森田光哉,若林茂行、渡辺英寿
柴小児科:  柴 恵子
高橋内科:  高橋仁光
芳賀日赤病院:  井端由紀郎
花の舎病院:   杉田之宏、大屋晴嗣,正岡太郎
真岡中央クリニック  :小川松夫
やまだ脳神経外科  :山田直司
結城病院:  大木勲,大木岳,大原務,渋澤公行,杉岡俊郎,蓮見光子,山口清直

(敬称略。施設、氏名ともに五十音順)


 

ノート :


司会 自治医科大学 神経内科教授 中野今治先生


地域連携パスの意義


大塚製薬 平野さん


新医療計画では、医療機能の分化と連携が推進され、地域で適切な医療サービスが切れ目なく提供され、早期に自宅に帰れるような診療計画を作る体制が求められている。地域連携パスは、複数の医療機関が、役割分担を含め診療内容を患者に提示・説明することにより、患者が安心して医療を受けることができるようにするものそのためにもとなっている。実際には急性期は疾病をメインとする治療クリティカルパス、回復期はリハプログラムを中心とした障害、維持期は、リハマネージメントを中心とした生活主体になり、ADLの評価も、 modified Rankin Scale(mRS) や Functional Independence Measure ( FIM ) ※ 、 Barthel index ( BI )日常生活自立度等各時期で異なるので共通の評価方法の検討が重要である。香川労災の藤本先生は、急性期と回復期リハとの間に、共通のリハビリテーションステップの使用、共通の評価法の使用することで、急性期と回復期の間に共通言語を用いた。 回復期と維持期を結ぶものとしては熊本の熊本回復期リハビリテーション病院の渡辺先生は、 FIM, BI, 自立度 , 移動能力 , mRS 、入院日数との関係を検討し、入院時 FIM の点数ごとに、 1 、 2 、 3 ヶ月の3コースを作成した。名古屋では、急性期から回復期の 3 ヶ月間までADLの評価項目をFIMで評価している。

地域連携パスの作成で重要なことは、急性期から回復期において ADL の共通評価方法を検討することである。

 

Functional Independence Measure ( FIM ) とは?
米国で開発された介護度( burden of care )の尺度。全 18 項目(運動項目 13 +認知項目 5 )からなる。運動項目 13 は、・セルフケア:食事,整容,清拭,更衣・上半身,更衣・下半身,トイレ動作 ・排泄コントロール:排尿,排便 ・移乗:ベッド・椅子・車椅子,トイレ,浴槽・シャワー ・移動:歩行・車椅子,階段, 認知項目5は、・コミュニケーション:理解,表出 ・社会的認知:社会的交流,問題解決,記憶。評価スケール: 7 段階 ( 7 点:完全自立 / 6 点:修正自立(時間がかかる,補助具が必要,安全性の配慮) / 5 点:監視・準備(監視,指示,促し,準備) / 4 点:最小介助( 75 %以上自分で行なう) / 3 点:中等度介助( 50 %以上, 75 %未満を自分で行なう) / 2 点:最大介助( 25 %以上, 50 %未満を自分で行なう)/ 1 点:全介助( 25 %未満しか自分で行なわない)

 

 

山梨県の事例の紹介

大塚製薬 奥野さん

山梨県では山梨大、山梨県中央病院急性期病院と回復期病院が研究会を作り、今後の行政の流れや医療の質を高めていくために積極的に回復期病院が関わり、地域連携パスを作成する運びとなる。運用までには、急性期、回復期、維持期の代表者 1 名ずつ選出し、原案を作成した。この連携パスが多くの病院の参加していただくようにするために、詳細にするよりも各施設での共通できる項目を見つけ出し、なるべく数値のみやプルダウンできるように簡素化し、そのデータを改定時に反映できるようにした。その作成した原案を研究会でテスト運用し、地域連携パスの改定を行った。研究会には、行政も加わり、補助金( 2007 年度)が出る予定である。現在、この地域連携パスに参加する施設も急性期 15 病院回復期 12 病院が参加され、山梨全域をカバーするものになっている。

 

小山地区で脳卒中診療情報提供書作成する

小山市民病院 池口先生

2006 年度に厚労働省から県医師会、小山地区医師会を通じて脳卒中のモデル地区になったことが、今回の脳卒中診療情報提供書のきっかけである。全体の構成は、紹介元(病院)紹介元(かかりつけ医)、紹介元(病院)へ再紹介用、患者様用4つからなっている。作成基本方針として・治療に主眼・治療目標基準を明示・リスクファクターの管理・過剰情報を回避・各種ガイドラインを遵守・知名度の高いガイドラインを利用した。

特にワーファリンにおいては、治療管理目標値を病態別に明示した。この度、ロシュ・ダイアグノスティックス社から PT-INR 簡易迅速測定器が発売されワーファリンの普及を促すものとなる。また、飲酒欄、家族歴、尿酸欄は、脳卒中予防の観点からは影響をおよぼさないので削除した。

日本動脈硬化学会の 2007 年 2 月承認の LDL コレステロール値は,普及度が低く,病診 - 患者連携に支障をきたすと考え,今回のシートには採用しなかった。

質疑応答

渡辺教授:

Q :地域連携パスをネット化するための問題点はどんなことが考えられるか?

A :インターネットで情報のやり取りをすることは、中継点に情報が記録として残るため山梨の場合今回は中止になった。それを解消する方法として、サーバーを設置しデータを暗号化して通信する( SSL 認証)を用いる方法もあるとのこと。山梨では今後、そういうものを検討中であるとのこと。

高橋先生:

県医師会からの補助金は昨年度で最大で年間55万円程度であり現実問題として、行政を巻き込んでいかなければいけないのではないか。また、今年度はさらに厳しい状況になるという。今後、地域連携で補助金を受けたいという事例があれば県医師会へ早急に申請してほしいとのこと。

自治医大脳卒中センターの構想

脳神経外科 渡辺教授

自治医大 神経内科、脳神経外科が中心となり脳卒中センターを開設し、さらに急性期病院と脳卒中メディカルグループ ( 下野脳卒中センター ?) を組織し、基幹業務を自治医大脳卒中センターが行うなどの構想も持ちたい。下野脳卒中センター地域内の各医療施設がそれぞれ機能分担して積極的に脳卒中医療連携に関わることにより、地域ぐるみの組織的かつ包括的医療が実現可能となる。これにより、医療側には一体感を基にした、自由な意見交換が促進され、患者側からは、センター内での移動であることを理解してもらえば、正急性期での医療機関間の移動も“追い出された”という感じが解消するものと期待される。

質疑応答

井端先生:

脳卒中センターには、各々施設が患者さん受け入れる余裕あるというような情報の共有化をできるようなシステムを構築してほしい。また、入院された患者さんが回復期施設へスムーズに流れるためにも、脳卒中で急性期に入院した時点で、回復期施設へ情報が伝えられるような連携システム(パス)を望むとの意見。

高橋先生:

脳血管障害と思われる症例の窓口を循環器センターと同様に一本化にしてほしい

結城病院 大木:

大学の紹介状を通じて連携を進めてきたが、今までの使ってきたものを改善しもっと利用度をあげっていてはどうか。大学がそういう書式を作成し具体案を提示すればよいのではないか

血管内治療部 根本先生:

脳卒中発症から急性期までの地域の連携を考える必要がある。大学で、軽症から重症まですべての患者さんを受け入れることは不可能であるので、ある程度地域の急性期病院と機能分化を図っていければと考えている。そのために今回の脳卒中メディカル構想がある。

 

合意事項 :

上記のメンバーで地域連携パスの原案を今夏までに作成して、夏休み明けには脳卒中地域連携の会に諮り、今秋までに運用を開始する.

  • 薬師寺地区とその近隣地域の急性期から慢性期におよぶ医療施設により脳卒中の医療グループを形成する。

  • 事務局を自治医大におき、急性期、亜急性期、慢性期の患者の動きを調整する(あるいはその補助をする)。

  • 本グループの構成施設に対する自治医大の窓口は、自治医大に構築される脳卒中センターに一本化する。

  • 事務局はグループ内の施設の稼働状況、受け入れ可能状況をリアルタイムに把握しメンバーに知らせる仕組みを作る。