次世代医師・研究者交流

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医師・研究者キャリア支援センターでは、若手医師や研究者、大学院生間の交流を深め、多様なキャリア形成や研究を推進するために、若手医師・研究者の企画による「次世代医師・研究者交流会」を行っています。学内外の研究者による講演やその後の懇親会を通じて、学内の部門を超えた臨床と基礎を結ぶ新しい医療・医学研究の発展や、大学院生の交流推進を目指します。   参加は自由です。ひとりでも多くの方々との交流の場となりますように、皆様のご参加をお待ちしています。

第10回次世代医師・研究者交流会 「わかりあうということ、サイエンスを広めよう」 を開催しました!




 今回の交流会は、「サイエンスコミュニケーション わかりあうこと、サイエンスを広めよう」をテーマに、東北大学の長神先生をお招きしました。サイエンスコミュニケーションとは何か?サイエンスコミュニケーションがはじまった背景から、実際のサイエンスコミュニケーターの仕事について詳しくご紹介して頂きました。
 最近、様々な場面において、研究成果を一般のニュースの中で見る機会が増えました。自治医科大学・大学院でも、臨床に関わる研究だけでなく、基礎医学の研究や基礎と臨床をむすぶトランスレーショナルリサーチが進められています。これらの成果は、臨床と基礎では若干扱いは異なるかもしれませんが、大学から社会へ発信される点では同じであり、一般に分かりやすく伝えなければなりません。長神先生は、現在日本においてご活躍されている多くのサイエンスコミュニケーターの中でのパイオニアの方です。活動を始められた時にはまだ、サイエンスミュニケーターと名乗る方はいなかったそうです。現在東北大学メガバンク機構で行っている東北地方での調査の際の様子など、非常に幅広いお話を私たちに分かりやすく伝えてくださいました。東北地方の各県に調査に出かけられることも多いそうですが、自治医大出身の医師に大変お世話になっていると伺いました。
 

 近年、サイエンスコミュニケーターの方々の活躍や大学広報室の活動が活発になってきています。科学広報や研究機関広報は、地域の自治体との接点もあり、大きな役割があることが分かりました。「サイエンスカフェ」という言葉を聞いた事がありますか?という質問があり、参加者の半数くらいは知っているようでした。サイエンスカフェはイギリスやフランスから1990年代くらいから、日本では1995年くらいから広まってきたそうです。そもそもサイエンスコミュニケーションがなぜ始まったのか、どのような目的があったのかについてお話されました。サイエンスコミュニケーションの出発の1つには、研究者が予想にもしなかった事実や科学者の判断が正しくなかったため生じた様々な医療事故の経緯があることが紹介されました。イギリスのプリオン病の安全宣言の間違いから不信が広まった反省に基づくそうです。そのようなことから、科学者が社会に対して科学の成果やそれをどのように活かすかについて説明することの重要性が問われてきました。大学などの研究機関外でコーヒーなどを片手に行うのは、科学者と一般の方の間で対等な立場で話すためであるということは印象に残りました。日本でも広がりつつあるとのことでしたが、日本の場合は政府の政策において発展してきた点が、イギリスやフランスでのサイエンスカフェとは若干違うとのことでした。


 大学広報の重要な仕事の1つは、その大学の研究者の活動や論文の内容を紹介する(プレスリリースなど)ことです。しかしながら、広報の根底にあるものは、その大学の存在意義や特徴を世間に知らせ、大学という組織の価値を最大化し、人材、資金を良くし、教育研究を通じた社会貢献をすること。それが、大学広報のミッションであるとおっしゃられていました。自治医大では、まだプレスリリースが行われていないので、自治医大が発展する上で、大学広報の力は大きいと思いました。しかしながら、伝えたいことの中心をきちんと伝えているのかどうか、疑問に感じる広報が実際にあったこともご紹介され、科学界全体にマイナスになることや一機関の責任の重さについて話されました。何をわかりあおうとするのか?なぜ、わかりあう必要があるのか?現状としてサイエンスコミュニケーションを行う上で、広報担当の部署は他の組織との結びつきが複雑で、サイエンスコミュニケーションといっても未だこれだというように確立されたものではないことが分かりました。違うコミュニティーとの間での位置づけをどうするのか?サイエンスコミュニケーションにおいて、極めて重要な点であるとのことでした。


 最後にサイエンスコミュニケーションのようなアウトリーチ活動の評価に関する質問がありました。アウトリーチ活動が医師や研究者にとって、どのような意味を持つのか?また自身の研究の評価とアウトリーチ活動の評価などについて、まだまだ問題があるようです。しかしながら、ここ数年で、確実にアウトリーチ活動に対する学会での評価が変わってきたとのことでした。自治医大でもサイエンスコミュニケーションについて関心をもつ方が増えるのはよいことだと思います。サイエンスコミュニケーションは現在進行形であり、今回の講演を通じて、我々自身が医師や研究者としてどのように社会と関わっていけるのかを考える非常によい機会になりました。

参加者からのレポートもあります。こちらをクリック。ニュースレター

文責)交流会世話人


広報活動やサイエンスコミュニケーションに関心がある教員や大学院生が参加してくれたので、講演の最後に、サイエンスコミュニケーションへの関わりや関心度について参加者へ8つの質問を行い、そのまとめを懇親会において紹介しました。


アンケート結果

1. 今回の発表会について、いづれかに印をつけてください。
 A.とても有意義だった。       15 名
 B.まあまあだった。 4 名
 C.あまり有意義でなかった。     2 名

2. ご意見があれば、ご記入ください。
サイエンスカフェは参考になりました
意図とアナウンスが不十分でそもそも会のことがあまり知られていないと思います
一般の科学への関心を高める活動は大切だと思います


3. 開催時期について
 A.現状で良い。            17 名
 B.     月頃が良い。  3 名
*2月〜3月 *4〜5月 *12月

4. 開催時間について
A.現状の時間で良い。        18 名
B.      時から開始する。 2 名
*17:30〜18:00 *19:00〜

5. 現在の貴方の関心事や興味について、よろしければご記入ください。
医学以外の方の研究の話
基礎研究と臨床研究の協力
スポーツや企業など、むしろ全く異なる分野の成功体験などに興味があります
確かに小中学校の理科離れを食い止める活動は大切だと思います

5.今後の交流会の持ち方について、ご希望があればご記入ください。
もっと人が集まれるといい
学生・事務も参画できるような中身だったのでもう少し大きな会場でも・・・
カフェのようにカフェや御菓子を飲食しながら出来るやり方もよいと思います。
(もう少し明るい時間帯)