次世代医師・研究者交流

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医師・研究者キャリア支援センターでは、若手医師や研究者、大学院生間の交流を深め、多様なキャリア形成や研究を推進するために、若手医師・研究者の企画による「次世代医師・研究者交流会」を行っています。学内外の研究者による講演やその後の懇親会を通じて、学内の部門を超えた臨床と基礎を結ぶ新しい医療・医学研究の発展や、大学院生の交流推進を目指します。   参加は自由です。ひとりでも多くの方々との交流の場となりますように、皆様のご参加をお待ちしています。

第9回次世代医師・研究者交流会 「働く環境は自分で創る」 を開催しました!



 今回の交流会は、今年度よりキャリアセンターの副センター長に就任された皮膚科の小宮根先生の司会進行のもと、同じく今年度よりセンター長に就任された簑田先生(本学副学長、医学研究科副研究科長、アレルギー・リウマチ科)の開会の挨拶に続き、足達淑子先生の基調講演、若手医師によるキャリアと子育てについての報告に加え、現役医学部学生を交えたシンポジウム(ディスカッション)を行いました。学内および学外から多くの参加がありました。

プログラム
基調講演 足達 淑子先生(あだち健康行動学研究所・所長)
「ライフスタイルとしての行動療法」
講演1  _ 山本 亜紀先生 (自治医大歯科口腔外科臨床助教)__
「母として、歯科医師として」
講演2  _ 弘田 義人先生 (東京北医療センター総合診療科)__
「父親をして、考える」
シンポジウム _ 草間 幹夫先生 (座長 自治医科大学名誉教授)_
阿久津 律人さん (獨協医科大学5年生)_
新妻 郁未さん (自治医科大学6年生)_上記講演者
「キャリアデザインどう描く?」



 足達先生の基調講演では、能(脳)力を最大限に活かす方法について、ストレスに立ち向かう上でのセルフコントロールを中心に具体的な解決策ならびに実践例をご紹介頂きました。私たちは日々の生活や仕事において、それぞれ異なる立場で社会活動に参加しています。例えば若手の医師であれば、医師としてのスキルアップが必要な時期に、子育てに多くの時間を使っています。若手医師の特徴として、時間がなく忙しい、成果が気になる、雑用が多く評価が気になる、等の現状を抱えている場合が多く、メンタルヘルスつまり脳(体)が健康であることが一番重要であるとのご指摘がありました。問題に対する考え方や感じ方は一種の習慣や癖に基づくことが多いが、認知行動療法という刺激と反応による科学的分析により、本人が望む方向へ上手く問題の解決を持って行くことが可能であるという先生のお考えは特に印象的でした。ストレスに弱い人の癖としては、予期不安(実際には経験していないが不安に感じること)、全か無か、白か黒か、他人との比較、他からの評価に敏感、自分にこだわる、断れない、省略できない、などを挙げられるそうです。強くなるためのライフスタイルの提案がありました。具体的には、休養をとることの重要性、自分が抱えているストレスを理解する(つまり、解決可能か?諦めるべきか?の判断ができるか)、信頼出来る人や信頼してくれる人を作り多様な価値観(他の仕事や他の考え方)を許容することなどです。先生の活き活きとしたご発表と笑顔から、行動療法の有効性が伝わってきて、本講演では、私達が大学内での活動に活かせることができる多くのヒントに触れることができたように思います。

 山本先生のご講演では、保育園探しのご苦労や学童、あいりす(自治医大内の保育施設)の利用法がご紹介されました。親の立場からすると多くの保育支援は有難いことですが、実際子どもにはストレスになる場合があるとの報告は、つい忘れがちな視点だと感じました。短時間勤務制度を上手く利用し、子どもとの接する時間の確保、出産後の復職での押さえておきたいポイント(夫をいかに巻き込むか、いざという時に頼れるところを作っておく、子供が病気の時の対応を考えておく、なるべく育児書を見ない、周囲の雑音を聞き流す、周囲への感謝を忘れない、常に目標を持つ)は、今後同じような経験をするかもしれない若手医師に、大変参考になったと思います。このような制度の取得が、職場においてよりよく理解されるように、自治医大でのキャリア支援が深まることを期待します。

 弘田先生は、夫婦が共に医師の場合のキャリア形成と育児、イクメンについてご経験をご紹介されました。日本の男性が育児に使用する時間は先進国の中で圧倒的に少ない。しかしながら、夫は外で働き、妻は家庭を守るべきという考えは、実は平成14年度を境に反対が賛成を上回ったそうで、家庭意識の変化と共働き思考への変動の実体があることを知りました。お互いキャリア形成の大切な時期における子育てを上手く行うために、時短勤務を年度毎に交互に取得するという方法はとても現実的な手段であると感じました。イクメンを経験した後では、子供に対すること、妻・夫婦関係について、父親自身に関して、多くの気づきがあったそうです。さらに、家族を統合し主導的な立場(男らしさと表現)から、父親らしさへの変化を通じて、子供と向き合う楽しさ、父親としての自分自身の成長、子供に多様な経験をさせることなどを踏まえ、イクメンのススメを教えて頂きました。これからイクメンを経験する男性や既に子育てを終えた教授クラスの男性にも改めて、男性の立場として今の社会での男性の育児について何かを考えさせるものがあったように思います。医師としても様々な立場での現場との関わりがあると思います。専門医の取得を目指すのであれば、その目標と育児の忙しさにおける大変さが生じるのは事実ですが、医師としての仕事を続ける中で、育児の大変さから得られる素晴らしいことがあるというポジティブな面を楽しまれていることがよく伝わってくるよい講演でした。


 最後のシンポジウムでは、二名の現役医学生を交え、学部生からのキャリアに関する質問や、前センター長の草間先生からは、学内の支援環境(とくに病児保育の充実など)の設備や体制の現状についての報告、今後のあるべき支援の方向性について意見交換が行われました。話を聴いていて、若い学生さんにとっては、結婚や出産のタイミングとキャリア形成についてとても関心が高いことであることがわかりました。仕事と家庭を上手く楽しんでいくために様々な方法や制度に興味がある一方で、実際に周りの評価がどうなのかという不安の要素があるという意見もありました。しかしながら、現役医師の方々の経験を伺うと何とか上手くやっていく方法が見つかっているように思います。予期せぬ様々な状況に対処するために感情コントロールが重要であるという体験は、足達先生が話されたストレスの度合いを理解することの重要性と同様であり、育児と仕事を上手く行うためのよい方法は実は心の持ちようなのかも知れないと感じました。様々な制度を利用している際、職場や上司からの理解が得られているのか不安なことの一つということでしたが、実際には職場の理解を感じていたということでした。このことが、安心して育児と仕事を行うことにおいて何より大切であることがよくわかりました。

アンケート結果

今回の講演はいかがでしたか。

_ 結婚・育児について全く触れる機会が無いので参考になりました。
_ メンタルヘルスマネージメントについて興味深かったです
_ 良かった
_ 行動の変容をする中の大切さと大変さを知ることが出来てとても良かった
_ 実際の育児と仕事の両立を聞いて、とても興味深かったです
_ 良かった
_ 実際の体験からの話を聞けて良かったと思う
_ 足達先生のお話からは医師として患者教育をする面だけでなく、自分の生活を整える面でも為になる 考え方を知ることができ、よいテーマだと感じました。実際に母や父として育児と仕事を両立させる為の努力や支援の話も聞けて良かったです
_ 山本先生・弘田先生の経験談はすばらしい
_ 足達先生のお話は患者さんが相手をかえる上でも、自分を変える上でも参考になるお話でした。とてもわかりやすかったです。山本先生のお話は自分も将来女性医師として働く上で参考になりました。弘田先生のお話はまずすごくほっこりしました。素敵な人柄が伝わってきました。
_ 普通
_ 親としてのキャリアデザインがわかってよかった
_ 弘田先生のお話を聞き“イクメン”の良さを再認識しました。もっと増えていくといいと思いました。子どもを持つ親の“時短勤務”がもっと広く浸透していくことを期待したいです。シンポジウムでは医学部の学生さん2人の意見がしっかりしていてとても逞しく感じました。
_ 将来について不安になることが多いのですが、上手に両立しておられる先生方のお話を聞けて希望が見えました。自分も頑張りたいと思います。
_ 行動療法の良さを理解することが出来たので良かった。問題解決の方法にはいくつもあることを学ぶことが非常に重要だと思った。
_ ユニークな経歴の先生方のお話が聞けて良かった。具体的な内容もあり為になった。
_ 具体的な先生方のお話が沢山聞けて大変参考になりました。行動療法もとてもためになりました。
_ 各先生方の悩みや思いを知ることが出来た。
_ 仕事と育児のバランスについて知ることが出来た
_ 非常に具体的でわかりやすい講演でした。ありがとうございました。
_ 具体的な先生の話がよかった。


今後テーマとして取り上げたら良いと思われる企画・内容等についてお聞かせください。

_ ライフワークバランスについて
_ より良い医師・研究者キャリア支援センター作りのための要望が出せるようなきかくはどうか
_ 専門制度の変更に伴う後期研修と専門医のあり方など
_ 保育の方法etc

その他、開催時期・開催時間等を含め、何かご意見がありましたら、お聞かせください。

_ ぜひ次回も参加したいです。
_ 特にありません。
_ 18時からの開催だと参加しやすい。
_ イクメンの話はとても貴重でした。
_ 年に2回は適当。
_ 平日の夕方の今の方法は良い。
_ これで良いと思います。

文責)交流会世話人