| スタッフ紹介 | 臨床検査部の特徴 | 臨床検査部診療成績 |
| カンファレンス | 研究、学会活動 | 広報活動およびセンター内での活動 |
| 今後の活動目標 | - | - |
| 部長 |
河野 幹彦 (総合医学第一講座教授) |
| 副部長 |
尾本 きよか (総合医学第一講座准教授) |
| 技師長 | 稲葉 信夫 |
| 副技師長 | 佐々木 勝一、藤野 真治、湯舟 憲雄 |
| 臨床検査技師配置 | |
| 技師長 | 1名 |
| 副技師長 | 2名 |
| 検体検査部門 | 15名 |
| 生理機能検査部門 | 12名 |
| 輸血検査部門 | 3名 |
| 病理部 | 5名 |
| 臨時職員 | 9名 |
| 耳鼻科聴力検査(出向・兼務) | 1名 |
| 直腸内圧検査(出向・兼務) | 1名 |
自治医科大学附属さいたま医療センター臨床検査部は、昭和63年12月のセンター開設と同時に運営を開始し、以降19年間順調に推移している。開院当初からトータルオーダーリングシステムで運用されていたことから、臨床検査部では迅速検査体制を導入していた。当日採血した患者を1時間後には検査結果を見ながら診察を行うシステムは臨床医および患者に好評である。
また、生理機能検査においては、心電図は予約なしで検査ができ、その他の検査も外来や病棟での患者の都合や状態、その他の診療との関係を見ながら予約することが出来る体制をとっており、医療そのものをスムーズに行えるように配慮している。
平成11年には、トータルオーダーリングシステムから臨床検査のシステムを切り離したサブシステムを構築し、種々の自由度を与えた。
平成17年度には、ペーパーレス化を目指し電子カルテに移行した。その際、心電図などの生理機能の検査結果を画面上で見られるようするためにシステム改良を行った。その結果、放射線画像や内視鏡画像と同様、診察場面でデーター見ながら患者の診察が可能となった。
平成19年11月から副部長として尾本きよか准教授が加わった。
平成20年3月に櫻林郁之介部長が退任し、平成20年4月に河野幹彦教授が新部長に就任した。
平成21年度の臨床検査部における現状を表および図に示した。外来部門における臨床検査依頼件数は約340万件、入院の依頼件数は約160万件、合計約527万件の依頼があった。外来の依頼件数は入院の約2倍以上であった。技師1人当たりの検査件数は年間約13万6千件であり、技師1人当たりの処理件数は日本でもトップクラスである。
| 分野 | 外来 | 入院 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 尿・一般 | 623,247 | 161,687 | 784,934 |
| 生化学 | 1,785,953 | 929,935 | 2,715,888 |
| 血液 | 699,882 | 391,389 | 1,091,271 |
| 血清 | 149,424 | 30,390 | 179,814 |
| 輸血 | 20,061 | 24,355 | 44,416 |
| 細菌 | 14,260 | 34,512 | 48,772 |
| 病理 | 11,889 | 6,522 | 18,411 |
| 委託検査 | 69,764 | 17,111 | 86,875 |
| 健診 | 3,739 | 206 | 3,945 |
| 生理機能 | 40,115 | 13,154 | 53,269 |
| 総計 | 3,418,334 | 1,609,261 | 5,027,595 |
外来患者の増加ならびに病棟での在院日数の短縮、病床利用率の増加に伴い、1日における検査件数は増加している。当センターでの患者1名あたりの検査件数が日本でもトップクラスにランクされている要因はいくつか挙げられる。第一に、内科、外科系の患者が多いことである。近年徐々に比率が上がってきているが、従来、生理機能検査、検体検査をオーダーする比率の少ない眼科、耳鼻咽喉科、整形外科、心療内科等の相対的患者比率が少ないためである。第二に、開院当初からトータルオーダリングシステムを導入していたため、極めて容易に種々の検査がオーダーできる状況にあることが挙げられる。第三にトータルオーダーリングシステムにリンクして迅速検査体制を採っているため、迅速に検査結果が診療側へ返却され、どこでも見ることができる体制が整っているためと考えられる。
これらに対応するため、臨床検査技師は開院の1時間前から検査室において準備を始めている。8時前には検体を病棟へ収集に行き、検査を開始する。外来においては8時から採血を始め、医師が外来診療を開始する9時には検査結果が参照できるよう配慮している。臨床検査から出される報告書は骨髄穿刺報告書、免疫電気泳動報告書などがあるが、いずれも臨床検査技師が測定し、カウント後に専門医が対応して報告している。
また看護部からの要望もあり、平成12年から病棟採血も実施している。看護部の評判は良いが、全ての病棟へ展開するためには人手不足もあり実現していない。また24時間体制は開院当初から継続しているが、20年度は小児科等の開設もあり、2人当直の実施を開始した。
20年度に新棟が建設されるのを機会に検査室の改造が行われる予定であるが、手狭な病理部門の拡充と、部長室、技師長室や会議室等を旧図書室に移し、さらに使いやすい検査室の構築を目指す。
栃木の附属病院との人事異動については毎年行い、人事面での停滞が起こることを防いでいるがおおむね良好に推移している。
測定に時間がかかる心臓・腹部超音波、脳波、呼吸機能、平衡機能等を除くと、心電図、眼底撮影、聴力検査等はすべてフリーでオーダーが出来る状態であり、柔軟な対応がなされている。前述の予約が必要な検査も緊急度に応じて対応可能となっており、診療側に配慮した検査体制が組まれている。当センターの立ち上げ時には循環器を主体にした陣営が組まれたため、循環器関連の生理機能検査は充実しており、22年前の開院当初から心電図の自動解析装置による解析結果と心電図が診療側へ返却される体制が組まれていた。この体制は平成17年9月から稼動を開始した電子カルテシステムにも引き継がれ、外来や病棟の端末で容易に結果を見ることができる。また必要に応じて動画を見ることが可能である。
平成20年に新棟が開設されるのを機に、生理部門の改築が行われることになっており、さらに使いやすい検査室になる予定であるが、病院の各部門の拡充があるため、スペースの拡充は僅かであり、いかにデッドスペースを有効活用するかにかかっている。現在12名の技師が生理機能検査を分担している。
臨床検査の様々な問題(輸血部・病理部を含む)を話し合い、解決するために隔週で部長、副部長、技師長、副技師長、主任が参加して臨床検査部運営委員会を開催している。また、検査部全体で意見交換をするため全員参加の集会を1ヶ月に1回開催するとともに、勉強会も開いている。この勉強会は、基本的には各部署の技師が講師として得意分野を講義するが、センター内外から講師を依頼することもある。
部長および研究生は、先天性HDL欠損症の患者およびその家族の遺伝子異常の検索、家族性高LDL血症患者の遺伝子異常の検索、および家族性高脂血症に関わると考えられている、新しい蛋白の遺伝子異常および蛋白測定系の開発などを行っている。また、鳥取大学公衆衛生学小谷講師、自治医科大学分子病態治療研究センター古川教授と共同研究を進めている。
学会活動については、部長が日本臨床検査医学会、日本糖尿病学会、日本動脈硬化学会などに所属し活動している。副部長は日本超音波学会、日本臨床検査医学会などに所属し活動している。技師の活動については、日本臨床衛生検査技師会を中心として、各々の業務領域に関連した専門学会に所属して活動している。
臨床検査関連の情報を広く知ってもらうため、必要に応じて「検査部だより」の発行、また適宜「お知らせ」を発行して関連部署に配布している。内容は年末年始やゴールデンウイークの諸注意、基準値の変更などである。部長、副部長をはじめ臨床検査技師についてもセンター内の委員会活動を活発に行い、当センターの運営の一翼を担っている。
当面の目標は、今年度新たに開設された新棟の業務開始に伴い、増加する臨床検査件数に対処するため種々の方策を考え実践していく必要がある。外来採血開始時間の繰り上げにより待ち時間は短縮されたもの満足すべきではないことを考慮し、20年度から21年度にかけ外来採血室の改築を行った。
日直・当直業務については現在1名当直だが、小児や未熟児の検査への対応が困難と考えられることから、20年度秋から2名当直とした。また、未熟児や新生児に対応するため、極微量検査についても導入の予定であり、技術、測定機器の両面で整備を進めている。