教育・研修のご案内

平成25年度第3回公開講座講演内容

アンチエイジング医学のサイエンス績

宮澤 哲夫
耳鼻咽喉科
非常勤講師
宮澤 哲夫
(みやざわ てつお)
かつて、老いはすべての人に平等に訪れると考えられていました。
 しかしそれは本当でしょうか?
卒後数十年ぶりの同窓会に顔を合わせたかつてのクラスメート、ある人は変わらぬ若さを保っている一方で、ある人はすっかり年をとってしまったという経験はどなたにもあると思います。
なぜ人はなぜ年をとるのでしょうか?
少子高齢化社会が進む日本で、2001年に「日本抗加齢医学会」が設立され、老化のメカニズムに対する研究が盛んに行われるようになりました。
その結果、老化にはすべての人が避けることのできない生理的老化だけでなく、ストレス、喫煙、過食など様々な要因が老化のスピードを加速していることがわかりました。
現在では、抗加齢医学の研究は「出生から死亡に至るまでの様々な過程で生じる現象を科学的に捉え、 病的老化に関与する生活習慣病をはじめとする様々な疾患を予防し、ストレスや疲労、 免疫低下などの疾病発生促進因子を改善し、健康長寿を享受することを目指す理論的・実践的科学」と定義されています。
そしてその目的は、アンバランスで病的な老化を早い段階から積極的に予防し、健康で過ごせる期間を延長することです。
今回の講演では老化に影響を与える要因について紹介し、その対処法について解説します。

若さを保つスキンケア ~もう増やさない!しみ・しわ・くすみ~

深野 利恵子
看護部
皮膚・排泄ケア看護師
深野 利恵子
(ふかの りえこ)
赤ちゃんの肌はつきたてのお餅のようやわらかく、しっとりしています。そして10~20代の若い肌は張りがあって輝いています。しかし年齢を重ねると、だんだんその張りを失い、艶もなくしみ・シワが目立ってきます。これが「肌の老化」です。
最近では、肌の老化に対するコンプレックスを解決するために、サプリメントや高級化粧品が普及し、高額な資金を肌のために投資している方も増えております。しかし、お金をかければ本当に肌は若返る事ができるのでしょうか。
肌は本来、乾燥や紫外線、細菌などの外的刺激から、身を守る機能を備えています。その本来持っている機能が最大限に発揮でき、肌が健やかでいることが、アンチエイジングへの第一歩と言えます。
今回の講座では、基本的な肌の機能を中心にお話しします。講義を聞いて、みなさんが今行っているスキンケアや生活を見直すきっかけになればと思っています。

歯・口腔と健康

小佐野 仁志一
歯科口腔外科
准教授
小佐野 仁志
(おさの ひとし)
医学教育の基礎を築いた、臨床内科医ウイリアムオスラーの名言として、"口腔は全身の鏡である"があります。全身に見られる疾患では、その症状の一部の原因が口腔内に認められることを重要と考え、口腔内をよく診査すべきとした言葉です。
最近の研究で、歯や口腔内の疾患、特に口腔細菌が関連した口腔疾患と全身的疾患との関連が明らかとなってきました。歯周病や他の口腔疾患と関連する代表的な全身疾患は、 糖尿病、動脈硬化、認知症、誤嚥性肺炎などが挙げられています。これらを防ぐためには、口腔衛生状態を良好に保つことが重要です。
一方、歯を喪失しないことは、口腔の機能を維持し、おいしく食事をし、栄養状態を改善することになります。さらに、かみ合わせを維持することは運動能力にも影響を及ぼすと考えられ、老化を防止するために重要と考えられます。
近年、わが国は健康志向の社会にあり、サプリメントや健康食品に関する情報が溢れています。"体の健康に寄与する"旨の健康情報は、"歯の健康"に悪影響を及ぼすことをイメージしにくい状況と言えます。現在市販の食品や飲料には、酸性の食品や飲料が多く存在し、摂取の仕方によっては、"歯の健康"に悪影響を及ぼす可能性があります。つまり、酸蝕症などう蝕以外で歯がダメージを受ける機会が増加してきました。それに伴い、従来の"歯みがき"をより科学的で効果的な"歯みがき"を世に示す動きが出てきています。
口腔の衛生状態の維持向上を図ることで、歯周病やう蝕を防ぐこと、正しい食品や飲料の知識を持ち酸蝕症から歯のダメージを防ぐこと、さらに口腔機能を良好に保つことが、健康に寄与し長寿につながるものと考えられます。今回の講座では、歯および口腔が健康に与える影響について、最近の研究成果を呈示させていただくとともに、当科での取り組みの一端をご紹介したいと思います。

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