教育・研修のご案内

平成28年度第2回公開講座講演内容

胃がん検診の上手な受け方

松本 吏弘
消化器内科
講師
松本 吏弘
胃がん検診では、バリウムを飲みX線で透視する方法と、内視鏡を用いた検査が行われていますが、みなさんはどちらを受けていますでしょうか。日本人の胃がん死亡率は減少しているとは言え、いまだ男女ともに死亡の上位を占めており、対策が必要ながんであることに変わりありません。
2005年度版の「有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン」では、バリウムを飲むX線検診のみが住民検診として推奨され、内視鏡検診については死亡率減少効果の有無を判断する証拠が不十分であるとして推奨されませんでした。その後、本邦で行われたいくつかの研究と韓国からの研究により、死亡率減少効果を示す相応な証拠があることから、2015年に公開された2014年度の改訂版では、対策型検診(住民検診)および任意型検診(人間ドック)における胃がん検診として内視鏡検査を推奨するとされました。検診対象は50歳以上が望ましく、検診間隔は2~3年とすることができるとされています。
内視鏡検査は早期の胃がんや食道がんを見つけられるうえ、検査中に組織を採取して調べられるため、日常診療においては第一選択になっています。X線検査では胃壁表面の凹凸をみて評価を行いますが、内視鏡検査は凹凸変化が出ていない早期の段階で色の変化を見分けることができます。
胃に住み着く細菌「ヘリコバクター・ピロリ」は、言わずと知れた胃がんのリスク要因です。日本では約3,500万人が感染しており、除菌療法が広まってきてはいるものの、50歳以上の約5割が感染しているといわれています。このピロリ菌に感染していない胃からの胃がんの発生は、白血病や皮膚がんの発症率と同等と考えられており低いものです。
今回の講演では、胃がん、ピロリ菌、胃がん検診の現状などをお話しし、ご自身に合った胃がん検診の受け方についてご提案いたします。

大腸癌の手術。腹腔鏡手術って何!

宮倉 安幸
一般・消化器外科
准教授
宮倉 安幸
おなかに複数の小さな穴をあけ腹腔鏡を使用して行う手術です。おなかをあける手術(開腹術)で行ってきた内容を、自宅にあるテレビとほぼ同じサイズのモニターに映し出される画像を見ながら、腹腔鏡専用の手術器具を用いて行います。大腸癌の分野では20年以上前から行われています。手術の内容は開腹術と同じで、癌を含めた大腸の約20cmの範囲と周囲にあり転移する可能性も持つリンパ節を一緒に取り除き、その後残った腸と腸をつなぎ直します。この腹腔鏡手術は、細かい血管や神経を拡大して見ることで、出血を少なく抑えたり、神経が関与する機能を温存することを可能にしました。また、狭い場所でより威力を発揮しますので骨盤の中での細かい手術操作をも可能にしています。傷が小さいため体に与える影響が少なく術後の回復が早いとも言わています。世界で広く行われている手術です。最近では3D腹腔鏡や4K腹腔鏡、新しい手術器具も開発され、さらなる腹腔鏡手術の進歩がみられています。一方、最近の報道では肝胆膵分野の手術で腹腔鏡手術による事故がおこり残念な結果が出ています。腹腔鏡手術は、開腹手術と比べて高度の技術が必要と考えられており、より熟練した技術と専門性が必要とされます。日本内視鏡外科学会でも内視鏡外科技術認定医を養成し大腸の腹腔鏡手術を安全に行う努力をしています。
今回の公開講座では、現在の大腸癌手術における腹腔鏡手術を、大腸部門の内視鏡外科技術認定である筆者がわかりやすく解説します。ただ、突然、手術の話をしても理解することが難しいと考えられますので、大腸癌の成り立ちや遺伝との関わり、症状、検査方法、治療方法、癌の告知についてなど大腸癌の基本的な話を順を追って解説します。よろしくお願いします。

からだを守る食事。食べられないときはどうするの?

茂木 さつき
栄養部
管理栄養士
茂木 さつき
食事は、体を作り体調を整えたり、免疫力を高めるために大切なものであることは言うまでもありません。
その食事の基本は、エネルギーやたんぱく質、ビタミン、ミネラルを適量含んだバランスの良い食事を、毎日適量摂取することです。
これにより、健やかな体を作り、感染症や生活習慣病など様々な病気から体を守ります。
ご自分の体にあった、バランスの良い食事について、今一度再確認をしてみましょう。
一方、がんの治療が始まると、その治療に伴うさまざまな症状で思うように食事が摂取できなくなることがあります。
食欲がない、吐き気や嘔吐がある、味覚や臭覚の変化がある、食べ物をかみにくい、飲み込みにくい、むせやすい、下痢や便秘をしやすいなどの症状がおこると、今まで食べられていたものが食べられなくなったり、好物だったものがおいしく感じられなくなったりと食べ物に対する不安が出てきます。
これらの症状が出現したときに、食事でどのような工夫ができるのか、どのような食品を選ぶと安心なのかなど、日々の生活のヒントになるようお話ししたいと思います。

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