教育・研修のご案内

平成29年度第2回公開講座
「糖尿病を知ろう -予防と治療の最前線-」講演内容

講演①「糖尿病最新情報-氾濫する情報に惑わされないために-」

原 一雄
内分泌代謝科
教授
原 一雄
 6人に1人が糖尿病の疑い。そんな最新の情報が発表されています。糖尿病と糖尿病の疑いがある人は全国で2050万人にものぼり、国民6人に1人という高い割合ですから、皆さんの周囲にも糖尿病の方がいらっしゃるのではないでしょうか。それなのに、糖尿病になっても症状がはっきりしない場合もあってか、糖尿病が進行して初めて医療機関を受診される方も多いのです。ある統計では、糖尿病の診断を受けていない人が全国で335万人もいらっしゃるのではないかと推定されています。
 糖尿病は、視力が低下する、腎臓の働きが悪くなる、足に潰瘍が出来る、心筋梗塞や脳卒中など様々な病気を併発しやすいことから「万病の元」と言っても良いのです。ですから早めに糖尿病を診断し、悪化を防ぐことが肝要です。
 本講座では、糖尿病になるとどんな症状が出るのかといった基本的な事から、どんな人が糖尿病なりやすいのか、糖尿病を早期発見する方法は、どんなことに気をつけたら予防や進行をできる限り防ぐことができるのかなど実践的な内容についてお話しします。最近は、メディアやインターネットで糖尿病に関する情報があふれています。大変参考になる情報も多いのですが、中には出所がはっきりせず慎重に受け止めることが必要な情報もあります。本講座では、テレビや雑誌の情報のどんな点に気をつければ間違いが少ないのかについてポイントをお話したいと思います。
糖尿病は数千年前から記録が残っている歴史の古い病気ですが、最新の研究から糖尿病に対する考え方が根本的に変わってきています。本講座では糖尿病の最新情報についてもお話ししたいと思っております。本講座で一つでも皆様の糖尿病に対する疑問がスッキリしたらと思っておりますので宜しくお願い申し上げます。

講演②「今日から始める足のケア-糖尿病との深~い関係-」

羽鳥 智子
糖尿病看護認定看護師
主任看護師
羽鳥 智子
糖尿病の合併症というと、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症が三大合併症として知られていると思います。現在、糖尿病を持つ患者さんの人口は増加しています。そのなかで糖尿病の重症化予防として、フットケアの重要性が高まっています。今回、フットケアとして、足のトラブルや普段のお手入れの方法についてお伝えします。
 糖尿病は高血糖の状態が長く続くことで、血管や神経を傷つけてしまいます。血管や神経が傷ついてしまうと、様々な症状が出現していきます。血管や神経に影響を及ぼすと、足がしびれる・つる、足が冷えるなどの症状から始まり、次第に足の感覚が鈍くなり、痛みや熱さを感じにくくなります。また、白癬(水虫)などの細菌にも感染しやすく、爪が厚く、変形するといった症状も起こります。これらを「足病変」と呼んでいます。糖尿病足病変の原因は一つではなく、様々な誘因が重なって起こります。
 現在の足の状況に加え、高血糖・栄養状態などの身体状況や姿勢・歩き方などの全身状態、職業や趣味・喫煙などの生活状況も影響を与えています。また、正しいケアの方法を知らないなどのセルフケア不足も誘因となります。感覚障害があると靴擦れや靴のなかの異物に気が付かず傷を作ってしまうなど小さな足のトラブルに気が付かないことがあります。そして、気が付いたときには進行していることがあります。またそこから重症化していき、感染・潰瘍を起こし、足の切断に至ることも少なくはありません。怖い話になりますが、毎年1万人以上の患者さんが足の切断を余儀なくされています。足の切断となると、QOL(生活の質)だけでなく、長期の入院が必要となり、患者さんだけでなくご家族や社会的な面でも様々な問題を引き起こします。そのため、健康な足を保つことは大切となります。
 糖尿病患者さんにとって、足を守るために最も大切なことは血糖コントロールですが、日常生活を過ごす上での正しい足のケアの方法もカギとなります。足の傷や痛みは早期発見が大切です。普段から足に傷を作らないよう細心の注意を図るとともに、毎日よく足を観察し、ケアを行うことで糖尿病足病変を予防することができます。
 ぜひ、この講義に参加していただき、ご自分の足に関心を持ち、足のお手入れが出来るよう役立て頂ければ幸いです。

講演③「糖尿病性腎症から腎臓をまもろう!!」

森下 義幸
腎臓内科
教授
森下 義幸
 我が国の慢性腎臓病患者さんは1,300万人以上(成人の8人に1人)に達し、新たな「国民病」といわれています。慢性腎臓病が進行し人工透析が必要な患者さんも増加の一途をたどっています。
 人工透析導入となる慢性腎臓病でもっとも多いのが糖尿病性腎症です。糖尿病性腎症は糖尿病に合併しておこる腎臓病で、今後の高齢化社会でさらに患者数が増加すると考えられています。糖尿病性腎症から腎臓をまもるためには「予防」、「早期発見」、「適切な治療」が重要です。本公開講座では糖尿病性腎症から腎臓をまもり人工透析にならないための「コツ」についてお話しさせて頂きます。

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