さいたま医療センター さいたま医療センター

神経内科


日本では現在、だいたい5人に1人が65歳以上の高齢者であり、日本の総人口に占める高齢者の割合は、今後数十年間にわたって上昇すると見込まれています。日本という社会の高齢化により、労働や医療・介護保険の問題などさまざまな社会問題が浮かび上がってくるのと同時に、個人のレベルで見ても、年を取ることは避けられない問題であり、人それぞれに体の機能が衰えていきます。
アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)、脳卒中などは誰しも何とか防ぎたいと思うものです。一見、このような脳の病気は、突然不可避的に私たちに襲ってくる病気であるように思われがちですが、脳卒中に関しては適切な運動、栄養、血圧管理、メタボリック症候群の改善などにより予防が可能になってきました。しかし、ADやPDに関してはまだ有効な予防策はありません。ADの場合にはアミロイドβ蛋白、PDの場合にはα-シヌクレインという元来水溶性の蛋白が、水に不溶性になって蓄積し、酸化ストレスや炎症を起こし、病気を進行させます。問題はどうして不溶性のアミロイドβ蛋白やα-シヌクレインができるかという点です。確かに一部は家系的な遺伝子異常で説明できる例もありますが、大部分は孤発例です。AD、PDともに年を取るほどに有病率が上昇していることを考え合わせると、少しでも老化を遅くすることが予防につながるという結論に至ります。
この点で当神経内科では、栄養・運動・心の安定など長年にわたる生活習慣の役割に注目しています。栄養面で大切なのは、野菜・果物などの抗酸化物と魚に多く含まれる多価不飽和脂肪酸の予防作用です。当神経内科のロゴマークは、地の恵み、海の恵みと人体(神経細胞)の3つの関連を強調しています。現在、病気を持つ方、病気ではないかとの疑いを持つ方、逆に病気とは無縁だという方も生活習慣的側面について改めて見直し、お互いに理解を深めていただけたらと願います。
参考文献
植木 彰 監修 「健脳食」 講談社
井原康夫・植木 彰 共編 「ボケを防ぐ本」 マキノ出版
植木 彰 著 「アルツハイマー病がわかる本」 法研

とじる
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