診療科のご案内

後期専門研修を希望される方へ

目標

  • 内科学の幅広い医学知識と技能を修得し、深い人間性に基づいた優れた臨床能力を発揮できる医師となる。
  • 専門とする循環器病学の知識・技能を修得し、内科専門医・循環器専門医の資格を取得する。

後期研修プログラム例

卒後3年目のシニアレジデントは、3年間の研修プログラムを通して内科専門医の受験資格を取得し、循環器内科の専門的技能を学んでいただきます。

循環器専門研修は日本循環器学会の専門医取得のためのカリキュラムに準じます。専門研修は、循環器病棟・CCUなどで、受け持ち医あるいは主治医となって、症例を経験し、病態・治療について理解します。またカリキュラムに従って心臓カテーテル検査室、生理機能検査室、核医学検査室などを回り、検査手技と検査結果の解釈について学びます。

希望する後期研修医には、研修プログラム中に循環器領域の研究テーマを与え、第一著者として英語論文を執筆していただきます。実際、当科で研修した医師のほぼ全員が英語論文を第一著者として発表しています。(研究実績

後期研修プログラム例

※研修スケジュール例(研修スケジュール、ローテートの詳細等は各年度の研修医師数や関連施設の受け入れ状況等で変化することがあります)

3年間のプログラム修了後はそれぞれの希望に応じて、大学や関連施設での勤務はもちろんのこと、(国内、海外)留学や大学院等、各医師の希望に応じたキャリア形成を支援します。

循環器内科シニアレジデント 経験者の声

後期研修体験記
循環器内科
齊藤 遥平(旭川医科大学 2019年卒)2023年度後期研修終了
齊藤 遥平
 私は初期研修を修了し、内科後期研修医として自治医科大学さいたま医療センター循環器内科に入局しました。
続き
     初期研修を修了する時期に循環器内科を志望し、病院を探すとき選択する基準として、①十分な症例があり、経験を不足なく積むことができること、②治療の内容が吟味され、Evidenceに則った医療を学ぶことができることでした。
     当院の研修では、CCUチーム、不整脈チーム(デバイス、アブレーション)、心不全チームに分かれて、それぞれのチームをローテーションしました。若手の後期研修医はCCUチームに主として所属し診療にあたります。救急搬送の時点から主体的に患者さんを診察し、虚血性心疾患をはじめとして、急性心不全、大動脈解離など、急性期疾患を経験することができます。後期研修医がたくさんいる中でも、一人年間60件程度のPCI第一手技者としての経験を積むことができました。私はどんな将来像を考えているにしても、緊急のカテーテル治療ができる状態になることは循環器内科医の目指す目標と思っています。緊急カテーテル治療は熟練者のみが行うとする病院も多い中、若手が手技に主体的に関わることができ、その上でカテーテル関連の合併症が少ない状態を保っていることは、当院の誇れるところです。上級医の若手に経験を積ませようという雰囲気が科内にあり、自分のやる気と働きが報われる環境を作ってくれています。
     緊急入院は基本的にCCUチームで入院し加療を行ないますが、不整脈チームや心不全チームのバックアップが常にあります。後期研修でこれらチームもローテーションでき、より専門性を高めることができます。私は不整脈チームのアブレーションチーム、デバイスチームをそれぞれ回りました。当院のアブレーションは毎年症例数を増やしており、週に10件を超えるペースで症例があります。デバイスチームではペースメーカーはもちろんのこと、CRTやICDといったハイパワーデバイスを積極的に行っています。CCUチームと同じく手技の経験を若手に積ませるようにしてくれています。Cryoアブレーションやペースメーカー植込み術の第一手技者を任せてもらうことができます。
     治療の方針は常に相談でき、正しい治療を選択できるよう上級医の監督があります。自分自身に責任感がありつつ、間違いのない治療を行なうことができる環境があります。
     科内の雰囲気が非常に良く、若手が働きやすいよう上が動いてくれる恵まれた環境です。私も皆さんが働くときには先輩の一員として、良い環境を提供できればと思います。ぜひ見学に来てみてください。

循環器内科
徳永 友貴(宮崎大学 2018年卒)2022年度後期研修終了
徳永 友貴
 私は自治医科大学附属さいたま医療センター(以下、当院)での初期研修終了後に当院循環器内科に入局し2020年4月から2022年3月にかけて、3年間後期研修を行いました。
続き
    当院を後期研修先として選んだ理由として①後期研修のうちに経験することができる症例数が多いこと、②臨床研究を含め学術活動に対しても後期研修の中で取り組むことができ、丁寧にご指導いただけること、③医局の雰囲気の3点が挙げられます。これらに対して触れながら、当院での研修の概略をお伝えさせていただこうと思います。
     時系列に沿ってお話させていただくと、後期研修1年目(医師3年目)は関連施設の市中病院で1年間研修を行いました。こちらでは循環器内科一般に関して満遍なく経験し、心不全や急性冠症候群、不整脈といった疾患の救急外来での初期対応から入院加療、そして退院後の外来でのフォローとclinical couarseを主治医として学ぶことができました。また施設によりばらつきはあるかと思いますが、冠動脈造影検査(CAG)、右心カテーテル検査、ペースメーカー手術など一般的な検査、治療に関しても自身が術者となり取り組むことができました。初期研修からのギャップは大きかったものの、外来への取り組みや、患者さんに対する全人的なケアに関して後期研修の早い段階から学ぶことができ、実りの大きい時間であったと感じています。
    後期研修2.3年目になると大学の循環器内科を中心とした数か月単位のローテーションになります。ちなみに私はこの2年間でCardiac Care Unit(以下、CCU)8か月、アブレーションチーム2か月、デバイスチーム2か月、他院循環器内科研修5か月、地域医療研修2か月、救急科3か月、総合診療内科2か月をローテーションしました。当院循環器内科の特徴として専門分野ごとにCCUチーム、アブレーションチーム、デバイスチーム、心不全チームとチーム分けがなされており、こちらを後期研修医がローテーションしていく形になります。
    CCUチームでは循環器内科疾患全般における急性期対応と虚血性心疾患に対するPCI、そしてTAVI、MitraClipといったSHDに対する治療を経験します。当院の特徴ではありますが、後期研修2年目以降は第1術者として経験豊富な指導医の先生方の下PCIを経験させていただきます。症例数に関して前述しましたが2022年の当院のPCI件数は776例でした。その内AMIは272例でこのうちのほとんどを後期研修医、シニアレジデントが指導医の下、第1術者として施術することになります。。重症例も多く経験し、IABP、Impella、PCPSといった補助循環装置の管理や、CCU内の重症患者に対して毎日のカンファレンスで指導医の先生方のフィードバックを受けながら診療に取り組めたことは素晴らしい経験となりました。
    アブレーションチームではAF、AFL、VTなどに対するアブレーションを積極的に行っており、こちらに関しても2022年は472例(前年比+130例)と拡充しております。指導医の下、第一術者としてアブレーションに入らせて頂いたり、心内心電図やマッピングに関して直接ご指導いただき大変理解が深まりました。またデバイスチームではペースメーカー、ICD植え込み、電池交換に術者として参加させていただくほか、CRTD植え込みや管理を経験することができます。私はローテーションの都合上回れませんでしたが、心不全チームでは重症心不全の治療や二次性心筋症の診断、そして当院の特徴である肺高血圧の診断、治療に関して経験することができます。
     チームが区切られているものの垣根はなく、分野を跨ぐ症例に関しては各チーム協力して診療にあたります。心筋梗塞でPCI後にVF stormとなってPCPS管理となった患者にアブレーションを施行し、PCPSから離脱させた上でICDを植え込んで自宅退院となった症例なども経験しました。また他科との垣根も低く、特に当院心臓血管外科とは毎週の相談症例のカンファレンスやTAVIチームでディスカッションしながら日々の診療に取り組んでいます。
     後期研修2.3年目のうちにも関連病院の循環器内科を数か月単位でローテーションするタイミングがありますが、大学で培った知識・技能のアウトプットの場として、またCAG一つをとっても各施設間で施行方法は異なりますので、自身の引き出しを増やす場として大変貴重な経験と感じました。単一施設の研修のみでは中々経験しづらい点かと思いますので、こちらに関しても当院後期研修の特徴かと考えております。
    ここまで日常診療に関して書かせていただきましたが、当院後期研修のもう一つの特徴として学術活動が盛んなことが挙げられると思います。学会での発表は勿論で新専門医制度でも義務づけられている所ではございますが、当院では希望する後期研修医に対して循環器領域の臨床研究テーマから、第一著者として英語論文を執筆する機会をいただきます。研究や統計など、最初は右も左もわからない状況から始まりますが、研究テーマの設定やデータ収集、統計学的解析、執筆、投稿まで手厚いご指導をいただきながら英語論文作成に取り組める環境は大変貴重でありがたいものと感じています。また日常業務の中当たり前のように研究にも取り組んでいる同期や後輩がいる事、そしてそれを支えてくださる先輩方がいることは刺激になります。
    最後に医局の雰囲気ですが、大学で過ごした時間は多忙な日々の中でも人間関係でストレスを感じることはほぼ無く、とても心地良いものでした。雰囲気というと文書で伝わりにくい所ではあるかと思いますが、いつも穏やかに寄り添ってくださった指導医の先生方や、研究・臨床において志の高い先輩・同期・後輩に囲まれて過ごせた3年間は大変充実したもので、循環器内科医としての駆け出しの選択として間違いでなかったと研修修了した今感じています。
     医局の雰囲気含め、よりリアルなお話もできるかと思いますので当院での研修に興味を持っていただけましたら是非1度見学に来ていただけたらと思います。余談ですが大宮という街も都内、郊外へのアクセスもよく、生活面で魅力的な所だと感じており、当院後期研修のアピールポイントに含ませて下さい。
    大変長くなってしまいましたが、循環器内科後期研修を志す皆さまの参考になれましたら幸いです。皆様にお会いできることを医局員一同楽しみにしております。

循環器内科
伴 聡一郎(金沢医科大学 2017年卒)2021年度後期研修終了
伴 聡一郎
 私は現在、医者6年目であり、後期研修(医者3年目)から自治医科大学附属さいたま医療センター(以下、当施設)の循環器内科にて後期研修を行いました。
続き
     私は現在、医者6年目であり、後期研修(医者3年目)から自治医科大学附属さいたま医療センター(以下、当施設)の循環器内科にて後期研修を行いました。初期研修医の時に研修先を悩んでいた時に当施設を見学し、患者に対する真摯な姿勢、医学への探究心、出身大学や研修歴も問わず、積極的に経験させていく当施設の指導方針、何より人の雰囲気の良さに魅かれ、入局を決めました。後期研修が終了する現在、当時の選択は間違っていなかったと自信を持って言えます。
     私は新しい内科専門医制度の研修プログラムに沿い、ローテーションしました。
     3年目は当施設の関連施設であるさいたま市民医療センターで研修しました。循環器内科疾患だけでなく、一般内科疾患を経験しつつ、内科の基礎を学びました。また循環器内科チームに所属し、急性心不全、急性冠症候群や不整脈疾患の初期対応、CAGや右心カテーテルを中心としたカテーテル検査やペースメーカー手術などの治療を経験しました。
     4年目は当施設で研修を開始し、CCUと病棟チームで循環器診療を研修しました。また、救急科や総合診療科など希望する診療科を選択し、初期研修や循環器研修で経験できないJ-OSLERで必要な症例を多く集めました。地域医療(南魚沼市民病院、共済病院)を経験することも貴重な経験でした。
     5年目は循環器内科を重点的にローテーションしました。CCU、心不全、不整脈チームに所属しました。CCUでは急性心筋梗塞、大動脈解離、肺塞栓症、心筋炎、重症心不全など急性期疾患を、コメディカルを含め、カンファレンスを行い、チーム一丸で救命救急の医療に携わることで循環器内科としての自覚と使命感を持てるようになりました。CCUチームでは当施設の特徴でありますが、急性心筋梗塞を含め、PCIを充実な指導医の下で、シニアレジデントに積極的に経験していく体制をとっております。(2020年4月から2022年3月までにPCIの第一術者を85件経験させて頂きました)またIABP、PCPS、Impella、LVADなどの補助循環装置の管理は貴重な経験でした。
     一般病棟チームでは、不整脈、心不全、デバイスチームなど専門分野別にチームが分かれております。分野を跨ぐ症例ではお互いの連携力の高さを生かし、共に診療に取り組んでおります。心不全チームでは重症心不全の治療や心筋症の診断を行うことだけでなく、心不全患者のQOLを重視した患者それぞれの治療方針を決める重要性を学びました。また当施設では肺高血圧に対してもBPAを含め積極的に治療を行っております。アブレーションチームではAFだけでなくAFL、PSVT、VTなどのアブレーションを積極的に行い、心内心電図の奥深さに触れることができました。デバイスチームではペースメーカーやICD埋め込み、ジェネレーター交換を術者として数多く経験するとともにCRT-Dなど大学病院でないと中々経験しない症例も経験しました。また科内だけではなく、他科とも垣根が低く、特にアクティビティの高い心臓血管外科とも、ディスカッションしながら日々の診療に取り組んでいます。
     当施設の特徴の一つとして診療だけではなく、学術活動も盛んなことが上げられると思います。循環器学会だけでなく、カテーテル治療学会や不整脈学会へ症例を報告いたしました。また希望する後期研修医には、研修プログラム中に循環器領域の研究テーマを与え、第一著者として英語論文を執筆します。最初は誰でも、何も分からない状況から始まりますが、研究テーマの設定、データ収集、統計、執筆、投稿まで、手厚くサポートして頂きながら、英語論文作成に取り組みます。5年目の3月までに1本の英語論文を掲載することでき、2、3本目と研究を進めています。日々の忙しい診療の合間に研究を行うのは大変なこともありますが、同じように研究を頑張っている同期、また支えてくれる先輩医師がおり、励みになります。当施設での研修は多くの経験とこれからの循環器人生の糧になると思います。
     最後に医局の雰囲気としては、とても居心地のよいものでした。臨床経験の豊富な上級医の指導は日々、勉強となります。若手医師達はその指導を下に、臨床に活かし、後輩の受け継ぎ、屋根瓦式に教育がなされ、現在の当施設の雰囲気を創っています。循環器内科は勉強する事が多く、専門研修を始めたばかりの頃は、毎日が精一杯で、不安になったことはありましたが、当施設の教育の中で、日々研修をしていくに連れ、循環器内科としての奥深さに触れ、誠心誠意、向き合うことで、患者さんからの感謝の言葉に感動し、また頑張ろうと思うことを繰り返します。後期研修が終わる今、今後の医師人生が楽しみとなりました。
     循環器内科を志望する皆さんにとって、本記載が参考になれば嬉しく思います。当施設に興味を持っていただけましたら、一度、当施設を見学に来て頂けたらと思います。皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしております。

指導医からのコメント

指導医からのコメント







循環器内科 谷口 陽介

 循環器内科の領域はカテーテル検査、冠動脈インターベンション、ECMOの導入管理、下肢動脈インターベンション、不整脈に対するカテーテルアブレーション、経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)、ペースメーカー植え込み術、肺高血圧、経食道超音波検査、心肺機能検査、心臓リハビリテーションなど幅広く、一人前の循環器内科医になるためには多くの臨床経験を積み、たくさんの知識を学ぶ必要があります。
 当科は上述した全ての領域の教育に対応しています。そして複数の指導医のもと、シニアレジデントの先生にたくさんの実践、経験を積んでいただくよう指導体制も整えています。我々スタッフも若い先生達と一緒にチーム全体でレベルアップし続ける、そんなチーム作りを心がけています。


循環器内科後期研修プログラムへの申込

2025年度の募集を開始いたしました。

問い合わせ

循環器内科シニアレジデントとのプログラムに関する資料をご希望の方は以下にご連絡ください。メールで資料のPDFを送付させていただきます。
循環器内科シニアレジデントとして研修を希望される方、プログラムの詳細を知りたい方、当院の見学希望の方はお気軽にお問い合わせください。

循環器内科:陣内 博行 hiroyuki-j@jichi.ac.jp、坂倉 建一 ksakakura@jichi.ac.jp



研修プログラム(自治医大卒業生 義務年限内)

循環器内科では1~2週間の短期研修から1~2年にわたる後期研修まで研修希望者を歓迎します。研修内容は本人の希望にあわせ調整しますが、3ヵ月以上可能な方は病棟とCCUをローテートし、心カテ・心エコー・運動負荷試験・心臓核医学・循環器救急など幅広い研修が可能です。また、1年程度可能な方はカテーテルインターベンション等より高度な内容の研修が可能です。さらに希望者には臨床研究を指導し、発表の機会を持たせるようにしています。経験の有無は問いません。

後期研修 経験者の声

大村 愛美(2019年卒、三重県)2023年度研修
大村 愛美
 私は、自治医科大学の卒業生ということで、医師3年目、4年目はへき地で総合内科医として勤務しておりました。藤田教授、坂倉教授にお力添えをいただき、医師5年目の1年間、当院での後期研修をさせていただく運びとなりました。
続き
     自治医科大学附属さいたま医療センター(以下、当院)の循環器内科は、CCUチーム、心不全チーム、不整脈チーム、デバイスチームに分かれて診療に当たっています。
     今年度は、CCUチーム(救急患者の初期対応、集中治療室での管理、カテーテル治療を主に行うチーム)での研修が中心でありましたので、CCUでの研修を中心にお伝えさせていただきます。
    ①環境の良さ
    循環器内科として初めての勤務の中、専門医としての意見を求められる立場となり不安でいっぱいでありましたが、不安なこと、迷うことがあればどんな些細なことでも、いつでも上級医の先生相談ができる環境にありました。また、カテーテルに関しても治療方針の相談や、治療後のフィードバックもアドバイスをいただくことができます。チームごとに診療を行ってはいますが、それぞれのチームとの連携はスムーズで垣根はなく、不整脈治療やデバイス挿入の適応などたくさんのアドバイスをいただきながら診療にあたっています。

    ②症例の豊富さ
    最初はCAGから研修を開始し、CAGを安全に問題なくできるようになった後にSTEMIや予定のカテーテル検査・治療の第一術者となります。3ヶ月の救急科ローテートがあり、PCIの術者としての勤務は6ヶ月程度となっていますが、60件のPCIを第一術者として経験させていただきました。症例数としては十分にあると感じており、カテーテル症例を取り合うことなく経験できたと感じています。PCPSやIABP症例も豊富でメカニカルデバイスの挿入・管理も合わせて経験でき、大きなレベルアップにつながりました。その他、CCUチームでは、SHDの治療にも携わりますので、TAVIを中心にカテーテルでの弁膜症治療を経験できます。

    ③雰囲気の良さ
    当院の循環器内科の医局員は出身大学が様々であり、北海道から宮崎まで様々な出身大学の医局員が在籍しています。出身地や大学は偏りなく様々であり、どなたでも肩肘はらず、一緒に働くことができます。医局全体の雰囲気もよく、和気あいあいとしています。また、心臓血管外科との関係も良好です。合同カンファレンスを行なっており、手術適応の相談や症例の経過を知ることができます。顔の見える関係でとても相談がしやすく、アクティビティの高い心臓血管外科のバックアップのもと、治療に専念できるのも当院の強みの1つです。

    ④学術活動に関して
    当院は臨床に力を注ぎながら、論文執筆や学会発表などの学術活動も積極的に行っているという特徴があります。週に1回、リサーチミーティングと称して、論文執筆に関しての相談や進捗の報告を行う会があり、上級医の指導のもと1から論文執筆に挑戦することができます。また、スタッフの先生方それぞれに研究分野があり、留学経験のある先生も多く在籍していることから、留学先での研究内容などを直接気軽に伺うことができます。

    診療科の特性上、緊急症例が続き、体力的に辛いこともありますが、根気強くいつも穏やかに見守りながら指導をしてくださる上級医の先生方、一緒に頑張れる同期、頼りになる後輩、優秀なスタッフに恵まれ、のびのびと成長できる環境は他にはない当院の魅力です。この1年は私の医師人生でかけがえのないものとなりました。

    言葉では伝えられない部分もありますので、当院での研修に興味がある方がおりましたら、ぜひ見学へいらしてください。スタッフ一同楽しみにお待ちしております。
    最後に、このような機会を頂けたこと、ご指導くださったスタッフの皆様にこの場を借りて感謝を申し上げます。
浜口 幸大(2018年卒、三重県)2022年度研修
浜口 幸大
 私は自治医科大学卒業生で,医師5年目となる2022年度の1年間自治医科大学附属さいたま医療センター循環器内科で研修をさせて頂きました.三重県では義務年限5年目,8年目に後期研修を頂けることになっており,三重県内医療機関あるいは自治医科大学附属病院,自治医科大学附属さいたま医療センターでの研修が許可されており,今回自治医科大学附属さいたま医療センター循環器内科での後期研修を選択させて頂いた次第であります.
続き
     内科新専門医制度が始まり,プログラムを遅らせることなく専門医取得を行うために三重県内の自治医大卒業生の派遣病院を自治医科大学附属さいたま医療センター内科プログラムの研修指定病院に入れて頂くなど,藤田教授,坂倉教授にもご協力を頂き,プログラムの期間内に後期研修を行うことができました.
     三重県内の派遣病院では心臓カテーテル検査を施行できる医療機関は殆どなく,3年目,4年目は総合内科として勤務をしておりましたので,CCUでやっていけるのかと非常に不安でありましたが,上級医の先生の優しく,手厚いサポートで大きな問題なく1年間の研修を終えることができました.私は研修開始時点で心臓カテーテル検査の経験はCAGを20件程度しかしたことがありませんでした.最初の3カ月はCAGを主にさせて頂き,カテーテルのいろはを上級医の先生が手取り足取り教えてくれました.3カ月でCAGが安全に行えるようになると,PCI術者となれ,前日までのPCI予習から当日のPCI,その後の復習まで上級医の先生は質問すると丁寧に教えてくれました.症例数についても取り合いになるということはなく,均等に機会が十分に回ってきます.怒鳴られることは決してなく,優しく丁寧にカテーテル研修を送らせて頂けることは自治医科大学附属さいたま医療センター循環器内科研修の大きな魅力のひとつと思います.
     循環器急性期医療を経験できることもまたCCUの大きな魅力です.急性心筋梗塞や急性心不全,急性心筋炎など重症心疾患,強心薬の使用やIABP,ECMO,補助循環用ポンプカテーテルなど補助循環装置の使用など高度な全身循環管理を担う一員となります.わからないことを自分で勉強して解決するのはもちろんですが,時間が許さない時には些細な疑問であっても,たとえ深夜帯であっても上級医の先生は親身になって教えてくれました.また,補助循環については,臨床工学技士をはじめとするコメディカルの方々からたくさん教えて頂いたことがあります.1年間CCUで集中治療管理を学べたことは大きな自信となりました.
     地域医療に従事する中でなかなか専門研修ができない自治医科大学卒業生にとって,専門研修を充実した環境で行えることは誰もが希望することであると思いますが,自治医科大学附属さいたま医療センター循環器内科は私の望む全てを叶えてくれた環境でした.
     藤田教授,坂倉教授をはじめ上級医の先生,カテ室や病棟スタッフなど多くの方々に支えて頂き,同期・後輩にも恵まれた充実した1年でした.
     この場を借りて感謝申し上げます,本当にありがとうございました.
池田 智哉(2014年卒、三重県)2021年度研修
池田 智哉
 研修後記 自治医大37期卒の池田と申します。義務年限8年目となる2021年度の1年間、後期研修の期間をいただき、自治医大さいたま医療センター循環器内科にて勤務させていただきました。
続き
     今回後期研修をいただくのは、5年目に勤務した3年前に続き2回目となりました。へき地医療勤務期間は一般内科に従事しており、また新型コロナウイルス感染拡大に伴い、近隣の後方病院への研修が難しくなってしまったこともあり、循環器診療やカテーテル治療、CCU管理などを集中的に学ぶということは難しい状況でした。そのため、3年ぶりの久しぶりの循環器診療となりましたが、3年前にも集中的に研修できた甲斐もあり、久しぶりの環境や業務にも比較的スムーズに臨むことができました。
     後期研修に臨むにあたって、カテーテル経験を積むこと、不整脈やデバイス治療などにも携わることを目標としており、10カ月CCU、2ヶ月デバイスチームで研修させていただきました。
     CCUチームでは、虚血性心疾患の治療や循環器急性期管理を担当します。カテーテル治療に関しては、それまでの経験数が少なくても安全に行えるよう段階的に指導していただけます。また若手のDrがPCIの経験数を積みやすくできるようなシステムでしたので、CAGもほとんどしていなかった状態で研修を始めた私でしたが、1年目の研修から積極的にPCI件数を積むことができましたし、2年間の研修で200件を超えるPCIを行うことができました。
     また、デバイスチームではペースメーカー/ICD/CRT植え込みを中心に、数十件の植え込み術/交換術およびその周術期管理に携わることができました。同時に、心不全としての亜急性期〜慢性期の管理にも携わることができました。いずれも、へき地で診療していた中では携わることが難しかったり、適切に指導を受けることが難しかったため、とてもよい経験を積むことができました。
     藤田教授、坂倉先生を始め指導医の先生方は皆さん丁寧に指導してくださり、またともに研修する若手医師は皆さん優秀でかつ積極的で、とても良い刺激になりました。医局内の雰囲気もよく、忙しい業務の中で働きにくさを感じることはありませんでした。何より、病院内、科内に(自分の出身県に関わらず)卒業生の先生がいらっしゃることは、やはり自分の境遇を理解し、指導していただけるという点で大変心強く感じました。その他、学術的にも、論文作成にあたり丁寧にサポートしていただける環境がありました。
     生活面に関しては、改めて私からいう必要はないのかもしれませんが、大宮区は良い意味で都会的な側面と田舎的な側面を併せ持っている土地だと感じました。そのため、生活面で不自由さを感じることはありませんでしたし、窮屈さを覚えることもありませんでした。
     私は37期卒で、旧専門医制度でのキャリアを積んでいるところで、専門医試験に臨もうとしているところです。今後専門医試験受験にあたり必要な症例には困らないほど十分に広い範囲の循環器症例を担当することができました。
     今後若い先生方は新専門医制度でのキャリアを積もうという方もいらっしゃると思います。繰り返しにはなりますが、当センターは卒業生が多いので、我々卒業生に対してのキャリアプランに関しても親身に考えてくださる先生方ばかりです。私にとって当センターでの後期研修期間は、今後の医師人生の中で大きな糧となるよい期間であったと確信しております。もし興味が少しでもおありでしたら、気軽に連絡をしてみることをお勧めします。医局内の皆さんが、大歓迎してくれると思います。
     最後にはなりますが、藤田教授、坂倉先生を始めご指導賜りました先生方、またともに勤務し助けていただきましたスタッフの方々に深くお礼申し上げます。そして、さいたま医療センターで研修する機会を与えていただきました三重県庁のご担当の皆様にも大変感謝申し上げます。本当にありがとうございました。義務年限内に限らず、今後の診療のカテとし、励んでいきたいと思います。

研修プログラム(自治医大卒業生 義務年限内)の問い合わせ先

詳しくはお問い合わせ下さい。

循環器内科:坂倉 建一 (三重県 平成11年卒) ksakakura@jichi.ac.jp



研修プログラム(卒後6年目以上)

詳しくはお問い合わせ下さい。

循環器内科研修プログラム(卒後6年目以上)の問い合わせ

循環器内科:陣内 博行 hiroyuki-j@jichi.ac.jp、坂倉 建一 ksakakura@jichi.ac.jp



カンファレンス・連絡会

循環器内科は毎週火曜に「抄読会・ケースカンファレンス」、水曜に「リサーチミーティング」を行っています。その他にも「CCUカンファレンス」、「不整脈カンファレンス」、「デバイスカンファレンス」などを随時行い、スタッフ間で診療情報を共有し、適切な診療を行うようチーム医療を推進しています。

抄読会・ケースカンファレンス

診療の質を向上させること、および若手スタッフの教育を目的として最新の知見に関する論文をスタッフ全員で共有したり、当科で診療を行った患者様の治療内容に関する振り返りを行っています。

リサーチミーティング

教授、准教授をはじめとした指導医が、循環器内科各スタッフがそれぞれ取り組んでいる研究について個別指導を行っています。当科では論文作成経験がないスタッフでも第一著者として論文が書けるよう丁寧に指導しています。これまで多数のスタッフが、当科で第一著者として初めての英語論文を発表しています。

ミーティング

研究実績

新たな医学医療を開拓し実践するという大学病院の使命を果たすべく臨床を中心に多くの研究を行っております。急性心筋梗塞の再灌流療法時心筋保護に関する基礎的・臨床的研究、冠動脈インターベンション特にロータブレータに関する治療学的研究、心臓リハビリテーション、特に心筋梗塞後の運動療法に関する研究、急性冠症候群の病態と治療に関し冠動脈イメージングを用いた検討、循環器救急のプレホスピタル領域における時間短縮と予後の検討、新たな急性期リハビリテーションプログラムの検討、冠動脈疾患・大動脈解離の長期予後規定因子に関する研究、心不全と呼吸療法に関する研究、肺高血圧のリスク層別化と予後予測に関する研究、脂質低下療法が血管内皮機能や粥腫安定化に及ぼす影響に関する研究、不整脈特に心房細動に関する臨床的研究、地域における疫学調査、心臓シミュレータ・ビッグデータ循環器疾患レジストリ研究など多方面にわたっています。 治験・臨床研究におきましては、患者の皆様の権利を最大限に尊重し関係法規・ガイドラインを遵守しその上で包括同意・個別同意をいただき適切に対応しております(詳細はこちらです)。 個別の臨床研究テーマについてはこちらです。

当科の研究活動は公式Facebookでも随時お知らせしています。 公式Facebookはこちらです。

循環器内科より発表(publish)された英語論文数
2023年 30篇
2022年 32篇
2021年 24篇
2020年 33篇
2019年 26篇
2018年 27篇
2017年 17篇
2016年 18篇

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