教授あいさつ

第24回近畿内視鏡外科研究会|当番世話人 森 正樹

 平成26年8月1日より、歯科口腔外科学講座を担当することになりました森と申します。赤坂庸子初代教授(現名誉教授)の築かれた基礎の上に草間幹夫前教授(現名誉教授)によって発展してきたこの教室を、今後さらに充実させていきたいと考えております。
 高齢化が急速に進んでいるわが国では、口腔の医療はますます重要になってきています。口腔には、「食べる」、「しゃべる」、「豊かな表情を作る」など、有意義な人生を送るための必要不可欠な機能があります。また、口腔は感染の門戸でもあり、口腔衛生状態が感染性心内膜炎や誤嚥性肺炎などの循環器系・呼吸器系疾患や頭頚部外科手術・消化器外科手術の術後合併症と密接に関連すること、特に歯周病と糖尿病や循環器疾患との関連を始め、歯科疾患と全身疾患との関連が次第に明らかになりつつあります。今後は内科等の関連各科と協力して歯科診療が重要であると考えます。
 外来診療では、周術期に口腔ケアを施行することにより食道癌術後肺炎の減少や、化学療法や放射線治療に伴う口腔粘膜炎を著しく軽減することを経験してきました。今後も周術期口腔ケアを強力に実践することにより、術後感染の軽減、在院日数の短縮などに寄与したいと考えています。さらに、喪失した歯の回復の為に、インプラント治療を積極的に導入するとともに、インプラントを埋入するための顎骨再生医療に今後とも継続して取り組んでいきたいと考えています。
 入院診療では、口腔悪性腫瘍、顎変形症等の疾患を主体に、他科との連携をとりながら治療を進めていきたいと考えます。口唇口蓋裂を始めとする先天異常、頭頚部がんや顔面外傷の治療などにおいては、形成外科や耳鼻咽喉科との集学的治療が重要です。歯科口腔外科としては、こうしたチーム医療の中で、患者が咬合を回復し摂食・嚥下が可能になるように、特に咬合再建において尽力したいと考えています。
 研究では、臨床医においても基礎的な研究にも目を向ける必要があると考えています。臨床と研究とは歩みをともにして発展するものであり、日常臨床から基礎研究、逆に基礎研究から日常臨床に知識と情報が交換・還元されることが重要です。今後は臨床研究におけるコンプライアンスに留意しつつ、口腔外科学教室の大学院生や若手歯科医師を指導し、基礎の研究室や他の研究機関と広く協力して、これらの研究を継続、発展させ成果をあげていきたいと考えています。
 医学・歯学教育では、高い倫理観を持ち、患者様の痛みが理解でき、優れた診断能力および診療技術を有し、多方面の専門家やコメディカルスタッフと良好な医療連携を構築することができる医師・歯科医の育成が要求されていると考えます。医学部学生に対する歯学教育では、将来どの分野の医師になろうとも、良質な医療を提供する上で有用な歯科口腔外科疾患の診断と治療および健康科学の知識の習得を目標としたカリキュラムの編成が重要と考えます。
 大学における使命は、高度な医療を実践するとともに、基礎的研究や臨床研究に積極的に取り組み、それを通じて新たな医療を開拓すべく橋渡し研究(トランスレーショナルリサーチ)を遂行することと考えます。そのために、将来の医療を担う学生、研修医を始めとする若手を教育・育成することが重要と考えています。

略歴

 教授・科長:森 良之(もり よしゆき)

1984年 日本歯科大学歯学部 卒業
       東京医科歯科大学歯学部専攻生(口腔外科学第二講座)
1987年 東京医科歯科大学歯学部附属病院医員(第二口腔外科)
1991年 東京大学助手(医学部附属病院歯科口腔外科) 
1998年 東京大学講師(医学部附属病院顎口腔外科・歯科矯正歯科)
2009年 東京大学大学院医学系研究科 口腔外科学分野 准教授
2014年 自治医科大学医学部 歯科口腔外科学講座 主任教授

学位、認定医資格:
1992年 日本口腔外科学会専門医(第500号)
1993年 歯学博士号取得(東京医科歯科大学 第369号)
1998年 日本口腔外科学会指導医(第560号)
2009年 日本がん治療認定医機構 暫定教育医(歯科口腔外科)
2014年 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医(歯科口腔外科)


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