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卒業生インタビュー 池野 文昭(静岡県)

卒業生インタビュー 池野 文昭(静岡県)

(平成31年4月 取材)

チーフメディカルオフィサー・プログラムディレクター(US)

1992年、自治医科大学卒業。静岡県内で地域医療に従事し、2001年に米国スタンフォード大学に留学。2013年、国内でMedVenture Partners, Inc を起業。2015年、Stanford Byer Center for Biodesignのジャパンバイオデザインのプログラムディレクター(US) に就任し現在に至る。

総合診療医の知見を糧に
医療機器産業の改革に挑む


起業に至る道は、義務年限中に開かれた


「人生は一度きり。長いようで短い」。静岡県の山間部にある病院に勤務していたとき、往診した高齢の患者さんにいただいた言葉です。義務年限後の進路について不安をもらした私に、悔いのないよう目の前のことに全力を注げと、諭された気がしました。その後、大きな選択を迫られるたび、人生の大先輩による一言を糧に自身を発憤させてきた結果、アメリカで起業し、現在は医療機器の分野を主戦場としています。
海外に目を向けたのは、自治医大に入学してからのこと。アメリカでは家庭医学という枠組みが確立されていることを知り、これを学んだ医師が尽力するへき地医療を自分の目で確かめるため、シアトルに短期留学しました。この経験から海外で学びたいという思いを強めたものの、当時の私は卒業後の義務年限がその夢の実現を阻むと思い込んでいたのでした。
とはいえ、9年間を陰鬱に過ごしたわけではありません。その間は、勤務先を自力で探す必要もなく地域医療に専念できます。むしろ義務年限後の進路に悩んだくらいであり、そのときに患者さんからもらったのが冒頭の一言です。
スタンフォード大学に留学する可能性が開けたのも、地域でお世話になった先輩医師の伝手によるもの。当初は3年ほどで帰国し、改めて故郷の地域医療に従事する予定でした。しかし、ベンチャーとの産学連携に関わったことや、医師免許を持って産業界や行政で活躍するロールモデルを目の当たりにしたことで、それまでの経験を医療機器という分野で活かす道を見い出します。地域医療を通して蓄えた総合診療医としての知見も、診療科を問わないという点でその可能性を大きく広げました。臨床に新たな価値を提供する医療機器産業では、分野を超えて能力を発揮したり協働したりする環境の構築が不可欠です。それはまさに、多職種が連携する医療を通した地域づくりに通じると考えています。