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卒業生インタビュー 小林英司(新潟県)

卒業生インタビュー 小林英司(新潟県)

(平成29年4月 取材)

小林英司

東京都新宿区
慶應義塾大学 医学部
臓器再生医学寄附講座
特任教授
小林英司

医学は連続して発展する実学

私は、自治医科大学を卒業して医師になり35年が経ちますが、これから医学を志したい皆さんのアドバイスになればと思います。医学部は、基礎医学と臨床医学に大別されますが、医学は基礎研究、臨床研究、そして登録研究という3つの「研究」を通じて常に発展してきています。例えば新しい薬は、ヒトの候補薬となるまでに10年以上かかります。その後、治験が行われ新たな治療薬として使い方が臨床研究で示されます。最終的に患者さんの予後を追跡した登録研究で確かめられ、解決できない課題も明らかになります。最近はこの課題克服のために、医学はもとよりそれ以外の分野の知識や技術を導入して臨床まで直結して行われるトランスレーショナル研究が盛んです。

「医学は(患者さんに役立つ)実学である」と言われますが、したがって医師としてどの分野にたずさわるにも、患者さんを実際に診る臨床をしっかり勉強すべきです。自治医科大学の卒業後に地域の患者さんのために医学を勉強できる9年間は、臨床医として必要不可欠なことを身につけるための重要な時期であったと思います。現在私は先端医学におけるトランスレーショナル研究をしていますが、出身地新潟の地域医療に従事する中で経験した臨床が現在の私に強く影響しています。


移植医療の課題克服を目指して

私は現在、移植に応用する臓器の作製に挑んでいます。自治医科大学の卒業直前に父を心臓病で亡くしましたが、当時は日本では心臓移植は行われていませんでした。今は、臓器移植法の整備なども経てこれまで死を待つしかなかった病気も克服できるようになりました。しかし、臓器不足をどう乗り越えるかが、これからの医学に課せられた課題です。

臓器を人工的につくることができれば、この大きな課題をクリアできるでしょう。この臓器作りには、ヒトの臓器の元となる幹細胞の発生学の知識はもとより人工培養装置などの工学的技術など理工学分野など猛勉強が必要ですが、臨床を経験したことで待っている患者さんの顔がはっきり見える気がします。