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同窓会会報から 山元香代子(宮崎県)

同窓会会報から 山元香代子(宮崎県)

ザンビアからの報告(平成27年度)

ザンビアの辺地医療を支援する会 副理事長 山元香代子(宮崎3期)

啓発活動ニャンカンガみなさま、お元気でしょうか。多くの方々のご支援をいただき、活動は5年目を迎えました。ザンビアでの昨年の活動状況をご報告させていただきます。

巡回診療はルアノ地区で月2回、ムワンタヤ地区・ニャンカンガ地区で月1回実施しました。平成27年1年間で、巡回診療は計48回実施、ルアノで2245名、ムワンタヤで1299名、ニャンカンガで1489名総計5033名(延べ数)の患者を診察・治療しました。このうち1883名は5歳未満の子供です。妊婦健診・家族計画受診者数は、それぞれルアノで305名、264名、ムワンタヤで242名、197名、ニャンカンガで79名(9月まで)、79名総計626名、540名でした。活動を開始した平成23年10月から昨年27年12月までに合計18,000人以上の患者を診療してきました。

コミュニティヘルスワーカーの研修マラリア患者数に関しては、26年1年間でルアノ826名、ムワンタヤ215名が27年は391名、80名とそれぞれ大きく減少しています。マラリア陽性率もルアノ51.4%から30.3%、ムワンタヤ約30%(1回のみ母数がはっきりしない)から12.4%と減少しています。マラリアの発生は天候に大きく左右されるので、もうしばらく経過を見ないと活動の成果とは言えません。しかし、コミュニティヘルスワーカーに十分量のマラリア検査キットと抗マラリア薬を渡すことができるようになり、巡回診療後、ルアノではコミュニティヘルスワーカーが26年には1270人、27年には1550人以上にマラリア検査を実施し、陽性者には抗マラリア薬を投与していることが大きく寄与していると考えています。コミュニティヘルスワーカーの彼らのがんばりにはほんとうに頭が下がります。そして、何よりも多くの方々からの支援のおかげだと心から感謝の気持ちでいっぱいです。

コミュニティヘルスワーカーの仕事をもっと確実なものとし、彼らのやる気を更に高めるために、5月に2泊3日のリフレシュ研修を実施しました。マラリア検査の結果判定には十分な時間をとること、検査のプレートにイニシャルを書き、患者の混同をしないこと、薬剤の用量の間違いを少なくするために、抗マラリア薬、パラセタモール(アセトアミノフェン)、アモキシシリンシロップ、小児用亜鉛の用量が記載されたラミネートを常に参照することなど、実習を交えながら確認していきました。また、彼らの活動が円滑に行えるように、一人に一台の自転車を配布しました。

ネイバーフッドヘルスコミッテイメンバーの研修26年、ルアノではマラリアで亡くなった人はいなかったのですが、27年、3歳の子供が熱を出して、コミュニティヘルスワーカーの元に連れていかれることもなく2日後には亡くなっています。おそらくマラリアではなかったのかと考えました。そのため、毎年実施している啓発活動では、子供の具合が悪い時にはできるだけ早くコミュニティヘルスワーカーの所に連れていくようにとのメッセージを強調してもらいました。

また、コミュニティヘルスワーカー以外に、それぞれの地区にはネイバーフッドへルスコミッティという保健・衛生問題を担当する委員会があり15〜20名のメンバーがいて、巡回診療時の手伝いをしてくれます。3地区で彼らを対象のセミナーを実施して、マラリア、下痢、HIV/AIDS、妊婦健診、家族計画などの基礎知識や下痢の子供に飲ませるORSの作り方などを講義し、子供の具合が悪い時にはできるだけ早くコミュニティヘルスワーカーの所に連れていく重要性をコミュニティの人々に伝えてくれるように説明しました。ニャンカンガ地区では、草ぶきの小屋で診療をしてきました
が、ようやく住民が自分たちでレンガを焼き、レンガを積み、倉庫兼診療を行う建物の建設が
始まりました。雨季に間に合わせるために、大急ぎで屋根・ドア・窓・セメントなどをプロジェクト側から提供したのですが、なかなか建設が進まず、突然の雨にずぶぬれになりながら診療をすることもありました。

  • 草ぶき小屋での診療ニャンカンガ
  • 建設中の建物ニャンカンガ

ルアノの井戸村長を交えた住民代表との話し合いの後、ルアノ地区で、7月に3基、ムワンタヤ地区で、6月に2基、11月に1基、ニャンカンガ地区で12月に2基の井戸を建設することができました。みなさまのご支援のたまものです。11〜12月に建設した3基は水質検査にやや問題があり、現在再検中です。ルアノでは井戸掘りが終了すると、すぐに動物が入ってこないように柵ができ、井戸水の出口に大きな水たまりができないように、深く穴を掘り大きな石を埋めるのですが、ムワンタヤではその作業が全く進まず、一時期ポンプに鍵をかけました。ニャンカンガでの建物の建設が進まなかったように、ムワンタヤでも住民が協力して作業するということがとても難しいようでした。ルアノはトンガ族がほとんどで協力しあうけれども、他の2地区はいろいろな部族が住んでいて、違う部族同士が協力しあうことがとてもむずかしいのだと聞かされました。

ムワンタヤの井戸前年と同じように、ルアノ、ムワンタヤ、ニャンカンガ地区で、マラリア・下痢に関する啓発活動を実施しました。ムワンタヤでは井戸掘りに合わせて、井戸の使い方についての啓発も加えました。毎回100〜150名以上の住民が参加しました。巡回診療スタッフの一人である準医師ムレタ氏の住むチボンボ郡ルカタ地区は、26年1〜3月マラリアで28人の住民が亡くなったことから、その後、ムレタ氏に抗マラリア薬、マラリア検査キット、解熱剤などを提供し、ムレタ氏がコミュニティヘルスワーカーとともに診療を実施していますが、そのルカタ地区でも啓発活動を実施しました。初めての試みでまたお葬式と重なり、参加者は100名未満でしたが、子供たちが大喜びでした。これからも継続しようと考えています。

私自身は3か月間日本に戻り、病院でアルバイトをし、3か月間ザンビアで仕事をするという生活を繰り返しています。私の不在の間は、現地のスタッフが活動を継続しています。中国経済の低迷で銅の輸出が減り、ザンビアの経済状況は悪化し、物価はあがり、首都ルサカでも1日8〜14時間の停電、いつ水が出だすかわからないような断水が続くなど厳しい状況です。しかし、現地のスタッフの協力のもと、地域住民と十分な話し合いを重ねながら、問題点を一つ一つ忍耐強く解決しながら、活動を着実に継続していこうと考えています。今後ともご支援よろしくお願い申し上げます。

  • 三重大の研修医を交えての診療
  • 運転手による車両の修理