| 1: ボート競技とは |
ボート競技のすばらしさは、一糸乱れぬ漕ぎ手の調和と水面を滑るようにして進む艇、そしてコックス同士のレースの駆け引き等であり、それが見る者全てをボートの虜とさせます。また、大自然をバックに行なえるということもボートの魅力ではないでしょうか。 日本においては、ボート競技者のメインは学生や実業団ですが、ボート発祥地である欧米諸国では、学生、実業団はもちろんのこと、一般市民レベルにおいても盛んに競技が行なわれています。
競技者に年齢はあまり関係なく、老若男女行なえるスポーツのひとつです。ボートのレースは、主に静水の直線コースで行なわれます。距離はレースによって違いがありますが、基本は国体などをはじめ1000mレースが多いようです。インカレ・全日本・世界選手権等の大会では2000mのレースがメインです。
勝敗の決定はいたってシンプルでスタートの合図とともに漕ぎ始め、ゴールを先に通過した艇が次のレースに勝ちあがれます。また、全ての大会において敗者復活戦があるのもボート競技に特徴的で、敗者復活戦に勝てば次のレースに勝ち進めます。
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| 2: 艇の形について |
艇の形には大きく分けて2種類あり、ナックル艇とシェル艇(下図参照)とがあります。ナックル艇は、底の形が拳(ナックル)に似ていることからこう呼ばれています。一般的に頑丈でバランスがとりやすいために、主に初心者用として使われています。また、シェル艇は、底の形が貝殻(シェル)に似ているためにこう呼ばれています。ナックル艇に比べて軽く、早く進み、水の上を滑るように進みますが、バランスをとるのが難しく、初心者が乗るのには向きません。
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(シェル艇) |
| 3: 艇の種類について |
艇には多くの種類がありますが、大きく分けてスカルタイプとスウィ−プタイプに分けられます。スカルタイプとは両手に一本ずつオールを持って漕ぐ(つまり、一人二本ずつオールを持ちます)タイプのもので、スウィ−プタイプとは両手で一本のオールを持って漕ぐタイプのものです。 スカルタイプには、シングルスカル、ダブルスカルなどがあり、スウィ−プタイプには、舵手付フォア、舵手付エイトなどがあります。
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| 4: シングルスカルとは |
その名の通り一人の漕手が二本のオールをつかって漕ぐもので、舵手(コックス)がいないので漕手はまっすぐ漕ぐ高度な技術が必要であり、バランスを取るのが大変難しいため(初心者が不用意に乗るとすぐにひっくり返ります)大変難しい競技となっています。(逆に考えれば、器用な日本人向けの競技といえます。)しかしながら、一人でも気楽に漕げるため、全世界でとても普及しており、日本においても競技人口は多い種目です。
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| 5: ダブルスカルとは |
シングルスカルは一人の漕手であるのに対し、ダブルスカルは二人で漕ぎます。ダブルスカルにもコックスはいません。シングルスカルと比較してスピードが出ます。その代わり、二人で漕ぐために二人の息をぴったりと合わせる必要があります。
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| 6: 舵手付フォアとは |
四人の漕手がストロークサイドとバウサイドの二手に分かれ、それぞれ一本のオールを漕ぐスウィ−プタイプです。また、四人の漕手とは別に舵手(コックス)が一人乗ります。つまり、1チーム五人により構成されています。
舵手つきフォアでは、艇首に最も近い漕手を「バウ(B)」と呼び、以下順番に「2番」、「3番」、整調「ストローク(S)」、舵手「コックス(C)」といいます。整調のオールと同じ側をストロークサイド、その反対側をバウサイドといいます。
整調はクルーの要として、レース中のピッチの上げ下げや全体にわたるペース配分、リズムを作り出す重要なポジションで、漕歴のある漕手がふさわしく、3番2番は艇の中央に位置し、エンジンの役割を果たす為に体力のある漕手が適任です。バウは最も艇首に近く、他の漕手の調子を見たり、時には声をかけて励ましたりすることも重要で、技術的に優れた漕手が望ましいとされています。
舵手は、スタートからゴールまで艇が最短距離で進むように操舵し、また漕手が練習の成果を100%発揮できるように心理面でのリードも大切です。舵手は、艇長、計算機、心理学者の役目を果たさなければいけません。
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(舵手付きフォアのレースの模様) |
| 7: エイトとは |
漕手が八人となった舵手付フォアのようなもので、舵手付フォアと同様に漕手とは別に一人舵手(コックス)が乗ります。つまり、1チーム九人で構成されています。 ボート界ではいわゆる花形競技です。ボート競技種目の中で一番スピードがでます。「8人も乗っていたら1人くらい適当にやってもいいじゃん!」というわけにもいかず、エイトはボート競技がまさしく「集団競技」だということを思い知らされます。
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| 8: ピッチ(レート)とは |
ピッチとは、1分間にオールを漕ぐ回数をいいます。すなわち、「ピッチ35」とは、1分間に35回漕いでいることになります。
レース中は、スタートダッシュをハイピッチ(1分間にピッチ40台後半)で、中間(250m〜700m)はコンスタントピッチで、そしてラストはハイピッチ(ピッチ40台)という具合に上げ下げします。
コンスタントピッチとは、常漕率と訳されますが、最も無駄がなく、しかも艇速が伸びる時のピッチのことで、車でいう経済速度のことです。このコンスタントピッチは各クルーの@艇の種類、Aクルーの体格、B力量、C漕ぐ距離、D水面の状態によってに左右されていて、全日本クラスにもなるとピッチ38で漕ぎきるということも可能になってきます。(ちなみに自治医大対校クルーはコンスタントピッチ35でした。←決勝の時)
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| 7: 最後にレースの見所を |
スタートした各艇は非常に高いピッチで漕ぎ出しますが、これがスタートダッシュです。20本から30本まで漕ぐと普通の漕ぎ方になります。(これをセトルダウンといいます)
各クルーはそれぞれ固有のピッチを持っています。(これをコンスタントといいましたね) スタートでリードしてそのまま逃げ込む作戦の場合は、必然的にスタートダッシュが長くなります。また、レースの途中で急にピッチが高くなることがありますが、これはミドルスパートといいます。ボートでは水があいた場合、その差を縮めることは容易ではなく、かなり力漕をしなければ縮まりません。
リードされたクルーはその差を縮めようと懸命に努力しますし、リードしたクルーはその差を保ち、または差を広げようと懸命に努力します。舵手がいるフォアやエイトなどでは、スパートの入れどころなど、相手を見ながらの舵手の駆け引きが重要になってきます。
ボートレースは完全な団体競技で、一瞬にして形成逆転などは見られませんが、そのオールにかけた一本一本で”ジワリジワリ”と追い詰めていくその”スリル”をぜひ味わって欲しいのです。 |
| Written by−M5:中川 真哉(ベース)、M6:東矢俊一(一部改定追加) |