研究Now! 研究者自らが語る成果へと続く努力の道

Episode.3 iPS細胞の臨床応用への期待と大型動物研究 (3/7)  New

自治医科大学での研究

iPS細胞の登場

花園:私達は大型動物を使った研究をしてます。サルだとかヒツジだとかブタね。この写真の動物の目を隠してるってのは動物を尊重してる気持ちの現われなんだ(笑)。サイズの上でも、寿命の長さにしても、生理的にも、ヒトに近い動物を使っていきます。こういった大きな動物の個体の中で、生物を統合的に理解していこうということです。

菅谷:大型動物利用について、これまでの研究成果を教えて頂けますか。

花園:花園豊先生私たちは、京都大学のCiRA(サイラ)という山中先生のiPS細胞研究所と一緒に、ヒトや様々な動物のiPS細胞を作りました。ヒトだけではなくてサルやブタやマウスのiPS細胞も作りました。動物はヒトのモデルになるので、これは非常に医学の進歩に役立ちます。

それから、私たちは宇都宮大学の農学部と一緒にヒトの血液やサルの奇形腫を持つヒツジを作りました。将来動物体内におけるヒトの血液やヒトの臓器の産生の実現に道を開くと考えています。

さらについ最近、免疫のないブタを作りました。これは明治大学農学部との共同研究です。免疫のないブタっていうのはヌードマウスのブタ版です。このブタを使えばヒトの癌など種々の疾患や病態をブタで再現可能になります。つまり今までヌードマウスを使ってやっていた実験がブタでできるわけです。

以上の結果を踏まえて、私の今後の目標は、動物体内でヒトの血液を作ろうとしています。5年で実用化を目指してます。ヒトの血液っていうのは不足していますからね。動物の中でできればこれはありがたい話です。

菅谷くん、宮崎駿監督が作った『紅の豚』というアニメを見たことある?

菅谷:はい、あります。

花園:主人公のポルコ・ロッソがいう台詞に『飛ばない豚はただの豚だ』というのがあるんだよね。僕の考えだけども、宮崎監督にとって“紅の豚”と“飛ぶ豚”というのは実現不可能なものの象徴だと思うんですよ。私はブタのiPS細胞から紅く光るブタを作ったんです。紅の豚を作った。世界で初めて。

菅谷:紅く光るブタですか(笑)

花園:そして今度は、飛ぶ豚を作ってやろうと思っています。宮崎監督ができないと言っているものを作ってやる。私にとっての“飛ぶ豚”というのはヒトの血液を持つブタなんだけどね。

Jichi Ika Now!
キャンパスNow! 講義Now! 研究Now! 地域医療Now!
受験生の方へ 受診希望の方へ 臨床研修希望の方へ 在学生・卒業生の方へ 教職員専用
資料請求
CLOSE