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Episode.3 iPS細胞の臨床応用への期待と大型動物研究 (6/7)  New

「デイサイエンス」と「ナイトサイエンス」

花園豊先生菅谷:先生が医学を目指した動機と、臨床から研究に入ったきっかけは何だったんですか?

花園:大学時代は“お医者さん”になりたくて内科を選びました。これも縁だけど、当時東大医学部の教授だった高久史麿先生(注:自治医科大学 前学長)のゼミに参加していて、高久先生の内科にそのまま入っちゃった。ですから、高久先生の専門だった血液の研究が自然な形で始まったんです。

菅谷:臨床をやりながら研究も?

花園:研究もやっていました。昼は患者さんを診て、夜は実験。文字通りナイトサイエンスをやっていた。

科学には、昼の科学と夜の科学があるんですよ。“デイサイエンス”と“ナイトサイエンス”。

こういったiPSの臨床応用というのは、もうデイサイエンスの典型例です。国が莫大な資金を出して、お金の力と人の力にまかせてブルドーザーのように突き進む、というのがデイサイエンス。今流行っているんですよ。

一方、山中先生が作ったiPS細胞というのはナイトサイエンスの典型ですね、きっと。夜、友達とコーヒーを飲みながら、いろいろ喋りながら出てくるんですよ。

しかし、だんだんナイトサイエンスがやりづらくなってきている印象がある。例えば「なるべく残業しないで、9時に来て17時に帰りなさい」とかね。でもノーベル賞をもらうような大きな成果というものは、ほぼナイトサイエンス。デイサイエンスからは出てこない。だからノーベル賞を目指すために国が予算を増やしたところでノーベル賞の受賞は出てこない。僕はデイサイエンスを否定するつもりはないけれど、基礎的な科学の発展というのは、常にナイトサイエンスなんだ、という印象を持ってます。

ナイトサイエンスを進める人がサイエンティスト、デイサイエンスを進める人がリサーチャーって、僕は言ってんだけどね。最近の日本はリサーチャーばかり。リサーチャーは9時〜17時でいいんですよ。でもサイエンティストは、9時〜17時では絶対に育たない。私はそういう風に思ってます。

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