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Episode.4 有効で安全な肥満治療の実現を目指して (6/8)  New

目標はオキトシン投与による肥満治療の実現

小沢:先生の今後の目標は?

矢田:新メンバーが研究室に入ってくれると、2つの目標のどちらかに向かってやろうね、と言っています。1つは新しい発見をして教科書に載るような研究を目指すこと。もう1つは研究成果が病気の成因や治療に結びつく研究を目指すこと。ベーシックに向く人もいればクリニカルに向く人もいるので、感性とモチベーションで決めればいいのです。僕自身は両方追いかけています。欲張りな性格だから(笑)

小沢:形に見える成果を、ということですね。

矢田俊彦教授矢田:僕自身は両方ともが夢です。後者では、肥満の治療薬を世に出せるところまでもっていきたい。

2011年に私達の所を含む4つのラボから、マウスの肥満モデルにオキトシンを末梢から投与すると肥満が改善されるという論文が出ました。そして2013年に、ヒトの臨床試験でオキトシンを点鼻で投与すると肥満、過食が改善するという論文が2つアメリカから出たわけです。これは私達も臨床試験を計画中でしたので非常に残念でしたが、早く進むのは医学の進歩にとってはいいことですね。

一口に肥満といっても、その成因やタイプは様々あります。だから1つの薬が全ての肥満に効くはずがない。ですから、オキトシンについても重要な事は、どんなタイプの肥満に有効なのか、末梢から与えていかなる経路で脳に作用しうるのか、その際いかなる脳内神経回路が作動して食欲を変えるのか、というベーシックなところをきちっと明らかにすることが、確実で安全な治療を実現するためには必須です。それから、オキシトシン末梢投与の研究はこれまで、皮下、点鼻、腹腔内といろんな投与経路を用いて行われてきたので、それらの作用の違いを評価する研究を今マウスでやって、将来の最も有効で副作用の少ない投与方法の確立に繋げたいと考えています。

また、ヒトの肥満のなかでも、どのような食品嗜好性、社会行動、精神的なバックグラウンドがある人に効くのかを臨床研究で明らかにしたいと思っています。

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