緩和ケア認定看護師 岩田 香織
日本では1981年以降、死因の第一位として癌があげられており、現在2人に1人が癌に罹り、3人に1人は癌で亡くなるという時代になっています。そして癌に罹ることにより、患者さんは身体的な苦痛以外にも、心や社会生活、スピリチュアルな面などに多くの苦痛を強いられます。また患者さんを取り囲む御家族なども、同様に様々な苦痛や苦悩を抱えます。
WHO(世界保健機関)は2002年に緩和ケアの定義を、「生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的問題、 心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に発見し、的確なアセスメントと対処(治療・処置)を行うことによって、 苦しみを予防し、和らげることで、クオリティ・オブ・ライフを改善するアプローチである。」と述べています。そしてそれを基本とした入院施設として、緩和ケア病棟があげられます。
現在ホスピス・緩和ケア病棟承認施設は、全国で203施設あり(2010年8月1日現在)、当院でも2007年5月に本館8階南病棟に緩和ケア病棟が開棟されました。病棟は全室個室の18床(有料個室9室、無料個室9室)で、広々としたデイルーム、キッチン、和室、面談室などを備えています。そしてここでは患者さんができる限りその人らしく、御家族との時間を大切に過ごせるよう最善のケアを提供することを目標としています。具体的には、院内の多職種(医師、看護師、臨床心理士、薬剤師、栄養士、ソーシャルワーカーなど)が連携して、症状コントロール、レスパイト、エンドオブライフケア、在宅との連携などを行っています。また私自身も開棟当時から緩和ケア病棟に所属し、2009年に認定看護師を取得後の現在も緩和ケア病棟で勤務しています。主な活動として、緩和ケア病棟に入院している患者さんや御家族に対して、QOLの維持・向上を目指し、根拠に基づいたアセスメント、症状マネジメントを中心に看護実践を行っています。そして患者さんや御家族の日常性や価値観、主体性を大切にし、その人らしく「生きる事」を支えたいと日々勤務しています。
これからも患者さんや御家族にとっての大切な時間に関わらせていただく中で、感謝の気持ちを持ちながら、患者さんや御家族が少しでも穏やかに過ごせるようにお手伝いできればと考えています。