集中ケア認定看護師/急性・重症患者看護専門看護師 茂呂 悦子
当院の集中治療室(ICU)は、日本で最初のClosed ICUであり、集中治療の専従医が当該科の主治医と協働し診療に当たっています。ベッド数は12床あり、小児から高齢者まで年齢や疾患を問わず全ての診療科の患者様が対象となります。私は、2003年に集中ケア認定看護師を取得し、現在、集中治療室で主任看護師として勤務しています。
ICUに入室する患者様は呼吸・循環・代謝など生命を維持していくうえで重要な機能が疾病や手術の影響により一時的に不安定となっているため,注意深い観察と変化を捉えた早期の対応が必要となります。また,人工呼吸器を装着し,言葉を発することができなかったり,意識障害によって意思やつらさを言葉にできなかったりする患者様も少なくありません。そのため,患者様の体験や思いに寄り添う看護も重要となります。さらに,家族はこうした患者様の状態に不安や緊張を感じており、家族自信も体調を崩したり,家族機能が維持できなくなったりする場合があります。
患者様にとって家族の存在はとても安心でき、支えとなります。家族背景が複雑化してきている昨今ですが、この点は変わっていないと感じる場面をしばしば体験します。家族が患者様の支えになれるよう、支援することも私たち看護師の重要な役割です。
こうした看護は、私だけでなく集中治療室の看護師すべてが日々実践しています。私の活動は、スタッフと共に実践し、要望や必要に応じて指導や助言をしたり、役割モデルとなったりすることだと考えています。しかし、私がスタッフに伝えるよりも患者・家族の方々から得る学びの方がはるかに大きいものです。私自身、学びは実践の中にあると常々感じます。
また、私は現在集中治療室以外の活動として、院内人工呼吸管理安全対策チームに参加させていただいています。チーム内では週1回の巡視や勉強会の企画・運営が主な役割です。この活動には、集中治療室の医師と医療安全対策部の看護師長、臨床工学技師、理学療法士、感染看護の認定看護師、呼吸療法士をもっている集中治療室の看護師などが参加しており、年々大所帯となっています。
巡視は一般病棟で人工呼吸管理受けている患者様のところへ行き、担当看護師や主治医からの相談を受けたり、管理状態を観察したりしています。まだまだ、発展途上ではありますが、この活動では多職種協働の重要性や力強さを痛感しています。そして、今年度からは活動の一部が診療報酬として認められたため、活動の成果を明確化していくことが来年以降の課題です。最後に、私が最も関心をもって取り組みたいと考えているのがせん妄ケアです。せん妄は重症な患者様だけでなく、疾患や急性期、終末期などの病期を問わず見られる認知機能の障害で患者・家族に苦痛をもたらします。また、看護にも困難な状況を引き起こします。そのため、院内でのケアシステムが必要だと考えています。今はまだ、集中治療室内での看護に留まっていますが、いつか、退室後も継続して看護できるように活動範囲を広げていければよいなと考えています。