摂食・嚥下障害認定看護師 戸田 浩司
食べることには、「栄養を体に取り入れ生命を維持する事」・「活動するためのエネルギーを得る事」・「味を楽しみ、人との交流を楽しむことなど生活のQOLを保つ事」の大きく3つの意義があります。いずれも人間らしく生きる為には大切なことです。
しかし、医療の現場では、疾病など様々な原因により食べる・飲み込むことが上手く出来なくなるなど摂食・嚥下障害で苦しんでいる方は多く、誤嚥の危険・脱水・栄養障害とともに、食べる楽しみが失われている状況が存在しています。地上にいながらにして溺れる、食べ物があるのに痩せ衰える。食という喜びが恐怖へと変わってしまうこの障害を持つ方は決して少なくありません。摂食・嚥下障害の方たちに、食べる楽しみを取り戻してもらうためには、危険を知り、正しい知識と技術を身につけて、慎重に関わる必要があります。『口から食べられない患者さんをゼロにしたい!』という思いで、私は2010年に摂食・嚥下障害看護認定看護師を取得し、現在、所属病棟(脳神経外科病棟)を中心に認定活動を行っています。
そもそも『ちゃんと飲めている』というのは何で判断できるのでしょうか?喉の中は見えない...だから厄介なわけです。嚥下障害の症状は、「ちょっと咽てしまう」から「食べ物を飲み込むことが出来ない」など人それぞれ異なりますので、経口摂取開始時期や食事の選択が適切に行われないと、誤嚥性肺炎を引き起こし、病状の悪化を招くことになってしまいます。私は施設の中で、そういった摂食・嚥下障害を持つ患者さんに対して嚥下の初期評価を行い、安全に食事を提供できるための食事形態や食事介助の方法について提案し、実践しています。また、当院の嚥下・口腔ケアチームやNSTとのチーム医療を通して、院内に摂食・嚥下リハビリテーションの輪を広げています。
嚥下障害があっても、患者様が早い時期に満足できる食事が出来、元気になって退院できるよう、今後も活動していきたいと思います。