救急救命センター[アニュアルレポート]

1.スタッフ(平成29年4月1日現在)

センター長 (教授) 間藤 卓
副センター長 (学内教授) 山下 圭輔
外来医長 (病院助教) 富永 経一郎
病棟医長 (講師) 米川 力
助教   太田 真
臨床助教   山黒 友丘
渡邉 伸貴
新庄 貴文

2.救命救急センターの特徴

施設認定

日本救急医学会専門医認定施設
日本呼吸療法医学会専門医認定施設

専門医

日本救急医学会指導医 間藤  卓
日本救急医学会専門医 山下 圭輔 他3名
日本集中治療医学会専門医 間藤  卓
日本外科学会専門医 山下 圭輔 他2名
日本内科学会専門医 米川  力

自治医科大学救命救急センターは2002年9月1日に県内5番目の救命救急センターとして認可された。救命救急センターではあるが、その立地条件やこれまでの経験から、救命救急センターのスタッフだけではなく、病院全体で救急患者を診療する体制を作り、患者の診療を拒否することなく、地域の基幹病院としての役割を果たしながら救命救急センターの運営を目指していることが特徴である。救命救急センターは、固有のスタッフと各診療科の密接な協力の下で中央部門として運営されており、全学の委員からなる救命救急センター運営委員会がその内容をチェックする機構になっている。

夜間休日の診療は、救命救急センタースタッフ1~2名と、外科系・内科系の救命センター当直2~3名とがレジデント5~6名と共に救急患者の窓口として当直として勤務している。救急車については救命救急センターのスタッフが主に対応し、その他の患者は他のセンター当直が対応することとなっている。そのほかに、病院全体で20名近くの各科の当直・宅直が勤務しているので、必要に応じてこれらの医師と連携し、夜間休日といえども高度な医療を提供できる体制を整えている。

自治医科大学の救命救急センターは、救急車の対応の多くを救命救急センターのスタッフが担当していることも特徴の一つである。救急車すべてが三次救急患者であるとは限らず、そのような場合は救命救急センターで診るべきではないとの考え方もあるものの、地域的な医療体制を考えると、たとえ結果として軽症であったとしても初診は救命救急センターのスタッフが行い、必要に応じて各科に割り振ってスムーズな診療を行うことが必要と考えているからである。一方で全国的に、ER(欧米型救急外来システム)と言われる外来窓口すべてを救急専門医が行い、後は各診療科で入院させるようなシステ ムも発展してきているが、自治医科大学の救命救急センターはERも視野に入れつつ、これまでのように病棟も持っている救命救急センターであるといえる。

救命救急センターへの救急患者の集中は全国的な傾向である。患者の大病院志向、一次救急を診る診療所の減少、二次救急施設の疲弊、などいろいろな理由が考えられているが、残念ながら本来の大学病院、本来の救命救急センターとしての機能が十分に発揮できないところまで来てしまっている。最近は救急車の集中や手術室の空き状況などにより、搬送依頼を断らざるを得ない状況が見られるようになってきている。

これに対して自治医大としては、地域の医師会、二次医療機関、消防機関、行政との連携をはかり、メディカルコントロール(MC)体制を確立することを積極的に推進してきた。そして初期救急医療施設が周辺の医師会の主導で設立されるとともに、二次・三次医療機関への軽症患者の減少につながり、本来の二次・三次医療機関の役割が果たせるようになってきた。この流れが、最近の救急患者総数の減少、入院数の増加、軽症救急車搬送数の減少、そして入院率の増加につながっているものと考える(図)

本来、救急医療は、一病院、一救命救急センターだけで行うものではなく、救命救急センター、二次医療機関、初期医療機関、救急搬送機関、医師会、行政、地域の住民が一体となってシステムとして作り上げるものである。それを各医療機関、各機関がそれぞれで独自の対応をしてきてしまっていたのが現在の救急医療の大きな問題点であると考えられる。そこで、自治医科大学救命救急センターの大学側の母体となる救急医学講座に臨床救急部門のほかに、救急システム部門を新設し、地域の救急医療システム(MCシステム)を作り上げていくことを通して、救命救急センターの運営を行おうとしていることがもう一つの特長であると考えている。

3.実績・クリニカルインディケーター

図に示すとおりで、救急患者数は過去10数年にわたって増加の一途であったが、この数年は横ばいから明らかに減少傾向になった。その取り組みについては、上記のとおりである。

平成28年では、15,238人が救急患者として来院したが、そのうち入院したのは4,760人であった。全体の入院率は約31.2%で前年比1.7%の増である。救急車搬送数は4,327台であり、しだいに本来あるべき救命救急センターの形に近づいていっていると考えられる。

入院患者は、外傷(頭部外傷、胸部外傷、腹部外傷、四肢外傷、脊髄・脊髄損傷、多発外傷など)、熱傷、中毒(医薬品、農薬等)、内因性疾患(脳梗塞、脳出血、心筋梗塞、血気胸、肺炎、消化管穿孔、敗血症、不明熱、肝膿瘍、イレウス、アナフィラキシー、ショック、蘇生後脳症など)、など多岐にわたっている。他の診療科と共同で診療に当たることも多く、救命救急センターから他科へ転科することも多い。

なお、厚生労働省の救命救急センター評価においては、設立以来Aクラスである。

また、平成22年1月12日よりドクターカーの運行を開始した。

国・県では、いわゆる救急車「たらい回し」(搬送困難事例)を減らすために、救急車搬送基準を策定し、平成22年から運用している。栃木全体では、重症以上の傷病者で病院選定に4回以上、あるいは現場滞在30分以上かかった搬送困難事例が、平成20年から26年まで7連続で全国平均を上回り、改善が急務であった。自治医科大学救命救急センターが管轄する小山・芳賀地区においては、このような状況を回避するために、地区の救急医療協議会や消防などと協議し、入院の必要な患者がたらい回しにならないように、他の病院で受け入れ難い場合には、重症度にかかわらず自治医科大学の救命救急センターでとりあえず引き受けるという方針を立てて搬送困難の削減に努めてきた。さらに平成24年からは搬送困難症例の全例検証を行い、これらの割合を全国平均以下に維持しているが、このような取り組みを全県的なものとするために栃木県MC協議会に働きかけをするなどの活動を行った結果、国が統計を取り始めてから初めて、現場滞在30分以上の搬送困難事例を県全体としても国の平均以下にすることができた。このような活動も自治医科大学救命救急センターの大きな役割である。

4.2017年の目標・事業計画等

今後も変わりゆく救急の需要に対応すること。全国的な立場で救急医学をリードすること。さらにそうしつつも、栃木県にある自治医科大学としてのあるべき救急医療の姿を求めることなどを課題として、新たな県、国、それぞれのレベルに於いて救急医療体制の中心的な役割を果たしていくのが、われわれの使命と考えている。

救急患者統計

  H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12
救急患者数(人) 11,091 12,239 15,939 17,913 20,596 20,657 21,155
救急患者数
(即入院以外)(人)
9,813 10,863 14,092 15,725 18,063 17,886 18,233
即入院患者数 (人) 1,278 1,376 1,847 2,188 2,533 2,771 2,922
即入院率 (%) 11.5 11.2 11.6 12.2 12.3 13.4 13.8
救急車搬送数 (件) 826 881 1,205 1,379 1,824 2,170 2,351
  H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19
救急患者数(人) 24,098 29,612 33,913 35,339 35,606 34,593 32,620
救急患者数
(即入院以外)(人)
20,960 25,263 28,958 30,432 30,581 29,683 27,401
即入院患者数 (人) 3,138 4,349 4,955 4,907 5,025 4,910 5,219
即入院率 (%) 13.0 14.7 14.6 13.9 14.1 14.2 16.0
救急車搬送数 (件) 2,798 4,490 5,158 5,136 4,970 4,649 4,515
  H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26
救急患者数(人) 25,458 23,599 22,682 22,434 20,986 20,131 19,025
救急患者数
(即入院以外)(人)
20,400 18,438 17,046 16,798 15,368 14,803 13,802
即入院患者数 (人) 5,058 5,161 5,636 5,636 5,618 5,328 5,223
即入院率 (%) 19.9 21.9 24.8 25.1 26.8 26.5 27.5
救急車搬送数 (件) 4,383 4,563 5,225 5,577 5,573 4,953 4,912
  H27 H28
救急患者数(人) 16,858 15,238
救急患者数
(即入院以外)(人)
11,885 10,478
即入院患者数 (人) 4,973 4,760
即入院率 (%) 29.5 31.2
救急車搬送数 (件) 4,489 4,327

注1)平成13年度までは、診療時間外に限った統計である。
注2)即入院患者数は、救急患者数の内数である。

救急患者数、入院率推移

5.過去実績

2015年アニュアルレポート

2014年アニュアルレポート

2013年アニュアルレポート

2012年アニュアルレポート

2011年アニュアルレポート

2010年アニュアルレポート

2009年アニュアルレポート

2008年アニュアルレポート

自治医科大学附属病院

〒329-0498 栃木県下野市薬師寺3311-1

地図

お問合わせ電話番号

0285-44-2111(代)

ページトップへ