| センター長 | (教授) | 鈴川 正之 |
|---|---|---|
| 副センター長 | (准教授) | 加藤 正哉 |
| 外来医長 | (准教授) | 山下 圭輔 |
| 病棟医長 | (助教) | 米川 力 |
| 医員 | (准教授) | 長嶺 伸彦 |
| (助教) | 阿野 正樹 | |
| 伊澤 祥光 | ||
| 病院助教 | 泉 学 | |
| 太田 英孝 |
日本救急医学会専門医認定施設
| 日本救急医学会指導医 | 加藤 正哉 |
|---|---|
| 日本救急医学会専門医 | 鈴川 正之 他 4名 |
| 日本集中治療医学会専門医 | 鈴川 正之 |
| 日本呼吸療法医学会専門医 | 鈴川 正之 |
| 日本脳外科学会専門医 | 加藤 正哉 |
| 日本外科学会専門医 | 山下 圭輔 他 1名 |
| 日本内科学会専門医 | 長嶺 伸彦 他 3名 |
自治医科大学救命救急センターは2002年9月1日に県内5番目の救命救急センターとして認可された。救命救急センターではあるが、その立地条件やこれまでの経験から、救命救急センターのスタッフだけではなく、病院全体で救急患者を診療する体制を作り、患者の診療を拒否することなく、地域の基幹病院としての役割を果たしながら救命救急センターの運営を目指していることが特徴である。救命救急センターは、固有のスタッフと各診療科の密接な協力の下で中央部門として運営されており、全学の委員からなる救命救急センター運営委員会がその内容をチェックする機構になっている。
夜間休日の診療は、救命救急センタースタッフ1~2名と、外科系・内科系のスタッフ2~3名とがレジデントと共に救急患者の窓口として当直として勤務している。救急車については救命救急センターのスタッフが主に対応し、その他の患者は他の窓口当直が対応することとなっている。そのほかに、病院全体で20名以上の各科の当直が勤務しているので、必要に応じてこれらの医師と連携し、夜間休日といえども高度な医療を提供できる体制を整えている。
自治医科大学の救命救急センターは、救急車の対応をすべて救命救急センターのスタッフが担当していることも特徴の一つである。救急車すべてが三次救急患者であるとは限らず、そのような場合は救命救急センターで診るべきではないとの考え方も都会の救命救急センターではあるものの、地域的な医療体制を考えると、たとえ結果として軽症であったとしても初診は救命救急センターのスタッフが行い、必要に応じて各科に割り振ってスムーズな診療を行うことが必要と考えているからである。一方で全国的に、ER(欧米型救急外来システム)と言われる外来窓口すべてを救急専門医が行い、後は各診療科で入院させるようなシステムも発展してきているが、自治医科大学の救命救急センターはERも視野に入れつつ、これまでのように病棟も持っている救命救急センターであるといえる。
救命救急センターへの救急患者の集中は全国的な傾向である。患者の大病院志向、一次救急を診る診療所の減少、二次救急施設の疲弊、などいろいろな理由が考えられているが、残念ながら本来の大学病院、本来の救命救急センターとしての機能が十分に発揮できないところまで来てしまっている。最近は救急車の集中や手術室の空き状況などにより、搬送依頼を断らざるを得ない状況が見られるようになってきている。
これに対して自治医大としては、地域の医師会、二次医療機関、消防機関、行政との連携をはかり、メディカルコントロール体制を確立することを積極的に推進してきた。そして初期救急医療施設が周辺の医師会の主導で設立されるとともに、二次・三次医療機関への軽症患者の減少につながり、本来の二次・三次医療機関の役割が果たせるようになってきた。この流れが、最近の救急患者総数の減少、入院数の増加、救急車搬送数の増加、そして入院率の増加につながっているものと考える(図)。しかし、現実には栃木県全体では受入不能の救急患者が多数存在することも事実であり、県全体、国全体で救急医療対策を行わなければ解決できないところまで来ているのは間違いない。
本来、救急医療は、一病院、一救命救急センターだけで行うものではなく、救命救急センター、二次医療機関、一次医療機関、救急搬送機関、医師会、行政、地域の住民が一体となってシステムとして作り上げるものである。それを各医療機関、各機関がそれぞれで独自の対応をしてきてしまっていたのが現在の救急医療の大きな問題点であると考えられる。そこで、自治医科大学救命救急センターの大学側の母体となる救急医学講座に臨床救急部門のほかに、救急システム部門を新設し、地域の救急医療システムを作り上げていくことを通して、救命救急センターの運営を行おうとしていることがもう一つの特長であると考えている。
図に示すとおりで、救急患者数は過去10数年にわたって増加の一途であったが、この数年は横ばいから明らかに減少傾向になった。その取り組みについては、上記のとおりである。
平成22年では、22,682人(前年23,599人)が救急患者として来院したが、そのうち入院したのは5,636人(前年5,161人)であった。全体の入院率は約25%(前年22%)である。救急車搬送数は5,225台(前年4,563台)で、前年より大巾に増加している。しだいに本来あるべき救命救急センターの形に近づいていっていると考えられる。
入院患者は、外傷(頭部外傷、胸部外傷、腹部外傷、四肢外傷、脊髄・脊髄損傷、多発外傷など)、熱傷、中毒(医薬品、農薬等)、内因性疾患(脳梗塞、脳出血、心筋梗塞、血気胸、肺炎、消化管穿孔、敗血症、不明熱、肝膿瘍、イレウス、アナフィラキシー、ショック、蘇生後脳症など)、など多岐にわたっている。他の診療科と共同で診療に当たることも多く、救命救急センターから他科へ転科することも多い。
なお、厚生労働省の救命救急センター評価においては、設立以来Aクラスである。
また、平成22年1月12日よりドクターカーの運行を開始した。
| H6 | H7 | H8 | H9 | H10 | H11 | H12 | H13 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 救急 患者数(人) |
11,091 | 12,239 | 15,939 | 17,913 | 20,596 | 20,657 | 21,155 | 24,098 |
| 即入院 患者数(人) |
1,278 | 1,376 | 1,847 | 2,188 | 2,533 | 2,771 | 2,922 | 3,138 |
| 即入院 率(%) |
11.5 | 11.2 | 11.6 | 12.2 | 12.3 | 13.4 | 13.8 | 13.0 |
| 救急車 搬送数(件) |
826 | 881 | 1,205 | 1,379 | 1,824 | 2,170 | 2,351 | 2,798 |
| H14 | H15 | H16 | H17 | H18 | H19 | H20 | H21 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 救急 患者数(人) |
29,612 | 33,913 | 35,339 | 35,606 | 34,593 | 32,620 | 25,458 | 23,599 |
| 即入院 患者数(人) |
4,349 | 4,955 | 4,907 | 5,025 | 4,910 | 5,219 | 5,058 | 5,161 |
| 即入院 率(%) |
14.7 | 14.6 | 13.9 | 14.1 | 14.2 | 16.0 | 19.9 | 21.9 |
| 救急車 搬送数(件) |
4,490 | 5,158 | 5,136 | 4,970 | 4,649 | 4,515 | 4,383 | 4,563 |
| H22 | ||
|---|---|---|
| 救急 患者数(人) |
22,682 | |
| 即入院 患者数(人) |
5,636 | |
| 即入院 率(%) |
24.8 | |
| 救急車 搬送数(件) |
5,225 |
注1)平成13年度までは、診療時間外に限った統計である。
注2)即入院患者数は、救急患者数の内数である。

今後も、院内各診療科と連携を強く持っていくと同時に、栃木県という場所にある自治医科大学のあるべき救急医療の姿を求めつつ、新たな救急医療体制の中心的な役割を果たしていくのが、われわれに課された課題であると考えている。