臨床検査部[アニュアルレポート]

1.スタッフ(平成22年4月1日)

部長 (教授) 谷口 信行  
副部長 (教授) 山田 俊幸  
医員 (医師) 准教授 紺野  啓
講師 藤井 康友
小谷 和彦
助教 鯉渕 晴美
小形 幸子
病院助教 松永 宏明
中澤 晶子
非常勤医員 2名
兼務医員 5名
技師長 (技師) 嶋田 勇  
副技師長 (技師) 秋葉 新  
芳賀 徹  
橋本 好一  
筑後 史子  
技師配置 検体・生理検査 77名
検診センター 4名
不妊センター 2名
とちぎ子ども医療センター 6名

2.臨床検査部の特徴

自治医大附属病院の特徴は、自治医科大学の建学の理念を実現するために、地域の診療に従事する医師を養成する臨床の場としての役割を担う点である。一方、地域の高度な医療施設としての役割も果たしている。従って、臨床検査部門は、臨床検査医学と一体になり、自治医科大学附属病院が質の高い医療レベルを維持・遂行するために貢献することを使命としている。臨床検査部は、昭和49年4月以来35年間以上にわたって活動してきたが、病院のリニューアルに伴い、平成17年度には検体部門が、平成19年度中には生理機能部門が旧手術室跡地に移転した。
検体検査部門の業務は採血収集、一般、血液、臨床化学、血清、遺伝子、細菌などに分けられ、生理機能検査部門は循環器、脳神経、呼吸器、超音波に分けられる。
また、新棟や子ども医療センターにはサテライトの検査室があり、各々に技師を配置し検査を行っている。
その一方で、さいたま医療センターとの連携を積極的に図り、部長・技師長による連絡会議を2ヶ月に1度開催し、両病院の情報の共有に努めるとともに、技師の人事交流を継続している。
病院の臨床検査部門で行うことのできる専門医の研修は、臨床検査医学会認定の臨床検査専門医の認定、超音波医学会認定の超音波専門医の認定であり、複数の臨床検査部医師は両学会の専門医を取得し、若い医師を指導している。また、超音波医学会が行う検査技師の超音波検査士認定施設の認定も取得しており、現在8名の超音波検査士が認定されている。また、超音波専門医、超音波検査士が医師、技師の育成にあたっている。

3.実績・クリニカルインディケーター

1)診療実績

臨床検査部の診療は、検体検査部門と生理機能検査部門の2部門に分けられる。検体検査は、尿、血液などの分析により、血液尿一般、化学、血清、免疫、遺伝子などの検査を行う。生理機能検査は電気、音、振動などの生体信号または体外からの信号送信により得られた信号を解析することで、心電図、脳波・筋電図、呼吸機能、超音波検査を行い、直接患者の病態を把握するものである。
平成21年の1年間では入院、外来の検体検査、生理機能検査を合計して、518万件におよぶ検査を行った。
新たな検査の導入は、これまで担当していた臨床検査運営査委員会に代わり、平成20年度に発展的に改組した臨床検査運営委員会で検討し、そこで承認を受けたものを採用している。臨床検査は、本館1階の旧手術室跡地の検査部門と新棟のサテライト検査室、とちぎ子ども医療センター、健診センターの検査室、不妊治療部、耳鼻科外来などでも行っており、各所に臨床検査技師を出向させている。採血は、現在1階の検査室と2階の内科外来で行っている。学生実習では、4年生のBSLにおいて、病院検査の説明、検体の準備などについて医師だけなく検査技師によるサポートも行われている。臨床検査部の医師は、それぞれの専門分野で活躍するとともに、各科の医師と連絡を取りながら、検査を円滑に行うためにアドバイスを行っている。新たな検査法の導入、開発はもちろんのこと、学生や研修医教育にも積極的に関わり、検査法の改善、精度管理を行うことで、最新の検査室活動を進めている。臨床検査部をローテートする研修医は常時2-3名程度いるが、その多くは超音波検査の研修をおこなっている。検査の中で、免疫電気泳動、骨髄像、超音波診断、肺機能検査、負荷心電図、ホルター心電図、脳波や筋電図の実施判読などの高度な判断が必要な検査については、検査部に関連する医師が直接の検査実施や報告書の作成を行っている。また、検査部の医師は、臨床検査運営委員会、院内感染対策委員会、HIV感染対策委員会、ICT、MRSA委員会、安全対策委員会、リニューアル委員会などの多くの院内委員会において活躍している。検査部の技師は、病院の検査の精度管理の一環として、栃木県の精度管理委員会にも協力している。また、細菌検査室の技師は、院内の感染症関連の部門に結果を連絡するとともに、その委員としても参加している。
なお、本院職員に臨床検査の情報を伝え、連絡事項などを迅速に連絡するため毎月「ラボニュース」を発刊している。

2)2009年臨床検査部検査件数(2009;1月~12月)

 区分入院外来合計
検体検査 一般検査 114,830 153,733 268,563
血液検査 361,114 418,978 780,092
血清検査 77,797 248,695 326,492
採血室 10 352 362
化学検査 1,367,705 2,258,752 3,626,457
遺伝子検査 466 2,934 3,400
細菌検査 73,262 36,882 110,144
合計 1,995,184 3,120,326 5,115,510
生理機能検査 循環器検査 10,233 21,235 31,468
脳神経系検査 1,984 3,151 5,135
超音波検査 3,873 10,089 13,962
肺機能検査 2,948 10,546 13,494
合計 19,038 45,021 64,059
総合計 2,014,222 3,165,347 5,179,569

3)先進医療の実績

遺伝子検査は、PCRの導入後その需要は増加し、結核、MRSAなどの感染症に対応した検査施設として構築中である。超音波検査は、日本でも代表的施設となっており、超音波の臨床的有用性に関する研究、音響組織特性に関する研究、超音波造影剤を用いた研究、超音波ドプラ法の新たな利用法、探触子と感染症媒介の可能性、末梢血管の硬さについての研究をおこなっている。

4)今後の課題

最近の診療報酬の見直しにより、既存の臨床検査項目に対する点数が減少している。これには、検査法の見直し、検体検査管理料加算のような新たな検査法の導入、試薬の効率的運用などの経営努力により対応しており、今後も努力を続けてゆく。なお、臨床検査にとってその精度は最も根幹になるものであるのと、大学の附属病院であることを考慮し、今後とも、内部での検査実施に重点をおいてゆく。

4.事業計画・来年の目標等

病院検査業務については、精度を保つことを前提に効率的かつ円滑に運営を行う。精度を担保するために、従来通り外部精度管理は、これまでと同様CAP、日本医師会、日本臨床検査技師会、栃木県などで行う。新規検査の導入、病院での採血業務の支援、大学での研究支援などについても従来通り継続して行う。
内部の研修事業として、検査データの判読、エコーカンファレンス、文献紹介などを行った。

5.過去実績

2008年アニュアルレポート.pdf

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