スタッフ紹介

教授 布宮 伸 部長 日本集中治療医学会専門医,日本麻酔科学会指導医,
日本呼吸療法医学会専門医,
European Society of Intensive Care Medicine, International member
講師 小山 寛介 副部長 日本集中治療医学会専門医,日本内科学会総合内科専門医,
麻酔科標榜医
病院講師 鯉沼 俊貴 病棟医長 日本集中治療医学会専門医,日本麻酔科学会専門医,
日本呼吸療法医学会専門医
助教 方山 真朱 医員 日本集中治療医学会専門医,日本救急医学会専門医,
日本内科学会総合内科専門医,日本呼吸療法医学会専門医
助教 藤内 研 医員 日本呼吸器学会専門医
臨床助教 島 惇 医員 日本麻酔科学会認定医
非常勤講師 窪田 達也 名誉教授
非常勤講師 大竹 一栄 客員教授
副手 名本 和子

教室活動(臨床)

当院の集中治療部は本邦でも数少ない、closed-ICUとして約40年以上の歴史があります。年間およそ1,000名の患者を収容し、関連各科と連携しながら、ICU専従医による高い専門性を保った治療を行っています。General ICUですが、ERやCCUと密に協力し合い、院外の救急患者、院内の重症患者を含め、重症敗血症、重症呼吸不全、重症心不全、高度侵襲手術術後、臓器移植術後、急性脳症、重症外傷など様々な疾患の治療にあたっています。特に敗血症患者は年間およそ200名近く入室し、その生存率は80%を超えています。 敗血症治療や人工呼吸管理、鎮静・鎮痛管理、腎代替療法、呼吸不全・循環不全に対するECMO(体外式膜型人工肺)、低心拍出量症候群に対するVAD(補助人工心臓)など昨今の集中治療の進歩は目覚ましく、重症患者の予後改善のため世界標準、最先端の医療を提供しています。患者管理に関しては、他科からも厚い信頼を得ており、生命の危機にある患者にとって院内最後の砦「Hospital in hospital」として重積を担っています。

集中治療部の臨床上で取り組んでいる特徴として、以下の点が挙げられます。

  • severe ARDSに対する経肺圧を用いた人工呼吸管理
  • 人工呼吸器の自動化 (INTELLiVENT-ASV)
  • ECMO導入が困難な症例にsevere ARDSに対する呼吸管理戦略の構築
  • 最先端のECMO機器含めた管理
  • 詳細な血管内皮機能や凝固能を評価した敗血症管理
  • 全ての患者に対するせん妄の評価ならびに治療
  • 看護師主導の鎮痛・鎮静プロトコルの導入
  • 麻酔、内科、救急など多彩なバックグラウンドを有するスタッフによる管理

特に、多彩なバックグラウンドを有するスタッフが在籍していることは、closed-ICUを運営していく上で、非常に重要です。日々の診療で様々な角度からアセスメントを行うことで、患者さんにとって常に最適な治療を行えるように務めています。しかし、このような多彩なバックグラウンドを有するスタッフが在籍するclosed-ICUは本邦では少ないのが現状です。当院集中治療部は、将来集中治療医を目指す医師にとって、最適な施設環境と診療体制が整っている数少ない大学病院と考えております。

教室活動(教育)

当院の集中治療部の教育上の特徴として、以下の点が挙げられます。

  • ジュニアレジデント(卒後2年目)のほとんどがICUローテーションを行う
  • 麻酔科シニアレジデントが3ヶ月単位でローテーションを行う
  • 他シニアレジデントも希望により1ヶ月単位でローテーションが可能
  • 医学生(5年性)が全員1週間集中治療部で研修を行う

若手医師に対して、最新の集中治療領域の教育を行うことは、若手医師はもちろん、病院にとっても大きな財産になります。一方、私たちスタッフにとっても、教えることを通じて多くのことを学ぶことができます。そのため、私たちは積極的に若手医師に対する教育を行なっています。この活動は卒後臨床研修センターからも高く評価されており、毎年当教室のスタッフが優秀指導医賞を受賞するなど、教育熱心なスタッフが揃っています。
また、5年目の医学生が実習に来ることも当教室の特徴的です。医学生の視点から集中治療部での医療を学ぶことは、臓器別の講義では得られない、横断的な教育を受けることができ、臨床の奥深さを実感することが可能となります。医学生に対して連日スタッフによるクルズス(人工呼吸器の理論・実践、モニターのメカニズム、重症患者のアセスメントなど)が行われます。医学生からのアンケートでも、集中治療部における実習は臓器別の講義に比べて非常に臨床的で有益であったとの意見が多数得られています。将来地域の医療を担う医学生に対して、”重症患者を診るためにはどうしたらよいか”、という視点から教育することも、私たちにとって重要な役目になります。

教室活動(研究)

当教室では、多施設研究をはじめ、多くの臨床研究を行なっています。特に当教室の布宮教授は日本集中治療医学会 CTG委員会の委員長を務めており、積極的に臨床研究を行う風潮が当教室にはあります。
今までに以下の研究を実施済みならびに実施中です。


多施設研究

  • JAKID (the Japan Acute Kidney Injury Database)
  • DIANA study (DetermInants of Antimicrobial use aNd de-escalAtion in critical care)
  • AFTER study(重症患者の新規心房細動に関する多施設レジストリ)
  • WEAN SAFE study (WorldwideE AssessmeNt of Separation of pAtients From ventilator assistancE)
  • EPIC III study (European Prevalence of Infection in Intensive Care) LUNG-SAFE study
  • ICUにおける緊急化学療法の予後を予測する因子の検証:後方視的研究
  • 重症急性膵炎に対する膵局所動注療法の効果

単施設研究

  • 血管内皮傷害がもたらす各臓器障害のメカニズムの解明
  • 敗血症における凝固障害と血小板機能の解明
  • 人工呼吸器G5の情報精度の検証
  • 様々な病態に対するINTELLiVENT-ASVの有用性検証
  • スボレキサントのせん妄予防に対する効果
  • スマート・モニターの開発
  • 過去6年間に入室した敗血症患者のデータベース構築

臨床研究に関する情報公開

主な教室業績

2016年度

  • Muronoi T, Koyama K, Nunomiya S, Lefor AK, Wada M, Koinuma T, Shima J, Suzukawa M: Immature platelet fraction predicts coagulopathy-related platelet consumption and mortality in patients with sepsis. Tromb Res 144: 169-175, 2016.
  • Katayama S, Uchino S, Uji M, Ohnuma T, Namba Y, Kawarazaki H, Toki N, Takeda K, Yasuda H, Izawa J, Tokuhira N, Nagata I; Japanese Society of Education for Physicians and Trainees in Intensive Care (JSEPTIC) Clinical Trial Group: Factors predicting successful discontinuation of continuous renal replacement therapy. Anaesth Intensive Care 44: 453-457, 2016.
  • 方山真朱,布宮 伸,和田政彦,小山寛介,鯉沼俊貴,後藤祐也,藤内 研:敗血症性ショックに対するECMOでは,導入時に右心機能を評価し,離脱までのロードマップを作成するべきである.Shock 31: 29, 2016.

2015年度

  • Nagata I., Uchino S., Tokuhira N., Ohnuma T., Namba Y., Katayama S., Kawarazaki H., Toki N., Takeda K., Yasuda H., Izawa J., Uji M.; for JSEPTIC(Japanese Society for Physicians Trainees in Intensive Care)Clinical Trial Group: Sepsis may not be a risk factor for mortality in patients with acute kidney injury treated with continuous renal replacement therapy. J Crit Care 30: 998-1002, 2015.
  • Ohnuma T., Uchino S., Toki N., Takeda K., Namba Y., Katayama S., Kawarazaki H., Yasuda H., Izawa J., Uji M., Tokuhira N., Nagata I.; JSEPTIC(Japanese Society for Physicians and Trainees in Intensive Care)Clinical Trial Group: External Validation for Acute Kidney Injury Severity Scores: A Multicenter Retrospective Study in 14 Japanese ICUs. Am J Nephrol 42: 57-64, 2015.
  • Muronoi T., Koyama K., Nunomiya S., Wada M., Koinuma T., Shima J., Suzukawa M.: Increased immature platelet fraction reflects increased platelet production and coagulopathy- related platelet consumption in patients with sepsis. The 12th Congress of the World Federation of Societies of Intensive and Critical Care Medicine, Seoul, 2015.8.31(J Crit Care 30: s848, 2015)12th WFSICCM, Young Investigator Award
  • 日本集中治療医学会J-PADガイドライン作成委員会.布宮 伸,西 信一,吹田奈津子,行岡秀和,植村 桜,三浦幹剛,今中翔一,鶴田良介,古賀雄二,茂呂悦子,神津 玲,長谷川隆一.日本版・集中治療室における成人重症患者に対する痛み・不穏・せん妄管理のための臨床ガイドライン.総合医学社.東京.2015.

2014年度

  • Koyama K, Madoiwa S, Nunomiya S., Koinuma T., Wada M., Sakata A., Ohmori T., Mimuro J., Sakata Y.: Combination of thrombin-antithrombin complex, plasminogen activator inhibitor-1, and protein C activity for early identification of severe coagulopathy in initial phase of sepsis: a prospective observational study. Crit Care 18: R13, 2014.
  • Tsuruta R., Oda Y., Shintani A., Nunomiya S., Hashimoto S., Nakagawa T., Oida Y., Miyazaki D., Yabe S.: Japanese Epidemiology of Delirium in ICUs (JEDI) Study Investigators: Delirium and coma evaluated in mechanically ventilated patients in the intensive care unit in Japan: a multi-institutional prospective observational study. J Crit Care 29: 472.e1-472.e5, 2014.
  • Koinuma T., Nunomiya S., Wada M., Koyama K., Suzuki T.: Concurrent treatment with a tumor necrosis factor-alpha inhibitor and veno-venous extracorporeal membrane oxygenation in a post-hematopoietic stem cell transplant patient with idiopathic pneumonia syndrome: a case report. J Intensive Care 2: 48, 2014.
  • 神山淳子,布宮 伸,茂呂悦子,宮沢玲子,小曽根佳枝,荒井和美,関根利恵,鯉沼俊貴:一般病棟を対象とした人工呼吸管理サポートチームの過去5年間の活動成果から見た今後の課題と対応.人工呼吸 31: 187-193, 2014.
  • 三澤和秀,布宮 伸:非侵襲的人工呼吸(NPPV)の適応とセッティング.人工呼吸器と集中ケアQ&A.第2版.10-17, 2014.
  • 日本集中治療医学会J-PADガイドライン作成委員会.布宮 伸,西 信一,吹田奈津子,行岡秀和,植村 桜,三浦幹剛,今中翔一,鶴田良介,古賀雄二,茂呂悦子,神津 玲,長谷川隆一.日本版・集中治療室における成人重症患者に対する痛み・不穏・せん妄管理のための臨床ガイドライン.日集中医誌 21(5): 539-579, 2014.

2013年度

  • Koyama K, Madoiwa S, Tanaka S, Koinuma T, Wada M, Sakata A, Ohmori T, Mimuro J, Nunomiya S, Sakata Y: Evaluation of hemostatic biomarker abnormalities that precede platelet count decline in critically ill patients with sepsis. J Crit Care 28: 556-563, 2013.
  • Hosoya Y, Matsumura M, Madoiwa S, Zuiki T, Matsumoto S, Nunomiya S, Lefor A, Sata N, Yasuda Y: Acquired hemophilia A caused by factor VIII inhibitors: report of a case. Surg Today 43: 670-674, 2013.
  • 鯉沼俊貴,布宮 伸,和田政彦,田中進一郎,小山寛介:気管食道瘻を合併した神経因性食思不振症に対して約3年後に根治的瘻孔閉鎖を施行した1例.日集中医誌 20:56-60,2013.
  • 布宮 伸,小山寛介:重症患者の輸液管理.集中治療専門医テキスト.日本集中治療医学会(編),総合医学社.2013,163-174.
  • 日本集中治療医学会Sepsis Registry委員会.織田成人,相引眞幸,池田寿昭,今泉 均,遠藤重厚,落合亮一,小谷穣治,志馬伸朗,西田 修,野口隆之,松田直之,平澤博之,秋富慎司,安宅一晃,井上茂亮,氏家良人,江木盛時,垣花泰之,後藤孝治,坂本照夫,佐々木淳一,貞広智仁,佐藤挌夫,柴田純平,鈴木 泰,巽 博臣,中永士師明,中村智之,仲村将高,布宮 伸,長谷川隆一,林 淑朗,藤島清太郎,升田好樹,松田兼一,真弓俊彦,山 直也.日本版敗血症診療ガイドライン.The Japanese Guidelines for the Management of Sepsis.日集中医誌 20:124-173,2013.
  • 茂呂悦子,布宮 伸:クリティカルケアにおけるせん妄の治療.ICUのせん妄.鶴田良介,古賀雄二(監訳),金芳堂.2013,153-179.