第32回 学 術 集 会

第32回学術集会に向けて

 

 第32期会長
 輿水 崇鏡
 自治医科大学医学部


 この度、第32回日本下垂体研究会学術集会を、平成29年8月2日より8月4日の日程で鬼怒川温泉にて開催させて頂く事となりました。 昨年のハワイ大会での大きな収穫を引き継ぎつつ、自由な雰囲気の中で、下垂体とその関連領域の研究者達が学び、次代が巣立つ機会になればと存じます。 本学術集会の特長は、多様性にあると思います。 下垂体の成り立ちと機能、病態を研究テーマの軸としつつ、下垂体の上位からの調節機構や、下垂体のホルモンが全身の各所で、どのように相関を持ちつつ働くかも重要な話題です。 下垂体が脊椎動物の初期から観察されることから、発生過程や進化過程を例えば腫瘍研究にあるいはその逆方向に役立てるなど、普段の領域の中では思いつかない端緒を発見することが可能です。 基礎や臨床の分野を超え、学部の枠を超えて異なる専門の研究が集うことにより、多様な意見が交換され、新しい視点を提供してくれる機会となることを期待しております。

 特別講演は、自治医科大学の永井良三学長にお願いいたしました。 永井先生は、臨床、研究、教育の広い分野で比類ないご活躍をされています。何よりも今後の我が国の学術、科学について示唆に富むご講演を皆様と共有できる貴重な機会になることと思います。 その他にも、講演者やシンポジウムの企画を鋭意準備しております。

 学部生、大学院生、若手研究者の育成支援の一環として、優秀発表賞が用意されています。 奮ってご応募をお願いいたします。 また、宿泊と学会場が同一で例年の合宿形式といたしました。 尽きない議論の疲れは温泉で癒していただけましたらと存じます。 栃木県での開催は遡って第14回大会以来18年振りとなります。 会場の近隣には見事な渓谷や世界遺産である日光の社寺、中禅寺湖など見所が多くありますので、学会の前後にはお気軽に足を伸ばしていただけると思います。 至らぬ点もあるかとは存じますが、学術集会をより実りあるものとなるよう幹事会の協力を得つつ準備を進めて行きます。 多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。

会 期: 2017年 8月 2- 4日(水-金)
会 場: 鬼怒川温泉「鬼怒川グランドホテル
     〒321-2522 栃木県日光市鬼怒川温泉大原1021
     TEL. 0288-77-1313(代) FAX. 0288-77-3344

(2016年10月24日)



第32回日本下垂体研究会学術集会(鬼怒川大会)報告


会長 輿水崇鏡

 第32回学術集会は、栃木県鬼怒川温泉「鬼怒川グランドホテル」を会場とし、8/2-4の3日間の日程で開催されました。吉村賞受賞講演1題、特別講演1題、招待講演を含む4つのシンポジウム10題、若手企画2題、一般発表28題と、多くの先生のご発表に加え、フロアを含めて活発にご議論いただきました。ご参加いただきました皆様、ご協力いただきました関係各位には、学術集会事務局一同、深く御礼申し上げます。

第16回 吉村賞

第16回(2017年度)吉村賞は、下記の如く授賞式、受賞講演が取り行われました。

「キンギョにおけるソマトラクチンの分泌制御と生理機能に関する研究」
松田 恒平(富山大学)


第32回学術集会 最優秀発表賞・優秀発表賞

 第32回日本下垂体研究会学術集会(鬼怒川大会)では、「最優秀発表賞」、「優秀発表賞」が下記の如く選出、表彰されました。

最優秀発表賞



マウス下垂体由来のTtT/GF細胞におけるTGFβの作用:SILAC解析法を用いたタンパク質の網羅的な比較定量解析
磯和 幸延 (明治大学)

メダカの鰓におけるバソトシンV2a受容体とAQP3の機能連関の可能性
稲垣 祐香 (富山大学)

ヒト妊娠免疫モデルとしての妊娠ヒト化マウス作製
大野 裕介 (東海大学)

優秀発表賞



マウス下垂体前葉に発現するSCGB3A2は転写因子C/EBPβとC/EBPδによって転写促進される
木下 昂宗 (山形大学)

ゼブラフィッシュOGR1、GPR4の金属による応答解析
武者 詩織 (明治大学)

ACTH産生細胞株におけるGPHRの機能解析
村上 奨 (明治大学)

(2017年 9月 8日)


第32回日本下垂体研究会学術集会(鬼怒川大会)を終えて



 暑さも一段落し秋風が爽やかな折、皆様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
 お陰様を持ちまして、鬼怒川大会では多くの皆様のご協力を賜り、全日程を無事に終了することができました。まずはここに心より感謝を申し上げます。大会までには、多くのご演題とご企画をいただきありがとうございました。直前まで調整が必要となりご迷惑をおかけしました点を、お詫び申し上げます。大会では、特別講演、招待講演、吉村賞講演、シンポジウム、若手企画に一般演題と、ご発表いただきました多くの演者の方々に感謝を申し上げます。また、座長の労をお引き受けいただきました先生方に心より御礼申し上げます。今年のプログラムも例年に引けをとらず、朝から晩まで忙しい日程だったと存じます。しかし今回の会を通じ、下垂体研究の新しい領域が広がる期待を感じ、現在の科学が目指す複雑な系の理解にどのように挑戦するかといった研究戦略を、本来の専門を超え、下垂体を合言葉に学ぶことができたと存じます。この規模の学会は世界中に多くあると思います。しかし、日本下垂体研究会は、毎回の内容の濃さではどこにも引けを取らないと確信しております。恒例のファイルオンザデスクも熱心な議論が続き、運営側も時が経つのを忘れそうになる程でした。
 本当にお忙しい日程の中、時間を割いてご参加下さいました先生方に改めて感謝を申し上げます。鬼怒川での涼風と木々の青さを思い出に、今後益々のご研究のご発展をお祈り申し上げます。
 来年は高知での開催となります。ぜひ皆様にまたお目にかかれますことを楽しみにしております。

平成29年吉日

第32期会長
自治医科大学医学部
輿水崇鏡


(2017年 9月 8日)