第33回 学 術 集 会

第33回学術集会に向けて

 

 第33期会長
 岩 泰正
 高知大学


 このたび、第33回日本下垂体研究会学術集会を2018年8月17日より8月19日の日程で、高知市桂浜にて開催させて頂く事となりました。 一昨年のハワイ、昨年の鬼怒川温泉での盛り上がりを受けて、引き続き自由闊達な雰囲気の中で、下垂体とその関連領域の研究者が学び、次世代の研究者が育っていくが機会となれば、何よりかと存じます。
 2018年は明治維新より150年の記念すべき年です。そこで今回の学術集会のテーマを「下垂体維新〜過去・現在・未来〜」と致しました。シンポジウムとして、レジェンドの先生方による日本の下垂体研究の流れを俯瞰する企画、現在の下垂体研究を支えて頂いている先生方よる最新知見を網羅した企画、そして若手研究者による将来展望の企画、以上の3つを予定しております。
 また、一般演題発表は学会の中心となる重要な部分です。例年通り、学部生や大学院生・若手研究者の育成支援の一環として優秀発表賞も用意されていますので、奮ってご応募をお願い申し上げます。基礎研究者から臨床医まで、長老から若手まで、多彩な研究背景を持つ研究者が集い、年齢や学部の枠を超えて意見交換することにより、今回の学術集会が日本における下垂体研究の「維新」となりますことを、大いに期待しております。特別講演の企画は現在準備中です。
 会場は有名な桂浜や龍馬像に程近く高知県立龍馬記念館に隣接する国民宿舎(桂浜荘)を選び、例年通りの合宿形式と致しました。休憩時間には、龍馬像や太平洋を眺めながら下垂体研究の今後を思索しつつ、夜はファイルオンザデスクで議論を尽くして頂ければ幸いです。牧野富太郎博士を記念した牧野植物園や、土佐料理を満喫できるひろめ市場へのバスツアーも企画致しております。スタッフの数が限られており至らぬ点も多々あるかとは存じますが、多くの皆様の御参加を心よりお待ちしております。

会 期: 2018年8月17日(金)〜19日(日)
会 場: 高知市桂浜 国民宿舎「桂浜荘」
     〒781-0262 高知県高知市浦戸城山830-25
     電話:  088-841-2201

(2016年10月24日)



第33回日本下垂体研究会学術集会の御報告

第17回 (2018年度)吉村賞は下記のように選ばれ、第33回学術集会で受賞講演が行われました。

「腺下垂体形成におけるカドヘリンの役割に関する研究」
 菊地 元史 (自治医科大学医学部総合教育)

また第33回学術集会の 最優秀発表賞・優秀発表賞が下記のように選ばれ、表彰されました。

最優秀発表賞
 藤澤 諭 (岡山大学)
   OrexinとBMP-4の相互作用とプロラクチン産生への影響:GH3細胞を用いた検討
 諸星 和紀 (明治大学)
   バソインヒビンはインテグリンα5β1を介してアポトーシスを誘導する
 竹内 亮太 (北里大学)
   緑色光照射がホシガレイの食欲関連ホルモン遺伝子の発現に与える効果

優秀発表賞
 待鳥 卓 (東京工業大学)
   USP8遺伝子のゲノム編集によるCushing病モデル細胞の作製と解析
 酒谷 斎 (富山大学)
   キンギョ下垂体におけるメラニン凝集ホルモン (MCH) 含有神経線維と
   ソマトラクチン (SL) 産生細胞の分布相関及びSL分泌に及ぼすMCH添加の影響

第17回吉村賞、および第33回学術集会最優秀発表賞・優秀発表賞



(2018年 9月 7日)


第33回日本下垂体研究会学術集会を終えて

 初秋の候、皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 このたび、高知市桂浜の国民宿舎桂浜荘で開催されました第33回日本下垂体研究会学術集会に御参加頂きました皆様に、御礼とご報告をさせて頂きたく存じます。
 直前まで天候不順で大雨や台風の襲来があり、月の名所であると同時に台風の名所でもある桂浜での開催がどうなることかと心配いたしておりましたが、学会当日から会期中に亘って晴天が続き、美しい月夜や文字通り目の醒めるような日の出を拝めることが出来ましたのは、本当に奇跡としか言いようがありません。
 今回の学会は、明治維新150年にちなんで「下垂体維新in Kochi 〜過去・現在・未来〜」というテーマのもとに、日本における下垂体研究の礎を気づかれたレジェンドの先生方、時代の最先端を駆け抜けた現役の先生方、そしてこれからの下垂体研究を支えて頂く若手の先生方、それぞれの立場より、日本における下垂体学の流れを俯瞰して頂けるようなプログラムを組みました。結果的に、83歳の大御所の先生から10代の若手の学生さんまで幅広い年代の106名の皆様に御参加頂き、盛会のうちに無事終了することができました。ファイルオンザデスクにおいて、古希を超える長老の先生と、そのお孫さんの世代となるような若い学部学生さんが膝を突き合わせて議論している光景が、いかにも下垂体研究会らしく印象的でした。これも、半世紀近くにおよぶ本研究会の歴史の過程で築かれた、人と人との出会いとつながりを大切にする伝統の賜物かと存じます。また学術セッションにおいて、胸を打つ前多先生の追悼講演、国際的な特別講演、学術的な教育講演を担当して頂きました諸先生をはじめ、シンポジストや座長の先生方、さらにそれらをオーガナイズして頂きました多くの会員の方々、そして一般演題を応募され新しい知見を報告いただいた演者の皆様に、あらためて厚く御礼申し上げます。
 最後に、今回の研究会では、遠路はるばる高知までお越し頂きました皆様に土佐の文化を少しでも感じて頂きたく、懇親会やエクスカーションにも趣向を凝らしました。坂本龍馬や牧野富太郎博士の生き様から、若い研究者の方々が「何か」感じて頂けたとしたら、主催者としては大いなる喜びです。
 明治維新が日本の歴史の節目となったように、今回の学会が、日本の下垂体研究のターニングポイントであったと後から振り返って頂けるような、そのような実りある学術集会として記憶に残ることを念願しつつ、今後の皆様の研究の益々の御発展を大いに期待いたしております。

2018年9月吉日
第33回日本下垂体研究会学術集会 会長
高知大学臨床医学部門教授 岩舞ラ正


集合写真(左端の猫1匹を含む)


会場風景(桂浜荘会議室)


名誉会員証授与式


前多敬一郎先生追悼講演


レジェンドセッション(菊山榮先生、83歳)


ファイルオンザデスク (70歳代以上から10歳代まで幅広い世代がディスカッション)


懇親会 (よさこい踊り)


懇親会 (土佐の地酒飲み比べ)


(2018年 9月 7日)