第35回 学 術 集 会

2020年度学術集会ウェブサイト公開のお知らせ

第35回 学術集会(福岡大会)のウェブサイトを公開しました。
URLは、http://www.jichi.ac.jp/jspr/2020/です。ご覧ください。


(2020年 3月 9日)


2020年度学術集会延期のお知らせ

新型コロナウイルス感染拡大により,本会の行事を以下のように執り行うこととしましたのでお知らせ致します。

1.第35回学術集会について
本年8月20日(金)〜22日(日)に予定している久山温泉での当該集会は1年延期し,2021年に実施する。

2.本年の評議員会・総会について
例年,学術集会会期中に実施している総会・評議員会は本年8月中にメール会議により行う。

3.第20回吉村賞(2021年)について
例年どおり募集し,来年に延期する第35回学術集会で受賞講演を行う。なお,推薦があった本年の吉村賞(2020年4月17日(金)締切)については,これから設置する選考委員会において授与が認められた場合,受賞講演は第35回学術集会にて行う。

日本下垂体研究会会長 上田陽一
   同  事務局長 高橋明義


(2020年 5月 7日)


第35回学術集会(福岡)についてのお知らせ

新型コロナウイルス感染拡大により開催が延期されておりました第35回学術集会につきまして、情報をウェブサイトに掲載いたしました。左側メニュー「大会案内」よりご覧ください。


(2021年 1月 4日)


第35回学術集会(福岡)「育英基金」についてのお知らせ

第35回学術集会(福岡)への大学院生等の参加者に,育英基金から補助金を支給いたします。希望者は、ダウンロードした書式に必要事項を記入の上,事務局長(高橋明義)宛てにメール添付で8月10日までにお送り下さい。


(2021年 7月 20日)


第35回日本下垂体研究会学術集会のご報告

第20回(2021年度)吉村賞発表・授賞式および受賞講演が現地会場にて行われました。

第20回吉村賞

輿水 崇鏡(自治医科大学 薬理学講座 分子薬理学部門)
「下垂体後葉ホルモンバソプレシンのV1aおよびV1b受容体を介する作用機序の研究」

バソプレシン受容体の生理・薬理的機能に関する研究を分子レベルから個体レベルまで展開され、素晴らしい研究成果に感銘を受けました。


第35回学術集会の最優秀発表賞・優秀発表賞が選ばれ、表彰されました。

最優秀発表賞

副島 佳晃 (岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 総合内科学)
「時計遺伝子およびBMP分子が下垂体ゴナドトロープ細胞に与える影響」


優秀発表賞

大原 倫仁(富山大学大学院 理工学教育部 生物学専攻)
「ソマトラクチン(SL)遺伝子欠損ゼブラフィッシュの作出とその表現型(外部形態)の観察」

出合 将人(明治大学大学院 細胞情報制御学研究室)
「ヒトTDAG8を介したcAMP産生応答に対するキレート試薬の効果」

山本 紘一郎(岡山大学病院 総合内科・総合診療科)
「全身倦怠感の精査から診断に至った高齢ACTH単独欠損症の1例」

4演題ともにオンラインでの発表・質疑応答でしたが、いずれもレベルの高い発表でした。今後益々の研究の発展とご活躍を祈念致します。

第35回日本下垂体研究会学術集会
会  長   上田陽一(産業医科大学 医学部 第1生理学 教授)
組織委員長  吉野 潔(産業医科大学 医学部 産科婦人科学 教授)


    第20回吉村賞の表彰式(記念撮影の瞬間だけマスクを外しました)

    第35回学術集会の最優秀発表賞の表彰のようす


(2021年 9月 22日)


第35回日本下垂体研究会学術集会を終えて

 第35回学術集会を終えて1ヶ月が過ぎようとしています。本学術集会の開催にあたり、皆様のご支援のおかげをもちまして数多くの困難を乗り越えて無事開催・終了できましたことに心より感謝申し上げます。

 9月12日までの予定だった全国多くの地域で緊急事態宣言・まん延防止等重点措置が9月末日まで延長されましたが、新型コロナウイルス感染第5波のピークは過ぎたように思われます。振り返れば、本学術集会(8月19〜21日)あたりが第5波のピークだったようです。8月20日に福岡県にも緊急事態宣言が発出され、現地開催が危ぶまれましたがギリギリセーフ、本学術集会以後の福岡国際会議場での集会はすべてキャンセル、現地開催できたのは奇跡でした。

 さて、本学術集会は2年前に島根県玉造温泉での第34回学術集会(金撫t彦会長)(テーマ:神話の国で下垂体を語ろうin 島根)からバトンを引き継ぎました。ところが、新型コロナウイルス感染の拡大により2020年8月に予定していました学術集会を1年延期させていただくことになりました。この時点では、東京オリンピック・パラリンピック2020も1年延期となりましたので1年後には通常通りに開催できるだろうとのんきに考えておりました。

 ところが、会場予約をしていました福岡県久山温泉の宿泊施設がコロナ禍の影響で閉館となり、福岡国際会議場に開催場所を変更し、あくまで現地開催にこだわって準備を進めました。2021年7月に入り、感染状況が収まりつつありましたので現地開催に向けて準備を本格化したところ、東京オリンピック開催とともに大波の第5波がやってきました。これは大変、ということで開催日の2週間前になって慌てて現地開催に加えてオンライン(Zoom配信)との併用によるハイブリッド開催に切り替えることとし、ギリギリで当日開催に漕ぎ着けました。このような状況の中にもかかわらず、お願いしていましたすべての先生方に現地参加もしくはオンライン講演への切り替えをご快諾いただき、最優秀発表演題候補、一般演題ともに例年並みの応募があり大変に有り難く思いました。

 本学術集会は、温泉地などに合宿形式で宿泊して垣根隔てなく学術交流や親睦を深めることが特徴です。懇親会やご当地エクスカーションもとても楽しいひとときです。ところがコロナ下では感染対策として三密を避けるため、懇親会やエクスカーションなどを開催できません、たいへん悩ましい問題でした。

 本学術集会のテーマに“新しい時代の下垂体研究(= Beautiful Harmony of Pituitary Research)”を掲げました。平成から令和へ元号が代わる節目での学術集会との位置付けです。“令和”は“Beautiful Harmony(美しい調和)”と英語に訳されるそうです。視床下部-下垂体系による生体の恒常生を司る調和の取れた美しい生理機能をイメージすることができます。

このテーマにそって、会長特別企画では、昭和・平成・令和の時代をめぐる下垂体研究〜学問の系譜〜というタイトルで現地ご参加の汾陽光盛先生・高橋明義先生の座長のもと歴代会長の皆様(林しん治先生、井上金治先生、河田光博先生( 筒井和義先生)、和泉俊一郎先生、輿水崇鏡先生、岩舞ラ正先生、金崎春彦先生)に心のこもったご講演をいただきました。特別講演には、木村正先生(大阪大学)にオキシトシン受容体のクローニングから臨床研究まで研究の楽しさ・おもしろさをご講演いただきました。座長の吉野潔先生は木村先生のご教室への入局から准教授までお務めになられた旧知の仲です。教育講演1では下垂体後葉ホルモンのオキシトシン研究(東田陽博先生)、バソプレシン研究(有馬寛先生)、教育講演2では生殖の神経内分泌学〜前多敬一郎先生追悼本の出版を記念して〜と題して束村博子先生(名古屋大学)に感動的なご講演をいただきました。スペシャルトークに久山町研究の歴史と取り組み(福岡県久山温泉での本学術集会の開催を予定しておりました)を二宮利治先生(九州大学)に国際的にも有名な久山町疫学研究の現在についてご講演いただきました。最終日のシンポジウム@「海から陸、そして空へ」(兵藤晋先生、鈴木雅一先生、吉村崇先生)、シンポジウムA「下垂体:基礎・臨床アップデート」(須賀英隆先生、高橋裕先生、山田正三先生)では基礎から臨床まで素晴らしいご講演が続きました。

 “令和”の起源となりました梅花の宴とゆかりの地である太宰府天満宮へのエクスカーションは叶いませんでしたが、ランチョンセミナーにおきまして当時の食材を再現した“古代食(梅花の宴)弁当”と“太宰府名物梅ケ枝餅”をいただきながら、万葉集研究者の奥田俊博学長(九州共立大学・九州女子大学・九州女子短期大学)に“万葉集の令和”と題してご講演いただき、万葉の世界の一端に触れることができました。現地でのご参加が叶わなかった皆様には、ささやかながら太宰府まめやの豆詰め合わせと太宰府学業成就の鉛筆をお送りしました。ちなみに、最優秀発表賞の副賞に太宰府梅酒をお贈りしました。

 また、リアルな懇親会はできませんでしたが、会期中日に短い時間でしたが、現地会場とZoom参加の皆様とをオンラインで結んでのWeb懇親会を行いました。現地会場には、高橋明義事務局長からの差し入れの日本酒“浜千鳥”(岩手県釜石市)が振る舞われ、もちろん持ち帰った後にしか封を切ることはできませんが、屋代隆先生のスクリーン越しの乾杯の音頭などとても盛り上がりました。

 こうしてコロナ渦真最中での本学術集会を何とか終えることができてホッとしています。急遽、ハイブリッド開催に切り替えたことで皆様には大変な戸惑いとご心配をおかけしました。実施してみますとWeb 開催の良さもわかり、オンデマンド配信(8月28日〜9月20日)も行うことができましたので“災い転じて福となす”ことができたようにも思います。

 最後になりましたが、事務局を務めていただき裏方として大活躍していただいた丸山崇先生はじめ多くの皆様のご支援により本学術集会を開催することができました、ここに厚く御礼申し上げます。来年第36回学術集会(亀谷美恵会長、令和4年(2022年)8月8〜10日)“富士山を仰ぎながら。夢を語ろう”にて皆様と再会できますことを楽しみにしています。


    現地会場でのコロナ対策のようす


    Web懇親会での高橋明義事務局長のご挨拶


    浜千鳥で乾杯のようす(現地会場)

    Web懇親会での締めのかけ声のようす



本原稿を執筆中に、筒井和義先生のご逝去(9月16日)の悲報を知りました。ここに謹んで哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
第20回学術集会(2005年7月7〜9日)を日本神経内分泌学会学術集会(河田光博会長)との共催により万国津梁館(沖縄)で主催されて大変な盛況でした。初夏の沖縄の海岸でエイサー踊りを鑑賞しながら筒井先生と歓談させていただいたのを懐かしく思い出します。



令和3年(2021年)9月20日
第35回日本下垂体研究会学術集会
会  長   上田陽一(産業医科大学 医学部 第1生理学 教授)
組織委員長  吉野 潔(産業医科大学 医学部 産科婦人科学 教授)

(2021年 9月 22日)