形成外科学講座

手足の先天性形態異常

生まれつきの手足の形態異常には様々なものがあります。
ここでは頻度の多いものについて解説します。

母指多指症

生まれつき親指が2本ある形態異常です。1本多く生えているというより、発生の途中で1本になるはずのものが2本に分かれてしまうことにより起こります。分かれている部位によって様々なタイプがあります。

治療は、1歳前後に行います。
基本的に外側の指を切除しますが、親指を外側に開く筋肉をつけかえたり、骨を切って角度を矯正したりする必要があることがあります。

合指症

指同士が癒合している形態異常です。
1歳前後に指を分離して指間を形成する手術を行います。
皮膚が足りなくなるため、足の内果(内側のくるぶしの下)から皮膚を移植します。

絞扼輪症候群

胎児期に羊水が足りなくなり、羊膜索がからまることにより起こります。
手足の様々な部分に皮膚のくびれができ、指同士が癒合していることもあります。また、くびれが強いとそこから先が欠損してしまっていることもあります。
状態に応じて、くびれを解除したり、指間を形成する手術を行います。

多合趾症

足の指が1本多い形態異常です。多くの場合小趾側に起こり、指同士が癒合していることもあります。
1歳前後に、余剰指を切除して、癒合している指の間を形成します。
趾間を形成する際は、皮膚が足りなくなることが多く、その場合は足の内果(内側のくるぶしの下)から皮膚を移植します。

形成外科で扱う疾患