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[医学部] 新しい“横綱がん遺伝子”RACを発見−有効ながん分子標的治療薬実現への道を開く−

2013年2月5日

JST 課題達成型基礎研究の一環として、本学の間野 博行 教授らは、乳がんや悪性黒色腫の原因となる強力ながん化能を有するがん遺伝子(横綱がん遺伝子)を発見しました。

間野教授らは、2007年に肺がんの原因遺伝子EML4-ALKを発見し、そのALK阻害剤は著明な治療効果をもたらし、日本でも2012年に治療薬として承認され臨床適用されています。このことは、横綱がん遺伝子を発見すれば、有効な分子標的治療薬が速やかに開発されることを意味しています。

今回研究グループは、発がん能力を持つ遺伝子を同定する機能評価法と、高精度次世代DNAシーケンサーを用いた遺伝子変異スクリーニング法をそれぞれ開発しました。そして、それらを組み合わせることで、ヒトのがん細胞の中で「発がん機能」と「配列異常」を持つ遺伝子があるかを解析しました。その結果、ヒト線維肉腫細胞株から低分子量Gたんぱく質の1つであるRAC1を発現するRAC1遺伝子の突然変異を発見しました。具体的には、RAC1たんぱく質の92番目のアミノ酸であるアスパラギンがイソロイシンに置換される変異です。さらに、このRAC1遺伝子の抑制により、ヒト線維肉腫細胞が細胞死を起こしたことから、RAC1遺伝子に変異が起こることがヒト線維肉腫細胞株の本質的な発がん原因であることが分かりました。また、ほかのヒトがんにおいてもRAC遺伝子ファミリーの変異があるか調べたところ、乳がんや悪性黒色腫など5種類のがんで変異があることも明らかにしました。

これら変異RACたんぱく質の機能を抑制する薬剤は、変異があるがん患者に対して有効な、全く新しいがん分子標的療法をもたらすと考えられ、その診断法とともに速やかな開発が期待されます。

本研究成果は、米国科学雑誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」のオンライン速報版で2013年2月4日の週(米国東部時間)に公開されます。

参考

論文情報

Kawazu M, Ueno T, Kontani K, Ogita Y, Ando M, Fukumura K, Yamato A, Soda M, Takeuchi K, Miki Y, Yamaguchi H, Yasuda T, Naoe T, Yamashita Y, Katada T, Choi YL & Mano H. “Transforming mutations of RAC guanosine triphosphatases in human cancers” Proc Natl Acad Sci U S A, Epub ahead of print.

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