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MRIによる心停止ラットから摘出された腎臓の移植可能度の非破壊的診断法の開発に成功

2013年5月8日

ドナー腎臓の世界的不足から、心停止後ドナーからの腎臓移植を推進しようという動きがある。長時間の心停止後ドナーの腎臓はこれまでの冷保存法では移植不可能である。先に先端治療開発部は、北里大学獣医学部(岩井聡美助教)との共同研究により、ラット腎移植モデルを使い、ヘパリン非使用下の心停止1時間後の腎臓を、常温(22度)で保存し移植し移植することに成功した(Iwai S, et al. PLosONE 2012)。

今回、大阪大学先端基盤医療学(貝森淳哉准教授、高原史郎教授ら)、BioView株式会社(株)との共同研究で、脳研究で使われているfunctional MRIを用いて、心停止後のラット腎臓における詳細な組織変化を測定し、心停止後ドナーからの腎臓グラフトの障害を非破壊的に評価する具体的な手法の開発に成功した(PLOS ONE 2013年5月7日掲載)。

方法

心停止を起こしたラットの腎臓を検討したところ、主に髄質に血栓を認めた。循環停止後赤血球塊は、inner stripe of medullaに最も多いことが知られている。循環停止後、0、1、2時間後のラット左腎臓を摘出して、UW液に浸して、摘出直後と3時間後について、BOLD MRI(赤血球量を表す), diffusion MRI(水分子の動きやすさを表す)について検討した。腎臓は、cortex, outer stripe, inner stripe, inner medullaのそれぞれの値を検討した。

結果

BOLD MRIでは、特に心停止後1、2時間後に、組織像と一致してinner stripeで信号強度の低下を認めた。diffusion MRIでは、心停止後2時間後に初めて、inner stripeでADCの低下を認め、この時点で、赤血球塊が最も形成されるinner stripeで細胞内浮腫が起こっている事が推察された。また、この事が、心停止後2時間後腎臓に赤血球塊が残ってしまう事に関係があると考えられた。

結論

心停止後腎臓の詳細な小動物用functional MRI(4.7T使用)を測定する事によって、腎臓内組織の赤血球塊形成量、細胞内浮腫が推測できた。本技術を発展させ、臨床で移植腎臓グラフトの障害を移植前に非破壊的に測定出来る可能性がある。



本共同研究の成果がいち早く臨床応用できるかが重要であるが、先端治療技術開発センター(CDAMTec)では、臨床と同等のMRI(1.5T)が設置されている。センターではMRI解析のトップ技術を持つBioView株式会社(株)とすでにブタを用いて本技術の検証が開始されている。

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