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本学の"世界一青いラット"が貢献―BMP-7を投与したアキレス腱移植は半月板再生を促進する―

2013年8月16日

自治医科大学で世界に先駆けて作成された"イメージングラット"が大学間共同研究を推進しています。修復不能な半月板損傷に対しては、半月板切除術が行われ、変形性関節症が必発します。広範囲な半月板欠損部を被覆するには、scaffoldが必要となり、自家腱はその代用材料として期待されます。
今回、そのままでは半月板組織には変化しない腱組織に、BMP-7を投与することで、軟骨細胞を誘導し、半月板再生を促進することに成功しました。2005年、本学臓器置換研究部は非常に強いプロモーターを使いLacZを全身で発現し、世界で一番"青いラット"を開発しました(Inoue H, et al. Biochem Biophys Res Commun. 2005)。

この度、関矢 一郎教授(東京医科歯科大学)と本学先端医療技術開発センター先端治療開発部門は、このTransgenicラット (LacZ+ラット)に腱移植を行うことにより、移植腱と周囲滑膜組織との相互関係に関しての細胞動態を解明することに成功しました(Ozeki N,et al. Arthritis Rheum. 2013)。

方法

Lewisラットの内側半月板の前方半分を切除後、BMP-7を1μg投与したアキレス腱を半月板欠損部に自家移植し、術後4、8、12週における再生半月板の大きさ、組織学的所見および軟骨変性について、アキレス腱を移植しない群およびBMP-7を投与せずアキレス腱を移植した群と比較した。また、LacZ+ラットのアキレス腱を、野生型ラットの膝関節半月板欠損部に移植するモデルと、野生型ラットのアキレス腱をLacZ+ラットの半月板欠損部に移植するモデルを作成し、術後4週でX-Gal染色を行い、細胞動態について検討した。

結果

術後4、8週における再生半月板は、腱を移植した群で腱を移植しない群より有意に大きかった。再生半月板の組織は、BMP-7を投与したアキレス腱移植群でsafranin-oの赤染およびType II collagenの発現は良好で、12週で認めた軟骨細胞は正常半月板に認められる軟骨細胞と類似していた。軟骨変性はBMP-7を投与したアキレス腱移植群で有意に抑制された。LacZ+ラットのアキレス腱を野生型ラットの半月板欠損部に移植した場合、移植腱の一部にLacZ陽性細胞を認めた。野生型ラットのアキレス腱をLacZ+ラットの半月板欠損部に移植した場合、肉眼的には移植腱全体がX-Galにより染色されたが、組織学的には移植腱の周囲滑膜様組織にのみLac Z陽性細胞を認め、移植腱内には認めなかった。

移植した自家腱は完全ではないが半月板の機能を示した。BMP-7を腱に投与することにより、腱組織の半月板様組織への分化が促進され、関節軟骨変性を有意に抑制した。また、半月板欠損部に移植した腱に、ドナー由来細胞の一部は残存し、移植腱の周囲はレシピエント由来の滑膜に覆われた。今回の結果はドナー由来の腱細胞、レシピエント由来の滑膜細胞の双方が腱移植による半月板再建術の修復に寄与することを示す。

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