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[医学部] 自然免疫反応で重要なパターン認識受容体NLRP3の新たな機能を解明

2014年8月19日

近年、病原体の関与しない環境で生じる炎症反応として、痛風や動脈硬化などにおける無菌性炎症が注目されており、この炎症はインフラマソーム(inflammasome)と呼ばれる新たな自然免疫経路を介して引き起こされることがわかってきました。インフラマソームとはカスパーゼ-1の活性化により強力な炎症性サイトカインIL-1βの産生を誘導する細胞内分子複合体であり、パターン認識受容体の一つであるNLRP3とアダプター分子ASC、そしてカスパーゼ-1とで構成されるNLRP3インフラマソームが主として無菌性炎症に関与しています。

肝臓の虚血再灌流障害は、肝切除や肝移植後肝不全を引き起こす重大な原因であり、その病態には炎症が重要な役割を果たすことが知られていましたが、その無菌性炎症の惹起機序については不明でした。そこで、肝虚血再灌流で生じる無菌性炎症とそれに続く肝障害がインフラマソームを介しているとの仮説のもとに検討したところ、肝虚血再灌流障害がASCやカスパーゼ-1の欠損では抑制されないにもかかわらず、NLRP3およびIL-1βの欠損により有意に改善されることを見出しました。NLRP3欠損マウスでは、炎症反応が抑制されるとともに、IL-1βの産生も抑制されていたことから、NLRP3が関与するインフラマソーム非依存性のIL-1β産生機構が存在することが示唆されました。さらに、NLRP3の役割について研究を進めた結果、NLRP3が好中球遊走を制御することが明らかとなり、肝虚血再灌流障害においては好中球由来のIL-1βのプロセシング機構を介した無菌性炎症の惹起が重要であることが示唆されました。

本研究では、これまでに知られていなかったインフラマソームとは独立したNLRP3の新規の機能を明らかとしたとともに、好中球が関与する炎症性疾患におけるNLRP3の治療標的としての可能性が示されました。

本研究は、炎症・免疫研究部の高橋将文教授と大学院生の井上賢之氏(消化器・一般外科学)が中心となり、自治医科大学、信州大学、兵庫医科大学、東京理科大学、癌研究所との共同研究で行われたものです。なお、本研究成果は、米国免疫学会誌Journal of Immunology(2014年4月2日付け)に掲載されました。

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