産学官連携

HOME > 産学官連携 > ニュース&トピックス > 2014年度 > [医学部] ADHD治療薬の効果を光トポグラフィ脳機能検査で可視化

Kenkyushien

ニュース&トピックス

[医学部] ADHD治療薬の効果を光トポグラフィ脳機能検査で可視化

2014年9月26日

個人の症状に応じたテーラーメイド治療の基礎を確立

自治医科大学(門田、山形)、中央大学(檀)らの共同研究グループは、光を用いた無侵襲の脳機能イメージング法である光トポグラフィ(fNIRS)を利用して、注意欠如・多動症(ADHD)治療薬について、「薬の効き方」を可視化することに成功しました。

ADHDは全人口の5%以上に幼児期から発症する代表的な神経発達障害で、「待てずに反射的に行動してしまう(衝動性)」、「落ち着きがない(多動性)」、「忘れ物をする事が多い(不注意症状)」といった症状を伴います。従来、ADHDの診断と治療効果の検討は行動観察が中心であり、客観的評価方法の開発が望まれていました。

今回の実験では、6歳から14歳のADHD児約50名に、塩酸メチルフェニデート徐放薬、または、アトモキセチンを服用してもらいました。さらに、別の日にプラセボ薬(薬効成分のない薬)を服用してもらいました。服用前後に、行動抑制ゲーム、または、注意ゲーム中の脳の活動を、fNIRSによって計測しました。一回の計測は6分程度です。比較対照として、薬を服用していない定型発達児約50名にも同様の課題を行いました。

定型発達児の場合、行動抑制ゲーム中に右前頭前野、注意ゲーム中に右前頭前野と右頭頂葉の活動が見られました。ADHD児の場合、服薬前、プラセボ薬服薬時とも活動は見られませんでした。一方、塩酸メチルフェニデート徐放薬服用後は、注意、行動抑制ゲーム中のどちらでも、右前頭前野の活動が強めに回復しました。アトモキセチンを服用後は、行動抑制ゲーム中には右前頭前野、注意ゲーム中には右前頭前野と右頭頂葉の活動が弱めに回復しました。

このように、ADHD児への薬物治療効果をfNIRSで可視化できることが分りました。さらに、薬の種類や脳の活動内容によって、それぞれの薬特有の脳機能の回復効果があることが分りました。今後、この研究を発展させ、光トポグラフィで脳活動を参考にしながら、ADHDの症状や薬の効き方に応じて薬物治療の効果を確認する、テーラーメイド治療の開発を推進してまいります。

本研究は、4報の研究成果を総合的にまとめたものです。このうち、第1報目は2012年9月、第2報目は2014年5月に発表されました。このたび、第3報目(2014年9月10日)と、本日第4報目(2014年9月 24日)の発表に際して、記者会見によるプレスリリースを行いました。

研究論文、発表等の詳細については下記ウェブサイトにてご覧いただけます。

研究概要図

a.注意欠如・多動症の症状である、<行動抑制>の低下、<注意>の低下が脳内でどのように起きているか、症状に関連するゲーム中に光トポグラフィ計測をしました。さらに、その症状に治療薬がどのように効いているかについて計測しました。

光トポグラフィ検査

b.光トポグラフィを用いて行動抑制ゲームと注意ゲーム中に活動した脳活動部位を可視化しました。さらに、脳機能の活動があった部位に活動の強弱を色分けしました。下図の脳の図に表記されている数字の「10」は右前頭前野、「22」は右頭頂葉に位置します。

光トポグラフィ検査

自治医科大学
大学事務部 研究支援課
〒329-0498
栃木県下野市薬師寺3311-1
TEL. 0285-58-7550
FAX. 0285-40-8303
学内からは内線 3575

自治医科大学
臨床研究支援センター
臨床研究企画管理部 管理部門
TEL. 0285-58-8933
FAX. 0285-40-8303
学内からは内線 2871 もしくは 2571

モニタリング・監査に関する窓口
rksc_monitor@jichi.ac.jp

プロトコル相談に関する窓口
rksc_protocol@jichi.ac.jp