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[医学部] 空腹時に食欲を創出する脳内鍵分子の同定

2015年7月23日

食欲は、脳視床下部の弓状核によって全身のエネルギー状態が感知されることにより調節されています。しかし、弓状核でエネルギー状態を神経興奮に変換する機構は不明でした。本学統合生理学の矢田俊彦教授、中田正範准教授と国際医療福祉大学の栗田英治准教授らは、ラットを用いた実験で、全身の細胞のイオン環境を維持して機能を支えるナトリウム‐カリウムポンプNa+,K+-ATPase(NKA)が、弓状核においては空腹・低血糖を感知し、食欲亢進性ニューロンを活性化して摂食行動を引き起こすことを明らかにしました。

空腹時には、低血糖(グルコース濃度低下)および食欲亢進性の胃ホルモンのグレリンの上昇により、弓状核のNa+,K+-ATPase(NKA)の活性が低下しました。グルコース濃度低下は、弓状核ニューロンに作用してNKAを抑制して細胞を活性化し、またNKA阻害剤ウアバインも細胞を活性化しました。活性化された細胞の大部分は強力な摂食亢進性神経伝達物質ニューロペプチドY(NPY)とアグーチ関連蛋白(AgRP)を持つ細胞でした。脳内/弓状核内へ、ウアバインを投与するとNPY亢進を介して摂食行動を引き起こし、一方NKA活性化剤を投与すると摂食行動を抑制しました。これらの結果より、視床下部弓状核NKAが空腹・低血糖を感知して、NPY/AgRPニューロン活動を亢進し、摂食行動を起こす、新しい食欲創出機構を解明しました。本分子は、過食、肥満や糖尿病の新規治療ターゲットとなる可能性があります。

本研究成果は、2015年6月にアメリカの学術雑誌「American Journal of Physiology - Endocrinology and Metabolism」に掲載されました。本研究は、文部科学省脳科学研究戦略推進プログラムの一環として、また科学研究費補助金などの助成に基づき行われました。

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