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[医学部] 胃全摘後の摂食低下・体重減少と六君子湯による改善及び新規メカニズムの発見:腸ホルモンGLP-1の役割

2016年2月4日

六君子湯は日本独自に発展した漢方薬で、経口内服する医薬品です。その主要な作用として、胃排出を亢進することで胃腸症状を改善します。近年では胃から主に産生される食欲亢進ホルモンのグレリン作用を増強することで、食欲を改善することが分かっています。しかし、胃を失った胃全摘後において、六君子湯が食欲改善効果、体重増加作用を示すかどうかは不明でした。

胃癌患者の多いわが国をはじめ、胃切除後の体重減少は大きな問題になっています。特に胃全摘術を受けると体重は術後早期から著減し、Quality of lifeの低下や抗癌剤治療が継続できない原因となります。この問題は現在でも有効な改善策がありません。

本学統合生理学部門の大学院生の田口昌延氏(兼、消化器・一般外科学)、出崎克也准教授、矢田俊彦教授らは、ラットを用いた実験を行い、胃全摘後の早期に六君子湯を投与すると、胃全摘後の摂食量低下と体重減少を改善することを発見しました。さらに、そのメカニズムとして、食後に分泌される腸ホルモンのGlucagon-like peptide-1(GLP-1)が重要な役割を担うことを発見しました。すなわち、胃全摘後の早期は食後のみならず空腹時の血中GLP-1が上昇し、摂食量低下、体重減少の一因になっていること、六君子湯の新規作用機序として、胃全摘後に上昇する血中GLP-1を低下させ摂食量低下と体重減少を改善することを解明しました。さらに、臨床研究を実施し、胃癌患者においても術後早期に空腹時の血中GLP-1が上昇することが分かりました。本研究により、術後早期の血中GLP-1上昇を標的とした、六君子湯による新しい治療戦略の発展が期待されます。

本研究成果は、2016年1月13日に米国の学術雑誌「Surgery」に掲載されました。本研究は、科学研究費補助金などの助成に基づき行われました。

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