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[医学部] 神経変性疾患の細胞質封入体でのDrb1蛋白質の役割を解明

2016年10月6日

筋萎縮性側索硬化症(ALS)等の神経変性疾患は細胞質封入体形成とそれに伴う細胞死を主病理とします.ALSの封入体構成因子としてRNA結合蛋白質TDP-43などのRNA代謝に関与する蛋白質が複数同定されています.近年、本学機能生化学部門で同定されたRNA結合蛋白質Drb1が、ALS患者においてTDP-43細胞質封入体に共局在することが報告されましたが、細胞質封入体の形成機構には不明な点が多く残されています.本研究では、Drb1の細胞質封入体形成と病態発症に関わる役割の一端を明らかにしました.

まず我々は、ALSの病理で報告されたDrb1とTDP-43の細胞質封入体への共局在を培養細胞にて再現しました.次に、Drb1はTDP-43と直接結合が存在しうること、またDrb1の核移行シグナル(NLS)と核外移行シグナル(NES)の配列を明らかにし、Drb1は核―細胞質間をシャトルする蛋白質であることを示しました.さらにNLSとNESへの二重変異導入によりDrb1のシャトル機構を破綻させると、Drb1由来の細胞質凝集体の形成を促進し、TDP-43をこの細胞質凝集体にリクルートすることも明らかにしました.またDrb1細胞質凝集体の形成はミトコンドリア膜電位を低下させることから、細胞機能障害に関与することが示唆されました.これらの結果から、ALSをはじめとする神経変性疾患においてDrb1は細胞質内局在の変化によって細胞質封入体が形成され、これが神経細胞毒性に関わっている可能性が示されました.

本研究は、益子貴史氏(神経内科学)と生化学講座機能生化学部門の坂下英司講師、遠藤仁司教授らが中心になって行われました.

この研究成果はThe Journal of Biological Chemistry誌(2016年7月15日付け)で掲載されました.

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