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研究情報

[医学部] 3Dプリンターで柔らかい動脈のモデルの作製が可能になりました−実際に手に取って分かる手術操作のシミュレーションが実現−

2014年3月17日

研究成果のポイント

  • 3Dプリンターを用いて柔らかく中空の動脈モデルを作製する新技術の開発に成功。
  • 患者さんの動脈形状を忠実に再現したモデルを手に取って、手術の前に手術と同じように操作のシミュレーションが可能。
  • 患者さん自身の動脈モデルを活用した手術プランの提示が可能となり、脳動脈瘤手術の可視化が実現。

概要

本学医学部脳神経外科学 益子准教授、渡辺教授らの研究グループは、3Dプリンター技術を応用し、実際の患者さんの脳動脈瘤に基づいた「柔らかい」動脈モデルを作製する方法の開発に成功しました。これにより実際の脳外科手術と同じように、患者さん自身の動脈モデルを使って、手術操作をシミュレーションができるようになりました。

これまでにも、実際の「脳に似た」あるいは「動脈に似た」モデルが販売されていますが、あくまでも一般的な構造を表したもので、手術の練習台としてしか利用できませんでした。今回開発したのは、脳外科医自身が目の前にいる患者さんのデータを基に個人の脳や血管のモデルを作り、更には動脈の柔らかさを実際に近いレベルで再現する技術です。

3Dプリンターで柔らかな構造物を作製することは現状では困難ですが、新技術では、3Dプリンターで型を作り、その上に柔らかな樹脂でコーティングを施し、最後に型を溶かします。この結果、実際の動脈と同様の形状と柔らかさを保持したリアリティの高い動脈モデルができあがります。

これを使用すると、実際の脳動脈モデルを手に取りながら術前の手術訓練を行うことが可能となり、実際の手術をイメージしやすくなります。これによって、手術の効率をあげ、成功率を向上させることが期待できます。

また、本技術によって、患者さんが自分自身の脳動脈瘤のモデルを見ながら、ご自身の病状と手術方針を理解することが可能になります。本技術は、これまで患者さんにとっては分りにくかった脳外科手術の施術方法をわかりやすく可視化し、医師の患者さんと双方向医療コミュニケーションを促進するものと期待されます。

今後は、作製方法を自動化し、より簡単に迅速に動脈モデルを作製できるように、さらなる研究開発を実施するとともに、本技術の普及を目指します。

本成果の発表論文

本成果に関する研究内容は、The World Federation of Neurosurgical Societies(世界脳神経外科学機構)の英文機関誌であるWorld Neurosurgery誌に下記の原著論文として、出版されます(オンライン先行公開済み。下記のリンクから参照できます)。

タイトル
Development of 3-dimensional Hollow Elastic-model for Cerebral Aneurysm Clipping Simulation Enabling Rapid and Low-cost Prototyping.
著者
Mashiko T, Otani K, Kawano R, Konno T, Kaneko N, Ito Y, Watanabe E.
掲載誌
World Neurosurgery. in press

概要図

概要図

問い合わせ先

研究に関すること
渡辺英寿(わたなべ えいじゅ)(自治医科大学 医学部 脳神経外科学講座 教授)
〒329-0498
栃木県下野市薬師寺3311-1
TEL: 0285-58-7373
E-mail: eiju@jichi.ac.jp

広報に関すること
飯村久恵(いいむらひさえ)(自治医科大学研究支援課)
〒329-0498
栃木県下野市薬師寺3311-1
TEL: 0285-58-7550
E-mail: shien@jichi.ac.jp