お知らせ

HOME > ニュース&トピックス > 研究情報 > 2014年度 > [医学部] 脳内GLP-1の摂食抑制経路の発見:糖尿病治療薬の抗肥満作用、多様な脳作用のメカニズム解明へ

research

研究情報

[医学部] 脳内GLP-1の摂食抑制経路の発見:糖尿病治療薬の抗肥満作用、多様な脳作用のメカニズム解明へ

2014年8月5日

過食を主因として肥満や糖尿病が増加しています。グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)は、食事に伴い腸から分泌され、インスリン分泌を促進し、血糖を低下させます。糖尿病治療薬のGLP-1関連薬には、過食・肥満改善作用があり、視床下部の摂食中枢への作用を介すると考えられています。GLP-1は延髄孤束核でも産生されていますが、その役割は不明でした。

本学統合生理学部門の矢田俊彦教授、大学院生の桂田健一氏らは、ラットを用いた実験を行い、視床下部室傍核にGLP-1受容体拮抗薬を投与すると摂食量が増加したことから、脳に内在するGLP-1は室傍核に作用して摂食を抑制していることを解明しました。孤束核GLP-1神経細胞は、投射先の室傍核に作用し、摂食抑制性のCRH、ネスファチン、オキシトシン神経細胞を活性化することが解りました。

本研究は、GLP-1(関連薬)による摂食抑制、抗肥満の神経機構を明らかにしました。CRH、ネスファチン、オキシトシンは精神・ストレス・概日リズム・社会行動・循環調節にも関わることから、今回発見した神経経路がGLP-1の多様な中枢作用を仲介する可能性が考えられます。

本研究成果は、日本時間2014年8月3日午前4時 (米国東部時間8月2日午後2時)に米国学術雑誌「Biochemical and Biophysical Research Communications」に掲載されました。

本研究は、文部科学省脳科学研究戦略推進プログラムの一環として、また科学研究費補助金などの助成によって行われました。