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研究情報

[医学部] 多発性骨髄腫の抗がん剤耐性に関する新たなメカニズムの発見

2015年10月27日

分子病態治療研究センター・幹細胞制御研究部の菊池次郎准教授・古川雄祐教授らは、多発性骨髄腫の抗がん剤耐性に関わるエピジェネティクス制御メカニズムを発見しました。

血液がんの一種である多発性骨髄腫はきわめて予後不良の疾患です。治療には抗がん剤が用いられますが、患者は次第に抗がん剤に耐性(抗がん剤が効かなくなる状態)となり、現在も完治に至る治療法が確立されていません。従って、抗がん剤耐性の克服は重要な課題ですが、そのメカニズムは未解明のままでした。

菊池准教授らは、抗がん剤耐性を人工的に再現する培養システムを考案し、遺伝子発現制御に関わるエピジェネティクス変化を網羅的に解析しました。その結果、エピジェネティクス制御因子であるヒストンメチル化酵素EZH2のリン酸化による活性抑制が耐性獲得の鍵となることを発見しました。そこで、EZH2へのリン酸化を抑制する阻害剤について探索を進めた結果、骨髄腫細胞の抗がん剤耐性を抑制し、抗がん剤耐性となった骨髄腫モデルマウスに対しても治療効果を示す阻害薬を発見しました。

本研究により、抗がん剤耐性に関する新たなメカニズムと耐性克服に有効な新規治療薬を明らかにしました。本研究は、多発性骨髄腫の抗がん剤耐性におけるエピジェネティクス制御メカニズムを明らかにした初めての報告です。今後は、本学臨床研究支援センターと協力し、同定した阻害薬の臨床応用を進める計画です。

本研究成果は栃木県立がんセンター・オスロ大学との共同研究として行われ、2015年10月 26 日刊行の米国臨床研究学会誌「The Journal of Clinical Investigation」オンライン版に掲載されます。