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研究情報

[医学部] 老化とくに骨粗鬆症の診断に有用な血中バイオマーカーの発見

2015年11月24日

本学30期生で現在、福島県立宮下病院において地域医療に従事している小山大輔医師は、本学・抗加齢医学研究部の黒尾 誠教授、幹細胞制御研究部の古川雄祐教授の協力のもとに、老化とくに骨粗鬆症の診断に有用な血中バイオマーカーを発見しました。

αKlothoは黒尾教授が1997年に同定した遺伝子で、その産物はFGF23の共受容体として腎尿細管に発現し、リンの排泄に働いております。αKlothoの発現が低下すると、血中リン濃度が上昇し、CPPと呼ばれるコロイド粒子を形成、無菌性炎症を惹起して、動脈硬化・肺気腫・骨粗鬆症などの老化現象を加速させます。例えば慢性腎不全においてはαKlothoが低下しており、異所性石灰化をはじめとする様々な合併症の原因になっていると考えられております。αKlotho蛋白は尿細管細胞の膜に局在しますが、短縮型(可溶性 αKlotho)が存在し、血液・尿・髄液などで検出されます。その生物学的意義はまだ完全には解明されておりません。

小山医師は、宮下病院に通院する高齢患者の定期検査に合わせて血中の可溶性αKlothoを自ら測定し、臨床検査値・病歴・合併症・服薬状況等との比較解析を行いました。その結果、血中可溶性αKlothoは加齢に伴って減少するが、腎機能とは相関せず、一方、血中FGF23は年齢との相関はなく、腎機能低下に伴って増加していることがわかりました。さらに多変量解析によって、可溶性αKlothoレベルは年齢およびFGF23と逆相関することが確認されました。種々の合併症や既往歴・服薬との関連では、可溶性αKlothoの低下が骨粗鬆症の予測マーカーとして有用である可能性が示されました。

本研究は、簡便に測定できる血中可溶性αKlothoが、加齢とくに骨粗鬆症のバイオマーカーとして臨床に応用できる可能性を示した有意義なものです。また本学の卒業生が地域医療に従事する中で捉えた問題点を、大学との密な連携で科学的にアプローチした点に高い価値があると考えます。

本研究成果はBiochemical and Biophysical Research Communications誌の平成27年11月27日号に掲載されます。