お知らせ

HOME > ニュース&トピックス > 研究情報 > 2016年度 > [医学部] IL-33前駆体は、がん化型Ras変異体が誘導する形質転換とサイクリンD1の蛋白質合成に必要である

research

研究情報

[医学部] IL-33前駆体は、がん化型Ras変異体が誘導する形質転換とサイクリンD1の蛋白質合成に必要である

2016年6月23日

生化学講座構造生化学部門の太田聡助教、柳澤健教授らは、がん化型Ras変異体を起点とした発がんシグナルに、IL-33前駆体が関与することを明らかにしました。

多様ながんで認められるRAS遺伝子の変異が誘導する発がんシグナルの全容解明は、がん発生のメカニズムの解明につながる重要な課題とされています。本研究では、Rasにより発現が制御される遺伝子についてマイクロアレイ法などを用いて網羅的に解析しました。その結果、がん化型Rasにより形質転換したマウス線維芽細胞では、IL-33の遺伝子発現が顕著に増加することを明らかにしました。これまで、IL-33は、細胞傷害時に前駆体が切断され、炎症性サイトカインとして種々の免疫応答に関与すると考えられていました。一方、正常細胞ではIL-33前駆体は核内にも存在しますが、その役割は不明でした。本研究では、細胞内のIL-33がRasによる細胞の形質転換に不可欠であることと、Rasにより増加するサイクリンD1のタンパク質合成に必須であることを明らかにしました。

本研究は、Rasの発がんシグナルに対してIL-33が関与することを明らかにした初めての報告です。本研究成果から、IL-33が新規バイオマーカーや抗がん剤の新規標的となることが期待されます。

本研究成果は慶応義塾大学との共同研究として行われ、Cellular Signalling誌に平成28年5月4日付けでオンライン公開されました。本研究は、私立大学戦略的研究基盤形成支援事業「非感染性疾患の病態解明と診断・治療法の開発拠点の形成」の支援を受けて行われました。

論文名

Intracellular NF-HEV/IL-33 harbors essential roles in Ras-induced cellular transformation by contributing to cyclin D1 protein synthesis

著者名

太田聡、多胡憲治、松儀実広、柳澤健(自治医科大学医学部生化学講座構造生化学部門)
多胡めぐみ(慶応義塾大学薬学部衛生化学)

雑誌名

研究に関するお問い合わせ先

自治医科大学医学部生化学講座構造生化学部門 助教
太田聡(おおた さとし)
電話番号: 0285-58-7310
E-mail: satoshi.ohta@jichi.ac.jp