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研究情報

[医学部] GLP-1とインスリンの協働的な求心性迷走神経活性化:食後機能と糖尿病治療薬併用効果の機序

2017年6月9日

腸ホルモンのGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)と膵ホルモンのインスリンは、食後に同時に分泌されて、食後の糖代謝調節、満腹感創出に重要な役割を果たしています。さらに、糖尿病治療薬であるGLP-1受容体アゴニストとインスリン製剤は、併用により、優れた高血糖改善、体重減少効果を発揮することが近年報告されています。これらの機能には脳が関与していますが、GLP-1とインスリンの脳への伝達ルートの1つとして、内臓感覚神経である「求心性迷走神経」を活性化して脳へ情報を伝達する経路が知られています。そこで、GLP-1とインスリンが協働的に求心性迷走神経を活性化している可能性を考え、本研究で検証しました。

自治医科大学の岩附u師、矢田教授らは、生理的濃度のGLP-1とインスリンは各々単独では作用が弱いこと、しかし共添加により有効に求心性迷走神経を活性化することを、マウスを用いた実験で発見しました。このGLP-1+インスリンによる相加・相乗的神経活性化作用の発見は、食後の同時期に分泌されるインスリンとGLP-1が協働して求心性迷走神経に作用し、脳機能(満腹感創出や糖代謝調節)を調節している可能性を示唆します。また、糖尿病治療におけるGLP-1製剤とインスリン製剤の併用による優れた高血糖改善、体重減少効果の重要な作用機序として考えられます。

本研究成果は、2017年5月25日に国際学術雑誌「Neuropeptides」にArticles in pressとしてオンライン掲載されました。

本研究は、科学研究費補助金などの助成によって行われました。