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研究情報

[大学] 医療用麻酔の痛み止め効果を高める方法を発見

2018年5月9日

1. 研究成果の要約

医療用麻薬の強い痛み止めの効果は、痛みの治療では最後の頼みの綱と考えられます。しかし、医療用麻薬は、使い続けることで身体に慣れが生じて効き目が弱くなってしまう、耐性と言われる現象が起こることが知られます。医療用麻薬を使い続けるうちに効果が弱まってしまう耐性現象が、なぜ起こるのか、正確には分かっていませんでした。

自治医科大学薬理学講座分子薬理学部門教授の輿水崇鏡と福岡大学の本多健治講師、高野行夫教授を中心とした研究チームは、京都大学、国立成育医療研究センター、東京農工大学、九州大学、姫路独協大学との共同研究により、強力な痛み止め効果を持つ医療用麻薬のモルヒネについて、鎮痛効果がより強く、長く続くことを可能にする方法を発見しました。

研究チームは、バゾプレッシンホルモンの脳内の受け皿の1つとして働くV1b受容体の働きを止めた実験動物を作成して解析した結果、医療用麻薬であるモルヒネの効果が強くなることを発見しました。さらに、V1b受容体の働きを薬で止めることによっても、医療用麻薬の効果が強くなることも見出しました。この成果により、医療用麻薬とV1b受容体の働きを抑制する薬を同時に用いることにより、医療用麻薬の効き目を増加させて、長く保つ治療が可能になると分かりました。

本研究成果は、2018年4月30日16時英国時間に、科学雑誌「Nature Neuroscience」のオンライン速報板で公開発表されました。

2. 発表雑誌

雑誌名:Nature Neuroscience

論文タイトル:Complex formation between the vasopressin 1b receptor, β-arrestin 2 and the μ-opioid receptor underlies morphine tolerance

著者:Taka-aki Koshimizu, Kenji Honda, Sachi Nagaoka-Uozumi, Atsuhiko Ichimura, Ikuo Kimura, Michio Nakaya, Shinya Sakai, Katsushi Shibata, Kentarou Ushijima, Akio Fujimura, Akira Hirasawa, Hitoshi Kurose, Gozoh Tsujimoto, Akito Tanoue, and Yukio Takano

DOI番号:10.1038/s41593-018-0144-y

3. 論文掲載先