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研究情報

[医学部] 栃木県および近隣地区における2型C型肝炎ウイルスに対するインターフェロンフリー治療成績に地域差なし

2018年11月5日

1. 研究成果の要約

C型慢性肝炎は長らくインターフェロン(IFN)治療でしたが、副作用による中断でC型肝炎ウイルス(HCV)が排除されないケースが多く存在しました。またIFN治療成績には地域差があり、北海道や東北などの人口密度の低い地域で悪いことが報告されています。栃木県での2型HCVに対するIFN治療ではHCV消失率68%と全国平均80%を大きく下回っていました。2015年にIFNを用いないインターフェロンフリー治療が2型HCVに対して認可され、私たちは栃木県内の病院を中心に多施設共同研究を行い、その治療成績をまとめました。

今回の多施設共同研究では583人の患者さんがインターフェロンフリー治療であるソフォスブビル+リバビリン12週間投与を受けました。治療を完遂できたのは569人(97.6%)で、IFN治療の完遂率(全国平均は約70-80%)を大きく上回る結果でした。治療効果が判定できた566人のうち544名(96.1%)でHCVが消失しました。全患者さんでは546人(93.1%)でHCVが消失しました。この成績は全国各地での成績(90.4-97.0%)と比べても遜色ない結果であり、栃木県での治療成績は全国並みになったと言えます。また栃木県を6地区に分け、人口密度による地域差があるか検討しましたが、地域による差はなく、インターフェロンフリー治療は過去の問題を解決できたと言えます。IFN治療では高齢者で治療成績が悪いことが報告されていますが、本研究では65歳以上の高齢者でも治療成績は65歳未満と同等の結果でした。

栃木県では未だ「C型肝炎治療は副作用が多い治療」と誤解されていることが多い状況と思われます。現在行われているインターフェロンフリー治療は安全でしかも高率にHCVを排除できる治療法であり、本研究の成果が患者さんの受診機会増加につながれば幸いです。

2. 発表雑誌

雑誌名
Internal Medicine

論文タイトル
No regional disparities in sofosbuvir plus ribavirin therapy for HCV genotype 2 infection in Tochigi Prefecture and its vicinity

著者
Takuya Hirosawa, Naoki Morimoto, Kouichi Miura, Toshiyuki Tahara, Toshimitsu Murohisa, Yukishige Okamura, Takashi Sato, Norikatsu Numao, Masato Imai, Shigeo Tano, Kozue Murayama, Hidekazu Kurata, Iwao Ozawa, Yukimura Fukaya, Hiroaki Yoshizumi, Shunji Watanabe, Mamiko Tsukui, Yoshinari Takaoka, Hiroaki Nomoto, Norio Isoda, Hironori Yamamoto (下線は自治医大)

3. 論文掲載先

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30333396このリンクは別ウィンドウで開きます
doi:10.2169/internalmedicine.1194-18.