末梢血管
長野 博行


概 要
2004年度の末梢血管単独の手術総数は59例.そのうち緊急手術は18例.昨年は総数
55例で緊急手術は20例であり,ほぼ同数であった.


症 例
緊急手術:18例 急性動脈閉塞 13例
  (うち人工血管内血栓閉塞 4例)
Leriche 症候群急性増悪 3例
膝窩動脈瘤 1例
急性大動脈解離(Vb)による下肢虚血 1例
待機手術:41例 閉塞性動脈硬化症 35例
Leriche 症候群 2例
大動脈炎症候群 1例
人工血管塞 1例
外膜嚢腫 1例
吻合部瘤 1例


術 式
緊急手術 血栓除去術 10例
血栓除去 + 大腿動脈−大腿動脈バイパス 1例
血栓除去 + 内膜摘除 1例
腹部大動脈−大腿動脈バイパス 2例
鎖骨下動脈−大腿動脈バイパス 2例
鎖骨下動脈−大腿動脈バイパス
        + 大腿―膝窩動脈バイパス
1例
近位膝窩-遠位膝窩動脈バイパス 1例
待機手術(解剖学的バイパス術) Y−グラフト置換 9例
大腿−膝窩動脈バイパス 10例
総腸骨動脈−大腿動脈バイパス 1例
総腸骨動脈−大腿動脈−膝窩動脈バイパス 1例
近位膝窩動脈−遠位膝窩動脈バイパス 1例
(非解剖学的バイパス術) 鎖骨下動脈−外腸骨動脈バイパス 1例
鎖骨下動脈−大腿動脈バイパス 6例
大腿動脈−大腿動脈バイパス 6例
(複合手術) Y−グラフト置換 + 大腿動脈−膝窩動脈バイパス   1例
鎖骨下動脈−大腿動脈
          + 大腿動脈−膝窩動脈バイパス
1例
大腿動脈−大腿動脈バイパス
          + 大腿動脈−膝窩動脈バイパス
2例
外腸骨動脈−外腸骨動脈バイパス
          + 大腿動脈−膝窩動脈バイパス
1例
(その他) パッチ閉鎖 1例


在院死亡
緊急手術 : 0例
待機手術 : 3例
 1)脳出血
 2)多臓器不全(MRSA肺炎,MRSA腸炎)
 3)大量腸管虚血疑い
  ・冠動脈バイパス術との同時手術症例(冠動脈バイパス術 + 鎖骨下動脈−
   大腿動脈バイパス + 大腿動脈−膝窩動脈バイパス術)
  ・上腸間膜動脈血栓症などの大量腸管虚血疑い
   (経過中,出血性ショックなどによる急性循環不全,呼吸不全あり)


合併症
創シ開,創感染,リンパ瘻(入院継続,再入院,転院を要したもの) 4例
深部静脈血栓症 1例
尿管損傷 1例
腸閉塞 1例


その他
 他科手術中の合併症例 : 2例
  婦人科手術中の急性右下肢動脈閉塞
          → 血栓除去+大腿動脈−大腿動脈バイパス
1例
  外科手術中のLeriche 症候群急性増悪
          → 鎖骨下動脈−大腿動脈バイパス
1例


総 括
 今年度は緊急症例もふくめ,手術による直接の合併症での死亡例はなかったが,待機
手術例で3例の在院死亡があったことは非常に残念である.
 また,他科の手術中に発症した緊急症例2例については術前における評価,術中操作,
周術期管理等で防ぐことが可能であったか検討を要すると思われる.


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