自治医科大学附属さいたま医療センター 心臓血管外科

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診療実績

日本胸部外科学会に報告する2017年の心臓大血管手術件数は515件、腹部大動脈・末梢血管を含めた心臓血管外科手術の総手術件数は976件で、手術件数はやや減少しましたが、昨年に続き500件を超える心臓大血管手術件数となっております。2017年はICU/CCUの拡充およびEICUの新設もあり、例年以上に重篤な多くの緊急症例にも対応することができました。これもひとえに、病棟管理・運営をしていただいたICU/CCU・EICU・病棟スタッフの皆さま、手術室での管理・運営をしていただいた麻酔科医師・手術室スタッフをはじめとした多職種の病院スタッフの方々のご尽力のおかげであり、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

 2017年は、弁膜症、虚血性心疾患の症例数自体はやや減少いたしましたが、2014年に導入したTAVRは順調に症例を増やし50件超/年の症例数となり、ハートチームの診療体制も充実し、2件/日の予定手術に対応するまでに至りました。また、僧帽弁閉鎖不全症に対して施行していたMICSも徐々に適応を拡大し、大動脈弁手術にも対応するようになりました。これら低侵襲手術は、今後さらに適応が拡大され、症例は増加するものと思われます。胸部大動脈疾患では、昨年減少した大動脈解離手術が50例超へ増加しております。ただし、実際にはより多くの救急要請があったものの、受け入れ困難なため、関連病院で対応した症例も少なくありません。すべての症例に迅速に対応することを目指す反面、今後も対応困難となる事態が生じることも予想され、受け入れ態勢および関連病院との連携強化に努め、グループとして、多くの救急疾患の救命に向けての取り組みが重要と考えております。末梢血管疾患では、重症下肢虚血に対する手術は、昨年にひきつづき増加しております。また、昨年、難治性静脈性潰瘍に対する内視鏡下筋膜下不全穿通枝切離術(SEPS)の認定施設となり、広く動静脈疾患に関連する下肢難治性創傷治療にも引き続き積極的に取り組んでゆきたいと思います。

 関連病院であるさいたま赤十字病院・春日部中央総合病院・練馬光が丘などは同じ診療圏にあり、それぞれのスタッフの努力により近年の手術件数はいずれも増加しております。埼玉県南部の診療圏において発症した、急性大動脈解離や動脈瘤破裂などの一刻を争う病状に対しては、関連病院間で連携をとることで診療の受け皿を増やし、地域におけるより効率的な救急診療の提供を目標としております。また2014年より当施設からの派遣が始まった横浜みなと赤十字病院においても、施設全体からの支援を得て、手術件数が順調に増加しております。神奈川県の同じ診療圏にある横須賀うわまち病院とも連携し、今後さらなる地域貢献ができるようにと、日々の診療に専心しております。

 最後になりましたが、常日頃循環器チームとして的確かつ迅速な診断および初期治療をされ、患者様を紹介してくださる循環器内科の先生方・各診療科の先生方、また近隣の施設・病医院の先生方にもこの場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。私どもの診療にご理解いただき、平素より深いご支援をいただき、まことにありがたく存じ上げます。今後とも引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
   

手術治療数の推移と手術内容

心臓大血管手術症例数の経過、および2016年の手術治療内容をグラフで示しました。

虚血性心疾患:冠動脈バイパス手術の治療実績

現在、自治医科大学附属さいたま医療センターでは年間120~150件の単独冠動脈バイパス手術、および弁膜症や大血管手術と同時に行う複合冠動脈バイパス手術を実施しております。
近年の高齢化社会の影響によって、冠動脈バイパス手術を受ける患者様の年齢も上昇しています。また、併存疾患が多くなっている傾向も見られます。

心臓弁膜疾患の手術治療実績

当科における心臓弁膜症手術の治療実績を下記に示します。現在、自治医科大学附属さいたま医療センターでは、経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)を除く心臓弁膜症手術を年間250件程度実施しております。僧帽弁閉鎖不全症に対する右小開胸僧帽弁形成手術も2016年度は17件実施しましたが、来年度以降、さらに適応を拡大していく予定です。大動脈弁と僧帽弁双方に対する連合弁膜症手術や、虚血性心疾患や胸部大動脈疾患に合併する複合手術も数多く実施しておりますので、より安全で低侵襲な心臓弁膜症手術の実践を目指し、今後も発展していきたいと考えております。また、感染性心内膜炎などの緊急な治療を要する心臓弁膜症疾患に対しても、引き続き、迅速に対応して参ります。

経カテーテル大動脈弁留置術の治療実績

自治医科大学附属さいたま医療センターでは、大動脈弁狭窄症に対する低侵襲手術である経カテーテル大動脈弁留置術(Transcatheter Aortic Valve Implantation: TAVI)を2014年から開始いたしました。TAVI手術件数の推移を示しますが、手術症例数は増加傾向です。TAVI手術実施時の平均年齢は80歳を超えていますが、30日死亡率は0%、1年生存率は89.8%と非常に良好な成績が得られております。

胸部大動脈疾患の手術治療実績

現在、自治医科大学附属さいたま医療センターでは、ステントグラフト手術を含めた胸部大動脈疾患に対する手術を年間200件程度・急性大動脈解離に対する手術を年間50件程度実施しております。2007年の導入後、低侵襲なステントグラフト手術件数は増加傾向です。

腹部大動脈疾患の手術治療実績

当科における腹部大動脈疾患手術の治療実績を下記に示します。現在、自治医科大学附属さいたま医療センターでは、主に腹部大動脈瘤を対象疾患として、手術治療(開腹手術+ステントグラフト内挿術)を年間120-150件程度実施しており、これは国内有数の規模を誇ります。待機的手術に関していえば、開腹手術の在院死亡率は1.5%程度、ステントグラフト内挿術の在院死亡率は1%以下と良好な治療成績が得られています。

連絡先

心臓血管外科外来は毎日行っていますので、お時間に余裕があれば下記予約コールセンターまでご連絡ください。

お急ぎの場合は、心臓血管外科担当医師と直接相談いただければと思います。