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自治医科大学 臨床医学部門 眼科学

多焦点眼内レンズ(先進医療) 

現在の白内障手術で主流となっている術式は、濁った水晶体を超音波乳化吸引装置で摘出し、単焦点(焦点が一つ)眼内レンズを挿入します。単焦点眼内レンズは、遠くか近くのいずれしか焦点が合わないため、術後はほとんどの場合で眼鏡装用が必要となります。一方、多焦点眼内レンズはピントを遠方と近方に合わせることが出来ます。多焦点眼内レンズのメリット、デメリットを正しくご理解いただいた上で、治療をお受けください。

メリット

  • 多焦点眼内レンズは、遠くと近くが見える遠近両用眼内レンズです。遠方と近方にピントが合うため、眼鏡に依存しない日常生活、または眼鏡の依存を減らす可能性が広がります。老眼年齢の方にはQOL(quality of life)の向上が期待されます。

デメリット

  • 遠近両用メガネとは異なり、多焦点レンズは目の中に遠方と近方の映像が常に入っている状態になり  ます。その結果、脳内では混乱が起こりやすいと言われています。(Waxy Visionといいます。)
  • 街灯や車のライトがにじんで見える場合があります。
  • 薄暗い場所では、コントラスト感度が低下する場合があります。
  • 一度挿入した眼内レンズを取り出すには再手術が必要で、眼への負担が増えます。
  • 白内障以外の眼疾患がある方は適応にならない場合があります。
  • 高額の自己負担に相関して期待度が大きく、不満につながる傾向も確認されています。

※見え方の質が重要な人、にじんだ見え方が気になってしまう人、また夜間運転を多くする人には注意が必要です。

費用について

手術費用(多焦点眼内レンズ代を含む)に関しては、健康保険は適用されず100%自費負担となります。それ以外の手術前後の診察・検査・薬・入院費には健康保険が適用されます。

入院及び手術にかかる費用(通常2泊3日の場合) 保険診療3割負担の方:片眼 321,950円程度かかります。
※お持ちの健康保険証により金額が変わります

※手術中、合併症等により単焦点眼内レンズに変更した場合、保険診療になります。

手術後の経過について

  • 多焦点眼内レンズの見え方になじんで視力が安定するまでには、数週間〜数ヶ月を要します。
  • 見え方に個人差があり、眼鏡やコンタクトレンズによる矯正が必要になることもあります。

hJSCRS(日本白内障屈折矯正手術学会)多焦点眼内レンズの情報はこちら